家事をするスペースに光と風をとり入れて毎日の暮らしを楽しく

【Oさん宅（神奈川県）】

フレンチドアからも、その上のハイサイドライトからも光があふれるダイニング。天井を上げて梁を見せたことで、
より開放的に。

1F　ダイニング

毎朝まっ先に キッチンとダイニングに 日ざしが入るのがうれしい！

ゲスト用玄関、ワークスペース、階段をすべて間仕切りなくダイニングに接続。家族もゲストも必ずここを通る動線にしました。

戸外の心地よさが デッキから 室内に伝わって

ダイニングのフレンチドアをあけると、外はデッキ。光と風を味わいながら食事を楽しめます。天気のいい日は外でごはんやお茶を。

1F　ゲスト用玄関

【写真左】家族が普段出入りする玄関のほかに、来客用の玄関をプラン。生活用品を置かなくてすむため、ゲストを気持ちよく迎えられます。
【写真右】床に素朴な大理石タイルを使うなど、内装にもこだわって。

1F　ワークスペース

壁や建具で クローズドにせず 光と風を通して

パソコンやミシンを使うワークスペースは、天井との間をあけた壁だけであいまいに間仕切り。風通しがよく、狭さも解消します。

1F　キッチン

明るさと素材感に こだわったキッチンは 使い勝手にも大満足！

【写真左】キッチンの中心にはタイル貼りのアイランドカウンターが。「お菓子づくりのためにぜひほしかったもの。素材からサイズまでこまかく指定してつくってもらいました」
【写真右】シンク前の上げ下げ窓は念願だったもの。たっぷりの光と風を感じながら家事ができ、庭で遊ぶ子どもたちにも目が届きます。

「庭を眺めながら お菓子づくりをするのが 至福のひとときです」

奥さまの実家の近くに土地を求め、マイホームを建てることになったＯさん。ゆったりとした庭を存分に生かせるプランを計画しました。テーマは「家事をする場所を明るく快適に」。キッチンのシンクの前に窓をつけて、庭を眺めながら料理やあと片づけができるようにしました。「料理とお菓子づくりが大好きなので、家にいる間はキッチンにいることがほとんど。子どもたちとも楽しく作業できる空間をめざしました」。キッチンからオープンにつながるダイニングには、両開きのフレンチドアが。あけ放すとパーゴラつきのデッキが広がり、庭から心地よい光と風がたっぷりと入ってきます。

「わが家の中心はこのダイニング。いちばん条件のいい場所をくつろぎとおもてなしの場にしています」。ダイニングのまわりにはリビングをはじめ、玄関、ワークスペース、階段を配置。文字どおり、家族やゲストが集まる家の中心としての役割を果たしています。

ダイニングとキッチンを光いっぱいの南側にプランした一方で、リビングはあえて奥まった北側にレイアウト。「夜くつろぐことが多いので、リビングはこの位置で正解。落ち着いた雰囲気が気に入っています」。北側といっても、窓の外にはパティオをつなげたため、明るさは十分。直射ではないやわらかな光が、くつろぎの場の心地よさを高めています。

1F　パントリー

人と一緒に 風も通り抜ける 大型収納スペース

キッチン側も玄関側も出入り口の扉はなし。クローズドのパントリーと違って風通しがよく、モノを持ったまま出入りするのもラク

【写真左】ストック食品や調理器具などをおさめるパントリー。家族用玄関からキッチンへの動線上にあるので便利。
【写真右】左右の壁面いっぱいに棚を造りつけて。通路タイプのパントリーはスペースに無駄がなく、収納力も抜群だそう。

