近頃『あたし おかあさんだから』の歌詞でも大きな議論を呼んだ育児の在り方。
近年は周囲の育児に対する関心が強まり「育メン」と呼ばれる、育児に積極的に協力するパパが増えてきている一方で、まだまだ周囲の理解が乏しく理想とは違った、ひとりで育児をこなす「ワンオペ育児」があることも実情。
今回、そんな「ワンオペ育児」についてママ100人にお話を伺ったところ、そこには愛情をもってわが子と接していきたいと真剣に考えているからこそのエピソードがありました。
寝かしつけたくても泣き止まないとき
「子供が0歳の時、何をしても泣き止まない時期がありました。2時間おきに起きて泣くので私の睡眠時間がほとんどなくなってしまい、精神的にかなり追い詰められていたと思います。短い時間でも代わりに子供を見てくれる人がいたら、その分を睡眠時間にあてられて、少しは楽になったかもしれません」(36歳/専業主婦)
「夜8時には寝かせたい!という思いと、夕方保育園から帰ってきてからのやることの多さに追い詰められます。夕飯の洗い物・風呂洗い・洗濯物の下洗い、上の子のうんちおもらし、下の赤ん坊のギャン泣きが重なるとキーっとなってしまいます」(31歳/個人事業主・フリーランス)
「娘は癇癪(かんしゃく)が激しく、夜も寝ない子でした。夫は娘を一度もかわいいと言わず、外にも連れださなかったです。3人で一度外出した時に娘が泣き、夫が私と娘にキレたので大喧嘩になりました。全く育児をしない夫なので、娘は全然なつきません。私1人で1時間でも外出がしたかったです。2人目は精神、体力的に無理でした」(42歳/専業主婦)
睡眠不足、休憩不足、息抜き不足……と、ママ自身のお休みが何かと疎かになりがち。一方で、「『子育ては母親がするもの』という固定概念を捨てて、周りの人の力を借りています」「子供が起きている時と昼寝している時にすることを完全に分け、起きている時は子供のペースで動けるようにしているからイライラしない」と、考え方や家事との優先順位のつけ方を上手に工夫されているママの声もありました。
インフルエンザなどで体調を崩したとき
「自分が病気になった時に、子供のことや家事などやらなければならないことがどんどんたまっていくけど誰も代わりにやってくれる人がいない。時間に追われて相談することもできない時は辛かった」(71歳/専業主婦)
「自分が熱を出した時に一緒に同居していた母に『自分が好きで産んだのだから熱があっても寝込んでいられない』って言われた時には辛かった。夫には『熱を出したお前が悪い』と言われ、怒りしかなかった。熱を出した時ぐらい労りの言葉と協力しようって気になってほしい」(33歳/専業主婦)
「乳腺炎で高熱が出た時も、夜泣きの対応やウンチを漏らした赤ちゃんの服の始末などを一人でせざるを得ず、なかなか熱が引かなくて辛くて困った。子供の予防接種など、病院に連れて行く時は車を出すなど手伝ってほしい」(31歳/パート・アルバイト)
「私がインフルエンザになり、布団から出るのも辛い状態だったけど夫は仕事が忙しくて休めないので、高熱を出しながら子供2人の世話をしました。仕事が大変なのは仕方ないけど、昼休みに帰ってきて子供のお弁当とかを買ってきてほしかったです」(35歳/専業主婦)
「主人が仕事から帰る夜まで、家事をしながらの育児は大変でした。特に、ケガや病気の時に自分一人で子供を抱えて病院へ向かうのは、不安もありつらかったです」(50歳/正社員)
ひとりとなると体調管理にも、人一倍気を使わなくてはいけないのが現実。ただでさえ自分のこともままならない状態で子供の世話をしなければならない状況のときは、ほんの少しでもいいから手を差し伸べてほしいですよね。
ワンオペ育児で夫にいま思うこと
「ワンオペで辛いのは、その労力よりもひとりで抱える不安や孤独を主人にわかってもらえないことだと感じる。物言わぬ赤子と一日過ごすのはなかなかしんどいものがある。かわいいだけではなく責任があるから緊張もするので」(32歳/専業主婦)
「泣く赤ちゃんを背中におんぶ、駄々をこねる上の子をあやしながら夕飯づくりをしていても、夫は知らんふりでスマホをいじっているときワンオペ育児で辛いと思う。家事を手伝わないのなら、せめて子どもの面倒を見てほしいです」(43歳/パート・アルバイト)
「夫が帰ってきても仕事で疲れていてすぐに寝てしまう。仕事が大変なのはわかるけれど、こちらも慣れない育児で思うように家事が進まずイライラしてしまう。夫が帰ってきて、着ていたものを床に置きっぱなしにしてすぐに寝たときには我慢の限界でした」(26歳/専業主婦)
「普段仕事の日は仕事があるし仕方がないかな、と諦めています。ですが、休みの日も育児にノータッチで泣いている子供を抱っこすることもしてくれないことが辛いです」(23歳/専業主婦)
「子供と夫、3人で公園に遊びに行ってるのに、だいたい遊んでるのは私。旦那はベンチで本読んでたり。家でも子供をお風呂に入れたりバタバタしてるのに机に向かって仕事してたり、こたつで寝てしまったり」(33歳/専業主婦)
「専業主婦で夫はあまり育児を手伝ってくれなかった。次男のおむつがとれるのが少し遅かったが、おむつ替えをしない夫に『紙おむつにするからだ』と言われたことが忘れられない」(60歳/専業主婦)
「数分も息抜きとして外出ができないことが1番辛いです。いざ旦那に預けようと思っても、結局私がお世話をすることになります。日頃のワンオペはこういうところにまで響き、気軽に息抜きすらできないことが辛いです」(22歳/専業主婦)
自分が我慢して、頑張り続ければいい!という気持ちで無理を続けてしまうと、いつかプツンと心の糸が切れてしまいます。その前に、周囲の人や市の育児相談所など悩みを聞いてもらう環境に飛び込んで、ひとりで抱え込まないことが大切です。ママ、応援しています。
※暮らしニスタ編集部が既婚女性100人を対象に行ったアンケート調査より
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ライター。無印良品らぶ「ムジラー」。女性サイト編集スタッフを経て、現在はWeb媒体を中心にコラムを執筆。ジャンルは恋愛、美容、マンガ書評など。趣味は資格勉強、最近では日本化粧品検定2級を取得。たのしく、やさしく、すこやかに。
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