ふるさと納税といえば、自治体からお礼として届くさまざまな特産品で話題を集めていますよね。期限を迎える年末に駆け込みで申し込みする人が多いですが、特産品によってはすでに品切れだったりして、欲しい物がもらえない場合も。または、忙しくて返礼品をのんびり選んでいる時間がないため、毎年、ふるさと納税のチャンスを逃している人も少なくないのでは?
そんなときに活用したいのが「ポイント制」です。今回は、ポイント制の仕組みやメリットについて、ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんに解説していただきました。
ふるさと納税の仕組み
そもそも、ふるさと納税とは、好きな自治体・応援したい自治体に寄附をすると、自己負担額の2,000円を引いた全額が、税金(住民税・所得税)から控除される制度です。
寄附をした自治体からお礼として地域の特産品などがもらえるところが大きな魅力となっています。
ふるさと納税の基本については下記の記事に詳しくまとめていますので、ご覧ください。
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なぜ、ふるさと納税は年末に集中するの?
1月から1年を通して自治体に寄附できるふるさと納税ですが、その利用は毎年10月から12月の3ヶ月間が全体の60%を占めているのだとか。
「ふるさと納税の寄附金額の上限額は年収と家族構成によって決まります。年末が近づくと年収がはっきりしてくるので、いくらまで寄附できるか具体的に見えてきますよね。年末に利用が集中するのはそういうわけなんです」と中村さんは話します。
ふるさと納税のポイント制って?
ふるさと納税の基本や傾向がわかったところで、「ポイント制」についてご紹介します。
ポイント制とは、ふるさと納税で寄附すると、自治体から特産品ではなく、寄附した金額に応じてポイントが付与される仕組みのこと。そのポイントを利用して後から返礼品を選ぶことができます。
「ふるさと納税ができる上限金額がはっきりする年末に、とりあえず寄附だけしておいて、時間が取れるときにじっくりと特産品を選んだり、欲しい特産品が手に入る時期を待って申し込むことができるので、忙しいかたや自分のペースで特産品を見つけたいかたにおすすめです」と中村さん。
ただし、すべての自治体がポイント制を採用しているわけではありません。まずはポイント制を導入している自治体を探してみましょう。ふるさと納税のポータルサイトで検索できますが、すべてのサイトでポイント制を導入している自治体の検索ができるわけではないのでご注意を。
ポイント制のメリットとは?
自治体によって異なりますが、ポイント制を使うことで通常のふるさと納税にはないメリットがあります。
①とりあえず寄附して特産品選びは後からゆっくり
通常のふるさと納税では寄附と同時に返礼品を選ぶ必要がありますが、ポイント制なら、まずは寄附するだけでOK。多くの自治体では年末12月31日の23時59分までにクレジットカード決済できれば、その年のふるさと納税の申し込みが完了するので、年末の “駆け込み組”にはうれしい限り。もちろん、この限りではないのでギリギリはおすすめしませんし、お目当ての自治体があれば事前に期限を調べておくとよいですね。
②有効期限内ならいつでも、何度でも!
期限内ならいつでも返礼品が選べるのも、ポイント制の魅力です。一度に使い切らなくも残ったポイントはとっておけるのでショッピング感覚で気に入った特産品を探すことができます。
有効期限は自治体によってまちまち。1年間だったり、年度内だったり。「有効期限なし」という太っ腹な自治体もあるので、ゆっくり長く楽しみたい方は、そういった自治体を選ぶものいいですね。
③ポイントは年をまたいで貯められる!
有効期限内であればポイントをずっと貯めておくことができるのはもちろんですが、さらに、期限内にもう一度、その自治体に寄附をすると、ポイントの有効期限が更新され、ポイントも合算されていきます。
この手法でポイントを合算していけば、高額商品と交換できたり、一年を通して、その土地の特産品の数々をゲットすることができます。
デメリットも把握しておこう
うれしいことが多いポイント制ですが、もちろん注意すべきこともあります。
①寄付先の自治体の特産品しかもらえない
ポイントは貯めたり、繰り越したりしながら、好きなタイミングで特産品と交換できますが、それは、ポイントを発行した自治体の返礼品に限ります。自治体を選ぶ際にはどんな特産品がどのタイミングで、どれぐらいあるのか、詳細をしっかりチェックしてから申し込みましょう。
②ポイントが余ってしまうことも!
せっかくのポイント制なので、有効期間内にいろいろな特産品に交換したいと思いますが、何度か分けて使ううちに、端数が出て、ポイント全部を使い切れない場合も発生します。すべてを使い切りたい人は計画的に利用するといいかもしれませんが、「余ったポイントは寄附ってことで!」ぐらいのゆったりした気持ちでいたいものですね。
③自治体によって有効期限が違うので使い忘れにご用心
ポイント制を導入する自治体によって、有効期限が違うので、ここも要注意。たとえば、複数の自治体でポイント制を利用する場合、うっかり忘れてしまって期限切れ…とならないようにしましょう。
“駆け込み組”や初心者は利用すべし!
ポイント制とは、簡単に言えば、「寄附できるときに寄附をして、特産品は自分のタイミングに合わせてもらいましょう」ということ。年末の駆け込み組はもちろん、初めてのふるさと納税で返礼品選びに迷ってしまいそうな人にとっても、重宝しそうですね。
ポイント制を活用して欲しい特産品をベストなタイミングでもらっちゃいましょう!
【監修者プロフィール】
中村芳子◎ファイナンシャルプランナー。有限会社 アルファアンドアソシエイツ 代表取締役。家計診断や、複雑な金融や保険をわかりやすく解説する記事や講演に定評がある。女性向けの個人マネー相談も人気。『いま、働く女子がやっておくべきお金のこと』(青春出版社)、『結婚したら、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)などお金に関する著書も多数。
中村さんのサイト『いま、やっておくべきお金のこと』はこちら
取材・文/長沼良和
写真/istock/liza5450
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