子どもも大人も大好きなソーセージ。「身近な食べ物だけど、詳しい種類などは意外と知らないな~」ということはありませんか?
今回は大型ソーセージの代表格ともいわれるボロニアソーセージに注目。
「どんな食べ物なの?」「手作りすることはできるの?」「どんなふうに食べるとおいしいの?」などなど、ボロニアソーセージにまつわる基本的な情報をご紹介します。
ボロニアソーセージについて知りたい
ボロニアソーセージは、大型ソーセージの一つでハムのようにスライスして食べます。ピンク色にところどころ白い脂身が混ざった見た目が特徴的ですよね。でも、どこで生まれて、どんなふうに作られていて、形や味に定義はあるのか…など、ちょっと詳しい情報も、せっかくなのでチェックしておきたいところ。さっそく順番に見ていきましょう!
◎ボロニアソーセージの原産国は?
ボロニアソーセージの歴史は古く、その起源はなんと、古代ローマ時代という説が有力。もともとは、イタリア北部にあるエミリア・ロマーニャ州の首都、ボロニアが原産です。
ボロニアという地名から、「ボロニアソーセージ」とか「ボローニャソーセージ」という名前が使われることが多いのですが、イタリアでの正式名称「モルタデッラ」と呼ばれることもあります。
うま味があって、風味豊かな味わいが人気を呼び、今では世界各地で愛されていますよ。
◎見た目は?ほかのソーセージとの見分け方は?
ボロニアソーセージの太さやその他の条件については、日本の農林水産省がJAS規格で定義しています。
JAS規格によると、ソーセージの要項に当てはまるもののうち、牛腸を使ったもの、または製品の太さが36mm以上のものが「ボロニアソーセージ」。
ただし、製品の太さが36mm以上であっても豚や羊の腸を使ったものは「ボロニアソーセージ」ではなく、牛の腸を使ったものであれば太さが36mm未満であっても「ボロニアソーセージ」です。
おなじみの「ウインナーソーセージ」は、羊の腸またはそれと同等の太さである20mm未満、「フランクフルトソーセージ」は豚の腸またはそれと同等の太さである20~36mm未満です。
実際には、断面の太さが20cmほどにもなるボロニアソーセージが多く、ハムのようにも見えることも。そのため、「ボロニアハム」と呼ばれることがあります。販売時には、ブロックのまま、あるいはスライスされて店頭に並びます。断面はうっすらとした美しいピンク色です。
◎ボロニアソーセージの原料は?
ソーセージは通常、「ケーシング」という皮に牛や豚などの挽肉や塩、スパイスなどを混ぜ合わせたものを詰めて作ります。ケーシングには天然と人工のものがあり、天然のものは牛や豚、羊などの腸。人工のものは天然コラーゲン原料などから作られます。
ボロニアソーセージの場合、一般的には豚の赤身肉や脂身などから作られます。なかには、ピスタチオや黒コショウを粒のままで混ぜ込んでいるものもあるようです。ケーシングは牛の腸か人工のものを使います。
◎ボロニアソーセージのカロリーは?
文部科学省の食品成分データベースによると、ボロニアソーセージの100gあたりのカロリーは251kcal。同じ100gあたりでは、ウインナーソーセージが321kcal、ロースハムが196kcalとなっています。
ボロニアソーセージの薄めスライス1枚あたりは40kcal程度が目安です。なかなかの高カロリーですよね…。ただし、商品によって異なります。
◎ボロニアソーセージの製造方法は?
