コラム

発達脳科学者が教える「子どもの脳が勉強なんかでは育たない理由」。親がやることはひとつだけ

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発達脳科学者が教える「子どもの脳が勉強なんかでは育たない理由」。親がやることはひとつだけ

「子どもを育てるということは、すなわち子どもの脳を育てるということ」と断言するのは、小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子先生。なかでも親が心を砕くべきは、生きるために必要な「原始的な脳」をしっかり頑丈に育てることだと言います。

もっと見る⇒⇒【メンタルが強い子】に育てるには?哲学者の回答がさすがだった!

脳の奥深くには「原始的な脳」が存在する

脳にはさまざまなパーツがあり、部位によって異なる役割を担っています。

最初に発達するのは、脳幹や大脳辺縁系など、生命を維持するために働く「原始的な脳」。

原始的な脳は、食べたり、排泄したり、体温調節をしたりといった、生きるために必要な体の機能をつかさどっています。

怒りや喜びなどの感情のほか、危険を察知したら逃げるなどの本能的な行動も、原始的な脳の担当です。

原始的な脳を覆うように「大脳皮質」があります。大脳皮質は、思考やこまやかな手指の動きなどをになう部位。

とくに、大脳皮質の前半分は「前頭葉」と言われ、論理的な思考や創造性、思いやり、社会性など、人間らしい行動をつかさどる脳の司令塔です。

「脳を育てる」=「勉強しなさい」ではない

「脳を育てる」と言うと、大脳皮質や前頭葉を育てることばかりに意識が向きがちです。

「勉強しなさい!」「宿題はしたの?」と口酸っぱく言っても、ちっともわが子がやる気にならない、とため息をつくお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。でも、これは大きな間違い。

子どもの脳を育てるためにするべきことは、勉強をさせることなんかではないのです。

脳の発達には段階があります。まず原始的な脳が育ち、その土台の上に論理的な思考力、創造性などが育っていきます。土台がぐらぐらでは、どんな刺激を与えても脳はバランスよく育ちません。

原始的な脳、きちんと育っていますか?

毎朝、パチっとご機嫌に起きて、朝ごはんをしっかり食べられるなら、原始的な脳がきちんと育っている証拠です。

反対に、勉強やゲームで遅くまで起きているから、朝は学校に行くギリギリまでベッドから出られない。機嫌も悪いし、食欲がなくてしょっちゅう朝食抜き。

こんな子は、原始的な脳がうまく育っていないと考えられます。

わが子の様子に思い当たるところがあるなら、原始的な脳を育て直すことを意識しましょう。

親が死守すべきは、起きる時刻と寝る時刻

なかでも最も大切なのは、目から入る光の刺激。朝は明るい光を浴びて活動をスタートし、夜は暗くなって眠る。

光の刺激を規則正しくインプットしていくことで、原始的な脳は頑丈につくられていきます。

しかし小学生になると、塾や習い事、ゲームなどで就寝時間が遅くなり、生活リズムが崩れてしまう子も。

不規則な生活で原始的な脳を弱らせながら、その上の大脳皮質を育てようなんて本末転倒で、うまくいくはずがありません。

まず睡眠時間をしっかり確保すること。起きる時刻と寝る時刻は「家のルール」としてきちんと決めましょう。

かく言うわが家も、娘が小学生の頃から「夜は9時に寝て、朝は6時に起きる」ということだけを徹底していました。

五感を刺激する体験をふんだんに

学校の授業でもタブレットやパソコンや活用されるようになり、効率的に学習ができるようになりました。その一方で、実体験を伴う学習は少なくなっています。

タブレットの中で見たものが、どんな大きさで、どんなにおいで、どんな音・声を出して、どんな触り心地なのか。

視覚だけでなく、聴覚・味覚・嗅覚・触覚も多用する体験の場を増やしていくことが、親に求められる大きな役割のひとつです。

「旅先でネイチャーウォークをしたら、山の中にカニがいた」「お父さんと魚釣りにいって、きれいな魚を釣り上げた」

自然の中でのこういった体験は、子どもたちの脳内にタブレットで見たものと実物とをリンクさせる回路を作ってくれます。

生きものが好きな子なら動物園や水族館、歴史が好きな子なら博物館や遺跡探訪などもいいでしょう。

親の「好き」に子どもを巻き込む

ただ、いくら子どもの脳にいいからといっても、大人が我慢して付き合うのはかえって逆効果です。

「私は虫嫌いだけど、子どもが昆虫好きなので、毎週頑張って昆虫採集に出かけています」

ときどきこんなお母さんのため息まじりの声を耳にしますが、昆虫好きな子なら、放っておいても勝手に虫を探します(笑)。

お母さんが無理に頑張る必要はありません。それよりも、親が好きなこと、興味があることに、子どもを巻き込んでいくのがおすすめです。

五感をフル活動させることが、子どもの知的好奇心にもつながった事例

釣り好きのお父さんに連れられ、毎週川や海に釣りに行っていた子がいたのですが、彼は中学生にもなるとすっかり魚博士に。中学では生物部に入り、家でも魚を育て、大学では水産学を専攻するまでになりました。

釣りのたびに、お父さんが魚をさばいて、お刺身、唐揚げ、天ぷらと、さまざまな調理法でおいしく味わっていたことも、楽しい思い出だそう。

まさに五感をフル活動させてきたことが、彼の知的好奇心にもつながってきたのだと感じます。

お父さんが好きなこと、お母さんが好きなこと、きっとそれぞれに違いますよね。今週はお父さんと、来週はお母さんと、というふうにそれぞれに好きなことを楽しむと、親にとってもストレスがありません。

聞いたらバカにされる、恥ずかしい…。「できないことを隠す子どもたち」に共通すること|発達脳科学者 成田奈緒子先生

成田奈緒子(なりた・なおこ)小児科医、発達脳科学者。文教大学教育学部特別支援教育専修教授。神戸大学医学部を卒業後、米国セントルイス大学医学部留学、獨協医科大学越谷病院小児科助手、筑波大学基礎医学系講師を経て現職。「子育て科学アクシス」主宰。

取材・文/浦上藍子

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