コラム

偽イクメンが増加中!? パパは育児を「しない」の？それとも「できない」の？

更新日：2017.10.28

積極的に育児に取り組む男性のことを「イクメン」と呼ぶようになり、はや数年。
世間的にも、パパも育児に参加するものという風潮が強まり、「男性の育児休業」が注目されるようになりました。
けれど、日本の男性が育児や家事に参加する時間は、先進国の中でも最低水準だそうです。
では、パパたちは育児を「しない」のでしょうか？　それとも、したくても「できない」のでしょうか？

共働きなのに7割のパパが「育児をしない」

最近では、週末にパパたちがベビーカーを押したり、公園で子どもと遊んだりしている姿をよく見かけますよね。
このように、以前と比べてパパの育児参加は増えたような印象ですが、実際には育児や家事への参加時間は1990年代からあまり変わっていないそうです。

総務省の「2011年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ共働きの家庭で、パパが育児や家事に参加しているのはわずか3割程度。7割のパパが育児や家事をほとんどしていないということになります。

欧米社会とは違い、労働時間が長い日本の社会では、パパたちが育児や家事をする時間がなかなかとれないのも現状です。
では、パパたちは時間があれば、育児や家事を積極的に手伝ってくれるのでしょうか？

遊びはするが「世話はしない」

某大学教授が育児を「遊び」と「世話」に分けて育児をするパパたちを分析したところ、その結果、子どもと「遊び」はするけれども、食事の準備や洗濯などの「世話はしない」傾向だということが分かったそう。

周囲から「イクメン」だと思われているパパでも、「オムツ替えはママの担当」と言い切ってしまうのだとか…。
また、「たまには早く帰宅して、家事や子どもの世話をしてほしい」と頼んでも、「家事や育児は上手くできない」と断られるというケースもあるそうです。
これって、「できない」のではなく「しない」「したくない」ってことですよね？

家事は労働、育児はレジャー？！

また、別の大学教授の研究では、パパたちは「子どもとは遊びたいが家事はしたくない」「家事は報われない」「家事は単なる労働」と考える傾向があることが判明。
また、家事よりも育児に積極的なのは、育児を「レジャー」と捉える傾向があるからだとか。

実際、パパたちが「育児」について語るときには、「世話」ではなく、子どもとの「遊び」を意味することが多いそうです。
そのため、パパの労働時間が短くなっても「世話」の時間は増えず、「遊び」の回数だけが増えるという報告もあるほど。
要するに、パパたちは時間があっても、オムツ替えや食事の準備などの「世話はしない」ということです。

ママの「収入」がパパの育児時間を左右する！？

通常、夫婦の間で収入や学歴が高い方が、育児や家事に関する話し合いで強い立場になります。
そして多くの家庭ではパパの方が収入が高いため、ママの育児や家事の負担が多くなっているのではないでしょうか？

ところが、夫婦の収入が同じくらいの場合、パパの家事分担は増える傾向にあるそうです。
要するに、パパが稼ぎ手である場合は、収入が少ないママの育児や家事負担は増えるけれども、収入が同じぐらいならば、パパの家事負担も増えやすいということです。
さらに、ママの方が収入が高い場合、パパの家事負担はさらに増えることになりますが、収入の少ないパパがプライドを保つために、育児や家事をあえてしないというケースもあるとか…。
一方で、最近では「主夫」の役割を受け入れるパパも少しずつ増えてきています。

パパは育児を「しない」のか、それとも「できない」のか？　それぞれの家庭で答えは異なるでしょうが、育児を「しない」パパに育児をしてもらうように仕向けるのもママ次第かもしれませんね。
また、「育児は女の仕事」と考えているパパの意識改革も大切です。ママだって最初はやったことがない育児に挑戦して慣れただけ。「できない」は言い訳にならないことも、優しく説明して理解してもらいましょう！

＜プロフィール＞
ナツキレイ
フリーライター/日本語家庭教師
タイ在住を経てオーストラリアへ。現在はオーストラリアの田舎で日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

写真© Halfpoint - Fotolia.com

Profileナツキレイ

フリーライター/日本語家庭教師。タイ在住を経て、オーストラリアで日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

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