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コラム

多様性を受け入れる。もし我が子がLGBTだったら?

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多様性を受け入れる。もし我が子がLGBTだったら?
LGBTとは、レズビアンのL(女性同性愛者)、ゲイのG(男性同性愛者)、バイ・セクシャルのB(両性愛者)、トランスジェンダーのT(性同一性障害・生まれ持った性にとらわれない人)の総称で、セクシャル・マイノリティ(性的少数者)と称される人々を指す言葉です。
もしも我が子がLGBTだったら?または、それをカミングアウトされたらどうしますか?

理解しようという取り組みはあっても、実際には難しい!

まだまだ日本社会では認知度の低いLGBT。それがゆえに可視化されづらく、子ども本人も、周囲や家族には知られたくない、カミングアウトできないと、1人で悩みを抱えがちです。文部科学省が2013年に行った調査では、身体的性別に違和感を持つと感じる児童は全国の小中学校(国公私立)で少なくとも606人いることがわかりました。教師や教育委員会に、セクシャル・マイノリティで悩む生徒に配慮を促すよう通知はされています。しかし、さまざまな考え方を持つ人がいるのは事実で、子どもが望むような配慮がなされているかどうかはわかりません。

同調査で、担任の先生に相談したという割合は1割ほどです。先生に相談しても、思春期特有の感情だと見なされ、真剣に取り合ってもらえないというケースもあります。大人でも自己/他者ともに受容・理解が難しい事柄を、子どもたちがどう感じ、理解できているかも未知数でしょう。

家族が最後の砦となってあげる

「LGBTの人たちに対して配慮をしよう」「理解しよう」と掲げられるようになってきてはいても、社会は未だ多くの問題を抱えています。特に児童の学校生活における経験は、その後の人生に深く関わってくるでしょう。そんなとき、家族は最後の砦となって子どもを支える必要があります。とはいえ、カミングアウトしてもらうか、こちらから察することがなければ、そうとはわかりづらい問題ですよね。
家族は子どもの抱えている事柄を正しく知り、きちんと理解をするようにしてください。子供がLGBTであるとカミングアウトしていても、していなくても、安心できる場所が必要なのです。また、誰であっても、いい人・悪い人がいることを教えることも大事なことです。「マイノリティだから」本音で語れる場所を探しに、ティーンエイジャーに夜遊びを促すような相手は果たして信用に足る人物でしょうか?これはどんな子供でもいつ遭遇するかわからないことなので、親としてしっかり説明・注意をするようにしてください。
もし、カミングアウトされたら…?大事なのは、子どもの気持ち・プライバシーを守り、親自身がわからないことは本人に聞いてみることです。理解したいからこそ聞きたい、一緒に考えたいということを伝えましょう。早まってしまい、本人と深く話す前に「担任に相談」「LGBT団体に駆け込む」のは絶対にNGです!子どもの気持ちを一番に考え、許可を得た上で行動に移すことが最も望ましい対応ですね。

性的指向の多様性にはちょっとしたきっかけがある

「セクシャル・マイノリティ」と言うと、一概に“性同一性障害”ととらえられることが多いかもしれません。性同一性障害は、自身の身体的性別と心理的性別の矛盾に対して違和感を持続的に持ち続け、身体の性別とは別の性別を求めることです。または、成長過程でのさまざまな経験を通し、少しずつ自身の性指向に気付いていく人もいます。
同性が好きかもしれない、けれども男性になる気はない。その結果、レズビアンとして生きていこうと決めた女性の例があります。彼女は特殊な家庭で育った訳ではなく、ごく一般的な家庭で育ちました。女性として男性との恋愛経験を重ねていくうちに、男性と付き合うことが億劫になっていったそうです。そこで自分なりに少しずつコミュニティで相談していき、自分の性と向き合っていきました。幼少期から同性を恋愛対象としているわけではなかったそうです。

美しい女性が好きで、その延長で美しい男性も好きになったというある男性は、幼少期からその傾向があったそうです。「友だちとして同性が好き」だと思っていたのが、実は恋愛対象として見ていたのに気づいたのは思春期以降でした。彼は家族や職場の人にもバイセクシャルであることをカミングアウトしており、周囲から受け入れられています。
ママの育て方が悪かったわけでは決してありません。誰しもに起こりうることなのです。

マイノリティの中のマイノリティになる場合もある

LGBTである人たちのコミュニティはたくさんあり、「マイノリティ」ゆえ仲間同士の結びつきが強く、その場になじむことさえできれば理解者を得られる安心感があります。その反面、話が仲間内に広がりやすく仲間はずれにされてしまう、LGBTの中でのカーストがある、といった多くの問題が発生している現状もあります。この場合は、LGBTとしてではなく人間関係で起こりうる問題として、話し合ったほうがいいでしょう。
また、メディアにおいていわゆる「オネエ系」タレントが流行したこともあり、ゲイを含めLGBTの人に対する認知度や理解は深まりつつあるかもしれません。しかし、その流行が誤解をまねいている場合があるのも事実です。それ以外にも「体は男性、心は女性、恋愛対象は女性の人」「LGBTに含まれない、他者に恋愛感情を抱かない人」など、性の多様性は複雑です。もちろん、 全てを理解した方がいいのは確かですが、まずは自分の子どもがどういったセクシャリティで、その点に関して何か悩んでいるのか悩んではいないのか、自身をどう扱ってほしいと考えているかを知ることから始めましょう。

子どもは産まれたその瞬間から放たれた矢のように、自分の道を進んでいきます。自分の思い通りに成長しなかったからといって、子どもを否定してはいけません。自分がLGBTだと気づいた子どもたちは、いつだって「周りとは少し違う自分」にとまどい、おびえています。どんな成長をとげても、ありのままを受け止めて子どもの抱える心の問題を解放する手伝いをしてあげてくださいね。

(プロフィール)
アヤナ
企業受付を経て現在子育て真っ最中。5歳長女と2歳長男の母として走り回りながら恋愛系コラムを中心に執筆している。特技は自分の子供たちと真剣に遊んでいると、知らない子たちが集まってしまうこと。

写真© Paylessimages - Fotolia.com
Profileアヤナ
ライター。企業受付を経て現在子育て真っ最中。5歳長女と2歳長男の母として、走り回りながら恋愛系コラムを中心に執筆しています。特技は、自分の子どもたちと真剣に遊んでいると、知らない子たちが集まってしまうこと。
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