1F　和室

ご主人のご両親が泊まりがけで気軽に遊びにこられるように、和室を用意。奥さまがお琴を弾いたり、着付けをしたりすることも。

1F　リビング

リビングと和室は北側から 採光して、落ち着き感をプラス

リビング、ダイニング、和室で囲んだ北側のパティオ。くつろぎの場にぴったりのやわらかな光が入ります。
あければ風通しも抜群。



リビングとダイニングは間仕切りなくつながりながらも、ほどよい独立感を保っています。食事の場とくつろぎの場を分けたことで、生活にメリハリがつくのも利点。

ほっこりと落ち着ける雰囲気は、壁に囲まれた空間ならでは。ソファは「MOMO NATURAL」で。

1F　家族用玄関

ガラス入りドア＋ オープン収納で 明るく風通しよく

家族が毎日出入りする玄関。靴箱もクローゼットも扉のないオープンスタイルにして、しまいやすさと湿気対策を両立させています。

1F　手洗いスペース

帰宅してすぐ手が洗えるよう、家族用玄関に小さな手洗いカウンターを設置。大理石のモザイクタイルを使った
デザインも素敵です。

1F　トイレ

手洗いスペースの隣はトイレ。家族はもちろん、和室に泊まるゲストにとっても使いやすいレイアウトです。
トイレは「INAX」の製品。

2F　ランドリールーム

バルコニーから光と風を とり入れた、理想の家事空間

家事スペースが 明るくて快適だと 洗濯だって楽しい！
洗って、干して、たたんで……を気持ちよくこなせるランドリールーム。大きなものを手洗いできるよう、実験用シンクも設けました。

「毎日家事をする場所としてもうひとつこだわったのは、ランドリールーム。２階の南側に専用のスペースをプランして、光と風を感じながら洗濯やアイロンがけを楽しんでいます」。ランドリールームの外は物干し用のバルコニー。洗濯物の出るバスルームも、とり込んだ衣類をしまうクローゼットも２階にレイアウトしたため、洗濯にかかわる家事はすべてこのフロアだけですんでしまうのだそう。インテリアや心地よさだけでなく、暮らしやすさの面でも賢い工夫がいっぱいです。 

2F　洗面室

寝室のある2階に水回りを配置して、生活動線を短縮。カウンターのモザイクタイルは、1階の手洗いスペースと色違いをセレクト。

2F　浴室

窓を2つつけて大正解！ 湿気知らずのバスルームに

右手の壁にもうひとつ窓が。「窓を2カ所につけたくて、この『TOTO』のユニットバスを選びました。風通しも文句なしです」

2F　トイレ

夜間に使うことを考えて、寝室や子ども部屋のある2階にもトイレを設置。設備機器は1階と同じ「INAX」の製品を選びました。

2F　廊下 & ロフト

廊下に風が抜けるようにロフトをプラン

上に見えている手すりの内側がロフト。この先の階段から上ります。廊下には家族の本をまとめてしまえる本棚をつくりました。

2F　寝室

【写真左】寝室に併設したウォークインクローゼット。入り口のそばにデスクとオープン棚を造りつけ、ご主人のワークスペースとして活用しています。
【写真右】天井高をゆったりとったことで、6畳ほどの広さでものびのびと開放的な雰囲気になりました。窓の外はバルコニー。

2F　子ども部屋

現在ワンルームの子ども部屋は、いずれまん中で2つに仕切れます。「この部屋の壁だけ、家族みんなで記念に珪藻土を塗りました」

DATA. Oさん宅（神奈川県）

profile.

ご夫妻と7歳、4歳の女の子の4人暮らし。
社宅住まいを経て家づくりを計画しました。設計を依頼した「プランボックス」は、「住宅雑誌を見ながら好きな実例を選び出してみたら、ほとんどがこちらの手がけたもの。迷わず決めました」。

設計のPOINT

「どこで何をするか」をあいまいにしなかったことが、Oさん宅の成功ポイント。庭を眺めながら料理したい、デッキにつながるダイニングで食事したい、バルコニーにつながるランドリールームで洗濯したいなど、目的をはっきり決めてプランに反映させました。庭とのつながりを重視したため1階LDKになりましたが、ダイニングの天井を少し上げたことで開放感が生まれ、吹き抜けにしなくてものびのびと明るい印象になったと思います。

プランボックス一級建築士事務所
小山 和子さん

1955年広島県生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。87年に小山一級建築士事務所、95年に湧井さんと共同で現事務所を設立。施主のこだわりを形にする家づくりを進めている。
湧井 辰夫さん

1951年東京都生まれ。工学院大学専修学校建築科卒業。95年に小山さんと共同で現事務所を設立。「ものづくり」にこだわり、現場でのアドリブ感を大切に設計活動を続けている。

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