近頃、人気の地元ハウスビルダーとの家づくり。
ハウスビルダーとはデザイン力のある設計事務所と実際に家を建てる昔ながらの工務店の、いいとこどりのような家づくりのパートナーです。
設計から施工までを一貫して行います。一般的に設計料が安く、使用材料などの相談もダイレクトにできるので、コスト調整の際に頼りになります。また、設計者と職人さんの連携がスムーズなので、ちょっとしたプランの変更にも柔軟に対応してくれるというメリットも。
叶えたい間取りがあったり、使いたい材料があるなど、家づくりに積極的に関わりたい人にも向きます。
家づくりの過程、家のプラン、住み心地、コストコントロール力など、全てにおいて大満足で
「パートナーに選んで大正解だった!」という好事例を紹介しましょう。
石川さん宅(愛知県)
釣り好きのご主人に、マクラメアレンジが趣味の奥さま、そして小学1年生の長男、年少さんの次男、2歳になる長女の5人家族。キャンプや公園遊びが好きなアウトドア一家です。
パートナーに選んだのは河合建設!
河井建築 前原麻未さん
二級建築士。ハウスメーカー、設計事務所を経て河井建築に入社。設計とコーディネートを担当。「お客さまの立場で、よりよい家を提案します」
パートナー選びの決め手はココ!
住宅情報サイトで見つけた、「河井建築」の素敵な施工例。さっそく連絡して実際に見学したら、想像以上に私たちの好きな家! ほかにも、しっくい塗りの壁や無垢材の床など、二人の希望を予算内で叶えてもらえることが決め手になりました。
コストダウンの秘訣はビルダーさんとのコミュニケーション
——家づくりのきっかけは?
ご主人 もともと実家に住んでいましたが、3人目が生まれて手狭になったからです。隣にあいている両親の土地があり、新築することにしました。
——平屋は石川さんのご希望でしたか?
奥さま はい、平屋は絶対(笑)。自分が平屋で育ったことも大きいですが、子育てしている間は2階まで目が届きにくいし、いずれ子どもは巣立っていくので、将来的に考えると平屋かなと。
前原さん ただ、基礎も外壁面もふえてしまう平屋は、総2階より割高になって、コストダウンと相反するのですが(笑)。
——そのあたり、どのようにコスト調整したのですか?
前原さん 外壁には塗りを希望されていましたが、コスト高になるので、まずそこから検討しました。ほかにも天井板を省いたり、床材を幅広で厚みのある無垢材でもBグレードにするなど、面積の大きい部分から考えました。照明などの商材探しやDIYなど、石川さんのフットワークの軽さにも助けられました。
ご主人 いろいろなパターンやさまざまなサンプルを見積書と一緒に提案してもらって、メリットとデメリットを含めて多くの選択肢の中から検討しました。こちらも思いつくと毎回、見積もりをお願いして、会うたびに見積書がふえてました(笑)。
——頼みやすさは大切ですね。
ご主人 気になったら、すぐに連絡していました(笑)。頻繁に相談できたことが、コストダウンにいちばんつながった気がします。
代案が功を奏して、当初の予定以上に満足いく空間に
——予算調整のために妥協した部分は、結果的にどうでしたか?
ご主人 外壁の塗りをあきらめてレッドシダーを部分的に張ることにしたのですが、その面積も予算の関係で少し減らすことになって。でも、あきらめたつもりが結果オーライでした(笑)。こちらがしたかったことよりいいじゃん!という代案が多くて、やり残した感が少ないです。
奥さま 床材も、節が多いBグレードのほうがむしろ正解でした。表情があって気に入っています。
——逆に、絶対にゆずれなかったことは?
奥さま 樹脂サッシとモルタルの洗面台です!
前原さん 以前のお宅は結露がひどかったそうなので、樹脂サッシをおすすめしました。アルミサッシより高価ですが、結露が出にくいです。モルタル洗面台は、大工さんが下地をつくって、左官屋さんがモルタルを塗り、塗装屋さんが撥水材を塗る……と職人さんが3名入るので、単に造作するよりコスト高になってしまいます。
奥さま でも、おかげで一度も結露を見ていないですし、モルタル洗面台も絶対にしたかったことなので、実現して満足です。
——壁のしっくいは、みなさんで塗ったそうですね。
前原さん うちのスタッフ4人とご主人、それとご主人の弟さんの総勢6人で。石川さんにテントを出していただいて、そこでみんなでランチをしたりして、2日間でやりきりましたね。
ご主人 みんなでつくったという感じで、本当に楽しかった。左官屋さんも来ましたが、最初にやり方を教えてもらったあと、「おれはやんねえよ」って(笑)。
——住み心地はどうですか?
