コラム

褒めっぱなしは逆効果？“頑張れる子”になるための親の接し方

更新日：2017.10.28

子どもには、大きくわけて「最後まで頑張ることができるタイプ」と「途中ですぐに諦めて投げ出してしまうタイプ」の子がいますよね。
どちらがよいかと言われると、もちろん“最後まで頑張ることができる子ども”に育ってほしいと親は願うもの。
その“最後まで一生懸命頑張れるか頑張れないか”は、実は持って生まれた特性ではなく、親の接し方が大きく関係している可能性があるのです。そこで、ここでは頑張れる子になる親の接し方についてご紹介したいと思います。

子どもの褒め方に注意

「●●は頭がいいね」と、子どもを褒める親は多いものですが、“頭がいい”と頻繁にほめることは、子どものチャンスをつぶしてしまう恐れがあります。
なぜかというと、“頭がいい”などと特性だけを褒められて育った場合は、「頑張ってもこれ以上よくはならない」という考えをもって成長してしまう可能性があるからです。その結果、子どもは新しいことに挑戦し失敗することを恐れるようになるため、挑戦をせず、困難にあうとすぐに諦めてしまうようになる傾向があります。

子どもを褒めることはやる気を出させるために有効なことですが、褒め方には気をつける必要があります。では、どう褒めればいいのか。それは、結果がどのようであれ頑張った過程を褒めることが大切なのです。
「●●を一生懸命できたね」「こういう工夫をしたことがよかったね」といったように、頑張った過程を褒めましょう。そして、褒めっぱなしにせずに、子ども自身がその結果についてどのように思っているかについても話し合うことが大切です。
そうして頑張った過程を褒めることで、“頑張ることには価値があり、もっと努力すればもっと賢くなれる。もっとよい結果に繋がる！”と考えられるようになり、“頑張れる子”に育っていくのです。

自己肯定感を高める

また、頑張れる子にするためには“自己肯定感”を高めることも必要です。
自己肯定感が高いと、「自分は価値のある人間である」「自分はやればできる」といったように自分自身を肯定することができます。
反対に自己肯定感が低い子どもは、「頑張っても自分にはどうせできない」とすぐに諦めてしまいます。

自己肯定感を高めるためには、幼児期0～6歳くらいまでの親の接し方が大切。親が子どもを愛していることをしっかり伝え、子どもの話をしっかり聞いてあげること。また、子どもが興味を持ったことはやみくもに禁止せず、思う存分やらせてあげましょう。
その他には、成功体験を味あわせて「自分はやればできる！」と思わせることも大切です。なので、工作や積み木など、最初は簡単なことからやらせていき、うまくできたら褒めてあげましょう！
失敗しても、過程を褒めることを忘れないこと。過程を褒めることによって、「（親が）しっかり行動を見てくれていた」という安心感を持ち、失敗しても次でがんばろうという支えになりますよ。

子どもの力を信じる

「ピグマリオン効果」という言葉をご存知でしょうか？　「ピグマリオン効果」とは、人間は期待通りの行動を示す傾向があるという心理的行動のこと。
周囲にいる最も身近な人である“親”が「（うちの子は）やればできる」「（うちの子は）頑張れる」と心の底から信じ、「●●は必ず成績が伸びて頑張れるよ。お母さんは信じている」と言い続けて応援することによって、子どもは期待通りの行動をするべく伸びていくようになるのです。

反対に、「ゴーレム効果」というものもあり、こちらはネガティブメッセージをかけ続けることによって、その通りの結果になってしまうというもの。
「成績がこんなに悪いなんてダメな子。どんなに頑張ってもいい学校には行けないね」などと言うと、その言葉どおり成績が上がることはないでしょう。

いかがでしたか？　何気ない親の接し方や言葉がけで、子どもが“頑張れる子”になるかどうかが決まってしまう可能性はあるもの。だからこそ、子どもへの声のかけ方や接し方には充分気をつけて、最後まで頑張って自分のやりたいことをやれる子にしてあげたいものですね。

＜プロフィール＞
たいらまお
フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学ぶ。大学卒業後、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。現在は帰国し、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

写真© takasu - Fotolia.com

Profileたいらまお

フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学び、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。帰国後、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

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