せっかく注文住宅を建てるなら、家族のライフスタイルや希望に添った満足できる家を建てたいものです。しかし予算には限りがあるもの。当初の予算がオーバーしてしまったらどうしたらよいのかを考えてみましょう。
なぜ予算がオーバーするの?
注文住宅の予算がオーバーしてしまう原因とは何でしょうか。
まずは、もっと広い家がいい、もっと高級な設備がいい、もっと内装にこだわりたいなど、家に対する希望が膨らみ過ぎてしまう例があります。
もうひとつは、かかる費用を把握できていない例。家づくりでは、家本体を建てるだけでなく、付帯工事の費用や、銀行ローンの手数料や保証料、登記の費用、場合によっては仮住まいや引っ越しの費用などもかかります。それらを計上し忘れていると「こんな出費があったなんて」と、後からプランの調整を余儀なくされることになります。
予算オーバーの失敗例
注文住宅の予算がオーバーしてしまうと、どんな残念なことが起こりえるのでしょうか。
本体工事費用に入らない付帯工事費について言うと、電気やガス、水道の無い家でも構わないという人はいないでしょうから、これらは削ることのできない費用です。実際に住むときに必要な照明やカーテンの費用、また諸費用と言われる銀行や登記などの各種手続きにかかる費用も削れないものになります。
そうすると多くの場合、削ることができるのは本体工事費です。こんな家に住みたい、こんなキッチンで料理をしたいといった家づくりの夢そのものを削っていく作業になるため、心情的にとても辛いことが想像できると思います。
しかし、だからと言って予算オーバーに目をつぶって金銭的に無理なローンを抱えると、節約だらけで余裕のない生活になってしまうでしょうし、最終的に住宅ローンが払えなくなれば、せっかく建てた家を手放さないと行けないと言う事態にも。
予算を下げない方がいい箇所
予算をオーバーしたら、そのオーバー分を下げたいですね。ですが、注文住宅を建てる際、コスト削減をしない方がいい箇所もあります。
絶対に削ってはいけないのが安全・安心にかかわる箇所です。地盤の補強が必要な土地に、補強無しで家を建てることはできませんし、基礎工事を手抜きするわけにもいきません。
そして、住み心地に大きく関わる箇所。具体的には窓のサッシなどの開口部や断熱材など、気密性・断熱性に関わることも、なるべく妥協しないことをおすすめします。建ててみて、やっぱり寒かった暑かったとリフォームをするくらいなら、最初から必要なグレードのものを使いましょう。
予算を下げても大丈夫な箇所
逆に、注文住宅でもコスト削減ができる箇所もあります。
外構などは、門やフェンスを設えるのに多くの費用がかかります。そのためそれらを設けないオープン外構にするとコスト削減の効果があります。
家の内装も、面積の広いフローリングや壁材を見直すと大きくコスト削減できることがあります。もちろん見るからに安っぽい空間になってもいけませんので、見本をよく見て、建築士にもしっかり相談してください。
家族しか使わないクローゼットやパントリーの扉を省くなど、建具を減らすことも方法のひとつです。
予算削減のポイント
注文住宅の予算削減をするためのポイントを考えます。
まずは、削減しようとしているその部分が、あとからでも付けられるか、そうでないかを考えましょう。
例えばキッチンの勝手口をつけるかつけないか。寝室にバルコニーをつけるかつけないか。つけない方が予算は小さく済みますが、これらはあとから「やっぱり必要だった」と悔やんでも、自分たちで設置することは難しい箇所です。
逆に、カーテンや照明、家具などは、ある程度は手持ちのものでまかなうこともできますし、住みながら少しずつ買いそろえていくことも可能です。庭の植栽なども、よほどの巨木でなければ自分たちで植えることもできるでしょう。
もちろん家族それぞれに家づくりへの夢があるはずですから、「この部分はあとからでも対応可能なので削減!」と、問答無用で誰かの夢を切り捨ててしまうようなことは避けてくださいね。どういった部分が削れるか、また削れないか、家族でしっかり話し合ってみましょう。
予算削減のデメリット
注文住宅の予算削減を行なうときのデメリットにはどんなものがあるでしょうか。
オーバーしている予算を減らすということは、どこかで何かを我慢するということです。しかし、希望の点を全部切り捨てて、我慢ばかりを積み重ねて建った家に愛着は湧くでしょうか。「せっかくの家づくりなのにあれも我慢した、これも我慢した…」と不満が残る結果になるのが一番のデメリットです。
失敗しない予算削減の方法
注文住宅の予算削減を行なうときの注意点にはどんなものがあるでしょうか。失敗しない予算削減とは、不満が残らない予算削減ということです。どんな家でどんな風に暮らしたいのかという譲れない夢の部分をちゃんと守りましょう。
「広々としたリビングで家族団らんを楽しみたい」のなら、リビングをもっと小さくして予算を抑えよう…という手段はなるべく取らないことです。リビングの優先順位が高いなら、お風呂のグレードをひとつ落としてみるとか、内装材の価格を抑えてみるとか、リビング以外での予算削減を考えます。
家に関する家族の優先順位をしっかり把握して、譲れる箇所、譲れない箇所のジャッジをしてください。
まとめ
予算オーバーでは家は建ちません。しかし予算に合わせるために希望が何も盛り込まれていない家を建てても暮しは向上しません。限られた予算の使いどころを決められるのは自分たち家族だけです。どこに予算を使い、どこを削るのか、家族の希望と共にすりあわせて、設計士にしっかり相談しましょう。
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