ご主人 冬あたたかく、夏涼しい。とにかく、エアコンを入れる回数が減りましたね。
前原さん 壁や屋根の断熱性能を高くしていて光熱費が抑えられるので、暮らしの中でのコストダウンもできます。断熱性能等級の評価ももらえて、国からの補助金も出ました。魔法瓶のように外からの影響が少ないので、夏はエアコンがすぐきくし、冬は熱が逃げにくいです。
奥さま 以前の家はとても寒かったのですが、今は子どもたちも素足で走り回っています(笑)。一年じゅう気持ちがよくて、家で過ごすことが多くなりました。
——地域のビルダーさんにお願いしてよかったことは?
ご主人 今も心配ごとがあると、すぐに来てもらえます。イベントもあるので、「河井建築」で新築したOB同士も仲がよく、情報交換できるのもありがたいです。
LDK
キッチンカウンターを兼ねた大きなダイニングテーブルが主役。「息子のお友達にも『カフェみたい!』と言われます」。差し色の青もきいています。
キッチン
コックピットのように、見晴らしよく機能的なコの字形キッチン。「食材を出して洗って切って作って食卓に……という一連の動作が、驚くほどスムーズです」
キッチンのしっくいは河井建築のスタッフと一緒に、青い壁面は「ベンジャミンムーア」の塗料でご主人がDIY。椅子に座った家族と目線が合うよう、キッチンの床は1段下げて。
パントリー
キッチン奥のパントリーの様子。「カインズホーム」の収納ケースと「イケア」のチェスト、すべて白でそろえて。「小さなパントリーだけれど、つくって本当によかった!」
リビング
天井板を張らず構造材を生かしてコストダウン! 道路側の壁には、視線が気にならないよう、高い位置に小さい窓を設けました。土間風の玄関は、リビングの一部のようにつなげて、広がりを感じさせるように。
コの字形プラン+デッキの外壁で外からの視線が遮断されるため、カーテンは不要。暑い時期はターフで対処しています。サッシは結露しにくい樹脂製を採用。
子ども部屋
3人のお子さんが一緒に、そして広々と遊べるよう、仕切りはありません。「お互いを感じられるし、この間取りなら部屋にこもらないと思って(笑)」
学校のように机を並べて。「窓ひとつが1人分(笑)。3人が巣立ったあとを考え、壁はつくりませんでした。ゆくゆくは間仕切りをもうひとつふやすかも」
「笠松電機製作所」の壁面ランプは施主支給。「このメーカーは、かわいいのに安い照明がけっこうあって、クローゼットのガラスペンダントもそうです」
木製格子にアイアン塗料をペイントした本棚つき間仕切りは、ご主人によるDIY。雑然としがちなおもちゃ類を目隠ししています。
W・I・C
収納棚もご主人作。そのDIY力にはびっくり! 水回りと寝室にしかドアのない石川さん宅は、クローゼットや子ども部屋もオープンなつくりです。
クローゼットもDIYでコスト削減! クローゼットのチェストはデスクも兼ね、ワークスペースにも。「子どもが自分で洋服を掛けられるよう、ポールを低い位置にとりつけました」
寝室
小上がりのように床を1段高くした、家族5人の寝室。その下には収納スペースも確保。「布団などが収納できて重宝しています」 床材は、節のあるBグレードをチョイスすることでコストを抑えました。
エントランス
玄関に置いた白い椅子は、ユーズドのスタジアムベンチ。このサイズに合わせて、玄関の面積を決めました。
玄関には多肉植物を並べて。ガラスや缶など、プランターの素材もいろいろで楽しい眺め。土間風なので水やりも気楽です。
アメリカンスイッチ&プレートは施主支給で。お子さんが届くだけでなく、視界のじゃまにならないよう、家じゅう低い位置に設置。
サニタリー
モルタルのカウンター+医療用シンク+黒目地タイルで男前の洗面台に。二人同時に身支度できるよう大きめの鏡を。「枠つきなのでモノも置けて便利です」
こだわりのない場所は、手頃な既製品でカバー。「既製品の中にもシンプルでカッコいいものがあると聞いて、ショールームに出かけて選びました」。家に合わせて淡い色はやめ、ウッディな色合いのシステムバスを選択。
シンプルなトイレに木製棚をつけたのはご主人。「最初から棚をとりつける予定でいたので、下地の場所を前もって指定しました」
コスパのよいサイディングに自然素材をプラス! 大きめのサイディングを選ぶなど、手頃な素材でも見栄えのよさを工夫して。また玄関まわりにはレッドシダー、軒裏にはスギ材を張り、メリハリをつけています。
家の裏側にあたる北側の軒裏には、コストカットのため合板を使用。密着した隣家側など、目につきにくい場所には有効なコスト調整です。
予算管理はこうして成功!
