住宅ローンを組む際、月々の返済額と合わせて、返済期間を何年にするかを決めなければなりません。注意したいのは返済期間の長さによって完済時までの総返済額が大きく異なること。当然、返済期間は長いより短いほうが総返済額は少なくなります。長くするほど総返済額が増え、老後に使える資金が減ってしまうという心配もあるでしょう。だからといって返済期間を短く設定すると、毎月の返済額が多くなり家計への負担は増します。返済期間の決め方について考えてみましょう。
返済期間はどうやって決めたらいい?
返済期間を決める重要なポイントは、まず「毎月いくらであれば無理なく支払えるのか」です。借入金額2000万円の場合を例にとってみましょう。
そして、ここでもうひとつ考慮しなければならないのが、会社員の場合は定年時期、自営業の方の場合は継続して収入が見込める年齢です。例えば、現在35歳で定年が65歳であれば、まずは返済期間を30年で試算しましょう。その結果、月々の返済額が多い、または少ないとなった場合、1年刻みで細かく設定できるので、支払える金額に近づくよう返済期間を変えて計算します。上記の表から分かるように、返済期間が5年伸びると、総返済額は約50万円増えてしまいます。公的ローンやほとんどの民間ローンは1年刻みで返済期間を設定できるようになっています。1年でも総返済額の差は大きいので、細かく検討することをおすすめします。
返済期間は短いほうが有利?長いほうが得?
床面積など一定の基準を満たした住宅を取得し、借入期間10年以上の住宅ローンを利用した場合、「住宅ローン減税」の恩恵が受けられます。そこで住宅ローンは長く借りローン減税からの還付金を繰り上げ返済にあてるのが有利、との考え方があります。しかしこれは、所得がかなり多く所得税額が高額で、しかも住宅ローンの借入額も高額な場合に言えること。一般的にはそのために返済期間をあえて長くするほどのメリットはないと言えます。あくまでも年収に見合った、将来的なライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる返済期間を設定するように心がけましょう。
返済期間の長さによるメリット、デメリット
返済期間は長いほうがいいのか、短いほうが得なのか。それぞれのメリット、デメリットを分かりやすく整理してみましょう。
返済期間が短い
・総返済額が少なくなる
・毎月の返済額が高くなる
・保証料が安くなる
・基本的に返済期間の延長はできない
返済期間が長い
・総返済額が多くなる
・毎月の返済額は安くなる
・保証料が高くなる
・将来的に期間を短くすることが可能
住宅ローンの返済期間の考え方
返済期間は短いほうが総返済額は少なくなり、さらに借入時に支払う保証料も安くなるなどのメリットがあります。しかし、期間を短くした結果、将来月々の支払いに無理が生じたとしても、原則返済期間はのばすことができません。そのためには、どちらかというと返済期間は長めにしておいたほうが良いというのが、リスクを想定した一般的な考え方です。その場合は、当初の余裕のあるうちにしっかりと貯蓄をして、計画的に繰り上げ返済をするよう心がけましょう。その結果、返済期間を短くすることができ、総返済額を抑えることができるようになります。
まとめ
住宅ローンの返済に振り回されることなく、余裕のある家計を維持するには、無理のない支払いと返済期間を見極めることが大切です。将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるよう、ご家族にとってゆとりのある返済期間を設定し、当初長期ローンを組んだとしても、先々の返済分を前倒しで返済する繰り上げ返済をしていきましょう。この繰り上げ返済にも返済期間を短くする「期間短縮型」と、毎月の支払い額を減額する「返済額軽減型」があります。これも利息分、すなわち総返済額が減らせる「期間短縮型」のほうがお得だということも覚えておきましょう。
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