本場イタリアでの正式な製法は、古くからの伝統製法によるもの。使う肉も豚肉のみで、肉に調味料やスパイス、豚の喉の脂身を細かく切ったものを加え、牛腸に詰めて蒸して作ります。
日本のJAS規格では製造方法についてはそれほど厳密には規定されていない様子。ソーセージの要項に当てはまるなら、肉を塩漬けするかどうか、香辛料や保存料などを加えるかどうか、くん煙するかしないかといった違いは、「ボロニアソーセージに当てはまるかどうか」という点ではどちらでもOKとなっています。
ですから、本場のボロニアソーセージは、味わいがちょっと違うかも!?でも、最近では日本でも本場流のものに近い商品が登場しています。いろいろと食べ比べてみるとよさそうですね♪
ボロニアソーセージの作り方が知りたい
ボロニアソーセージはどのようにして作られるのでしょうか。手間はかかりますが、ボロニアソーセージは材料や専門的な器具が手に入れば、家庭でも作ることができます。
ただし、肉をなめらかに撹拌するときの温度管理やケーシングへの充填などは初心者にはなかなかハードルが高いよう。専用の道具などを使うといいかもしれません。基本的な作り方は次の通り。
◎準備するもの
・豚赤身肉
・豚の脂肪(バラ肉でも可)
・食塩
・砂糖
・スパイス(セージ、ナツメグ、黒こしょう、白こしょう、グリーンペッパー、ガーリックパウダーなど)
・ケーシング(人工、または牛腸)
◎手順
(1)豚の赤身肉、脂肪はよく冷やし、5~6mm角に切ってからさらに冷やします。
(2)冷やした豚の赤身肉だけを数回に分けてフードプロセッサーなどで撹拌しクリーム状にします。
※このときなるべく温度をあげないように、肉も道具も冷やしておくのが◎。途中で細かく砕いた氷を加えるのも有効。
(3) (2)の挽肉に(1)の豚脂肪、スパイス、こしょう、ガーリックを加えて混ぜ、数時間冷蔵庫で冷やします。
(4)ケーシングの片方の端を結ぶなどして生地が飛び出ないようにし、もう片方の端から(3)の生地を充填します。入れるときにはソーセージメーカーなどを使って空気溜まりができないようにします。
また、ケーシングによっては、あらかじめお湯でふやかすなどの作業が必要なので、製品の注意書きに沿って進めます。充填が済んだら、ケーシングの口を閉じます。
(5)75~80℃の湯で火が通るまで茹でます。ソーセージの太さによって茹で時間は異なります。
(7)茹であがったら水気を切りながら冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫へ保存します。
ボロニアソーセージの食べ方が知りたい
ここまでで、ボロニアソーセージのことがだんだんわかってきましたよね。では続いて、ボロニアソーセージをおいしく食べる方法について、考えてみましょう。
ボロニアソーセージは主役にも脇役にもなれる食材。加熱してもよいし、熱を加えずに食べることもできます。
ですから、一番楽なのは、スライスしてそのまま味わうこと。薄切りにして盛り付けるだけでオードブルの一品になります。また、そのままならサラダにしたり、サンドイッチに挟んでも美味。
さらにおいしくするなら、フライパンの弱火で両面を軽く焼いて香ばしさをプラスしたり、ハムエッグのハムの代わりに使ったり、衣をつけて油で揚げたりするのもおすすめです。ピザやパスタ、チャーハン、スープの具にもぴったり!
ボロニアソーセージを塊で買ったときには、薄くスライスしたり厚めに切ったり、ひと口サイズのサイコロ状にしたりと、切り方も自由に楽しめます。料理によって変えてみるといいかもしれませんね。
なかには、食べられないタイプの人工ケーシングで包まれている商品もあるので、その場合はケーシングを剥がしてから調理してくださいね。
ボロニアソーセージのオススメレシピが知りたい
アイデア次第でいろいろな料理に生かせるのがボロニアソーセージのいいところ。
ボロニアソーセージの塩気を生かしてシンプルな調味でできあがる一品や、きれいなピンク色が映える飾り風おかずなど、ボロニアソーセージを使ったオススメレシピをここでは4つほどご紹介します。
保存性があるので冷蔵庫にストックしておけば、困ったときのお助け食材になってくれますよ!
◎こんがり香ばしい♪ ソーセージと新じゃがのコンソメ炒め
【材料(2人分)】
ボローニャソーセージ…90g
新じゃが…大1個
ブロッコリー…小房3個
顆粒コンソメ…ひとつまみ
塩、こしょう…少々
オリーブオイル…小さじ2
ゴロゴロと食べ応えのあるサイズに切ったボローニャソーセージと、新じゃが、ブロッコリーを顆粒コンソメで炒めるおかず。ソーセージは塩気が効いているので、調味料は野菜にふればOK。新じゃがはホクホク、ソーセージは表面がカリッと焼けたところが香ばしい味わいです。
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◎母の日に?ひと工夫のみ!カーネーションシュウマイ
【材料(作りやすい分量)】
シュウマイの皮…適量
シュウマイのタネ(好みで鶏ひき肉、白菜、小ネギ、ごま油など)…適量
粉末鶏ガラの素…適量
塩…適量
ボロニアソーセージ…適量
いつもの手作りシュウマイにひと工夫して、見た目もかわいい一品にチェンジ。ボロニアソーセージのお花は、切り目を入れて小さくまとめてお花風に形を整えるだけで、意外とカンタンに作れます。とっても華やかなので特別な日の食卓を飾る一品にするにもいいですね♪
2018.05.09シュウマイにひと工夫するだけ!可愛いシュウマイの出来上がり!続きを見る
◎切り口が楽しい!韓国風ロールずし
【材料(8本分)】
温かいご飯…5合分
ほうれんそうのナムル※…1束分
にんじんのナムル※…1本文
ちくわ…適量
ボローニャソーセージ…適量
卵焼き(塩味)…適量
かに風味かまぼこ…適量
たくあん…適量
焼きのり…8枚
ごま油…大さじ5
塩…適量
炒り白ごま…適量
ボローニャソーセージを使って彩りよく作る韓国の巻きずし、キンパ。ボローニャソーセージを棒状に切ってさっと炒め、ちくわ、卵焼き、かに風かまぼこ、たくあんなどと一緒に巻きます。具は色のバランスを見ながら、たっぷりのせるのがコツ。パーティーにもオススメです。
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◎スパム風おにぎり(「行楽弁当~お花見~」より)
【材料(3個分)】
ボロニアソーセージ…適量
ご飯…適量
海苔…適量
お花見などの行楽弁当に入れるにもぴったりな、スパ厶風おにぎり。ボロニアソーセージを好みの厚さに切って軽く焼き、冷めたら丸く握ったご飯の上にのせ、やさしく握って海苔で巻けばでき上がり。ラップで包んでしばらくおくと、海苔がなじんで食べやすくなりますよ。
◎アレンジパスタDEオーナメント☆かわいいクリスマスツリープレート
【材料(適量)】
ボローニャソーセージ…適量
赤ウインナー…適量
ポテトサラダ…適量
パスタ…数本
ミックスベジタブル…少量
ブロッコリー…適量
カレーパウダー…好みで
クリスマスシーズンだけではもったいない!アレンジをして、いろいろなパーティメニューに加えたい、楽しげな一品。ボローニャソーセージは切って型で抜き、パスタで串刺しにして茹で、カレーパウダーをふって軽く炒めます。型抜きをして余った側にはポテトサラダを詰めて。
2015.12.02ブロッコリーとアレンジパスタでカワイイ見て楽しいクリスマスプレートを作ってみました♩クリスマスパーティーなどでみんなの注目間違いなし‼︎続きを見る
フランスパン生地で作るポケットパンの豪快サンド
【材料】各適量
フランスパン生地
ボンレスハム
ボロニアソーセージ
ブリーチーズ
サニーレタス
ゆで卵
バター
フランスパンの生地を平らに伸ばしてオーブンで焼き、半分に切ってポケットパンを作ります。中に好みの具材を詰め込んでいただきます。スライスしたボロニアソーセージはブラックペッパーが効いていて生でも美味。モチっとした食感のブリーチーズとの相性も抜群ですよ!
2021.01.11外食自粛なので…おうちでちょっと贅沢ランチ♡フランスパン生地で大きな(直径18センチ程)ポケットパンを焼き、ちょっと贅沢な食材を顔みたいに(笑)盛り付け、具材を詰めて豪快にいただきます♡ボンレスハム・ブラックペッパーの効い...続きを見る
ボロニアソーセージの照り焼き乗せオイマヨカレーピラフ弁当
【材料(4人分)】
◎かために炊いた炊きたてごはん…3合分
◎細切りハーフベーコン…8枚分
◎おうちコープ冷凍野菜(コーン・にんじん・いんげん・玉ねぎ)…130g
◎ジャワカレーパウダー…大さじ2と1/3
◎オイスターソース…大さじ2
◎マヨネーズ…大さじ3
◎塩…少々
ボロニアソーセージ…6切れ
ゆで卵…6切れ
ジャワカレーパウダーを使った簡単カレーピラフの上に、ボロニアソーセージの照り焼きをどーんと乗せたお弁当です。見た目も楽しくボリューム満点!食べ盛りさんが喜びそう♡
まとめ
おなじみのウインナーもよいのですが、切り方をアレンジして、いろいろな料理に使えるのは大型ソーセージならではですよね。これからは家庭の定番食材にボロニアソーセージを加えてみてはいかがでしょうか。
また、本場イタリアの製法によるものは味わいも違う様子。機会があれば、ぜひ食べ比べてみたいですね!
参考:文部科学省「食品成分データベース」(https://fooddb.mext.go.jp/)
文/北浦芙三子
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