石川さん夫妻の「ここだけはゆずれない」という点を見極め、見えない部分には既製品を上手に使い、メインになる部分には造作や素材感のあるものを提案しました。高価になりがちなタイルも、有名ではないけれど、よいものがあるメーカーをおすすめするなど賢くセレクト。また、屋根ssaにはデザイン性もあるガルバリウムをおすすめし、外壁も費用が上がる塗りをやめて、サイディングに。ただし、玄関まわりにだけ雰囲気のある自然素材を使うことで、全体の印象をよくしています。
設計のポイント
平屋をご希望だった石川さん。家族の居場所がどこからでもわかるよう家をコの字形にし、家族が自然に集うよう、日当たりや風通しを考え、いちばん気持ちのいい場所にリビングを配置しました。また、子どもたちが巣立っていくことも考え、可変性のある間取りに。住めば住むほど愛着がわくよう、経年変化する素材を多く使い、お施主さま自らも手を入れながら生活を楽しんでもらえる家にしました。デザイン性だけでなく、断熱など性能等級を取得し、将来にわたる光熱費の削減や家族の健康も考慮しています。
成功のコツ まとめ
●コストダウンしても、どうすれば印象がよくなるか、そのポイントを検討。
●最初からつくり込まず、DIYで対応。しっくい壁は、わが社スタッフもお手伝い。
●石川さんの機動力。安価な照明などを自ら探してくださり、協力し合えたこと。
DATA
家族構成:夫婦+子ども3人
敷地面積:226.80㎡(68.61坪)
建築面積:100.07㎡(30.27坪)
延べ床面積:92.75㎡(28.06坪)
施工延べ床面積:109.32㎡(33.07坪)
構造・工法:木造平屋(軸組み工法)
工期:2015年6月~10月
本体工事費:約1995万円(そのほか外構工事150万円、設計料50万円)
3.3㎡単価:約60万円
設計:株式会社ライフラボ
☎086-235-4907
www.soramado.com
コーディネート・施工:株式会社河井建築 ☎0566-21-9900 70120-699-004
http://soramado-nagoya-higashi.com
主な仕様
床/[1階]スギ無垢フローリング [ポーチ]モルタル金ゴテ仕上げ
壁/[1階]しっくい塗り
給湯/「パナソニック」エコキュート
キッチン/本体:オーダー(コの字形・幅270㎝)レンジフード:「アリエッタ」
水栓金具:「グローエ」
浴室/浴槽:「ノーリツ」
洗面/ボウル:「TOTO」
水栓金具:「カクダイ」
トイレ/[1階]「LIXIL」
サッシ/「三協アルミ」ペアガラスサッシ、樹脂サッシ
玄関ドア/「LIXIL」
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/「ニチハ」サイディング
断熱方法・材質/壁:硬質ウレタンフォーム 屋根:フェノールフォーム保温板 床:ポリスチレンフォーム保温板
他の記事も読む
2018.10.30近頃、人気の地元ハウスビルダーとの家づくり。家づくりの過程、家のプラン、住み心地、コストコントロール力など、全てにおいて大満足で「パートナーに選んで大正解だった!」という好事例を紹介します。続きを見る
2018.10.31近頃、人気の地元ハウスビルダーとの家づくり。家づくりの過程、家のプラン、住み心地、コストコントロール力など、全てにおいて大満足で「パートナーに選んで大正解だった!」という好事例を紹介します。続きを見る
2018.12.06近頃、人気の地元ハウスビルダーとの家づくり。家づくりの過程、家のプラン、住み心地、コストコントロール力など、全てにおいて大満足で「パートナーに選んで大正解だった!」という好事例を紹介します。続きを見る
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます