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コラム

「うちの子、大丈夫かな…」と不安になったときは、「一緒に仕事をしたいと思える子に育っているか」という視点が役に立つ!【植松 努さん】

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「うちの子、大丈夫かな…」と不安になったときは、「一緒に仕事をしたいと思える子に育っているか」という視点が役に立つ!【植松 努さん】

「我慢は美徳」と言われてきた日本。けれど、植松努さんは、その価値観に疑問を投げかけます。子どものしつけフレーズとして頻出の「我慢しなさい!」が飛び出す前に、ひと呼吸して植松流の対話をスタートさせると、親子関係はどう変わっていくのでしょうか?北海道の町工場からロケットを飛ばす植松さんが語る、親子で育てたい「行動する力」とは?

「我慢」って、自分の心を殺すことだと思うんです

子どもに身につけてほしい力を思い浮かべるとき、「我慢強さ」「忍耐力」を上げる人は少なくないと思います。

困難に直面しても、弱音を吐かないで頑張り通す強さを持ってほしい。少々の不便や不満があっても、わがままを言わずに受け入れるのが美徳である。

こうした価値観が日本には根深く残っています。でも私は、我慢が美徳だとは思いません。

多くの場合、「我慢」という言葉のもとに求められるのは、「自分の心を殺して、耐えること」です。でもそれって、客観的に見れば「何もしていない」だけではないかと思うんです。

本当の我慢というのは、心を殺してやり過ごすことではありません。一時は耐え忍ぶとしても、「明日こそ見返してやる」「もっとよくできるはずだ」と抗う心を持ち続けること。そのために学び続ける姿勢や行動する力を育てることです。

「我慢しなさい!」という言葉で子どもの口をふさぐのは、「考えるのをやめなさい」と言っているのと同じではないかな、と思います。

苦しみや悲しみ、不便が「仕事」に変わる

身の回りにある悲しいこと、苦しいこと、不便なことに耐えるだけで終わってしまえば、何も変わりません。でも、それをなんとかしようと行動したら、それは「仕事の芽」になるんです。

我慢なんてせず、「なんでこんなことになってるんだろう?」「これっておかしくない?」と考えて、自分を救う道を探す。その小さな行動が、やがては同じ思いをしている多くの人を救うことにつながっていく。それが仕事の本質だと僕は思います。

だから、子どもに我慢を強いてはいけません。大人も我慢をしてはいけません。なんでつらいのか、なんで苦しいのか、見つめて考えましょう。

どうしたらいいかわからなかったら、人に話したり、調べたりしてみましょう。親子だけで解決できなければ、仲間を見つけて相談しましょう。僕はその積み重ねが、社会を少しずつ前に進めていくと思っています。

親子でそういう会話をしてきた子は、大人になってからも「単なる我慢」ではなく、「どうしたらもっとよくできるか」と考えられる人になります。困っている人がいたら、「自分にできることはないか」と行動できる人になります。相談できる人になります。

僕はもちろんそうですが、皆さんだって、そういう人と一緒に仕事をしたいなと思いませんか?

家でも職場でも、誰かの喜ぶ姿が見たくて行動できる人、誰かの「困った」を見つけて考えられる人。そういう人は、家庭でも会社でもみんなに信頼されるし、活躍します。

偏差値よりも強いのは「信頼される力」

偏差値やテストの成績で一喜一憂するより、「一緒に仕事をしたいと思える子に育っているかな」という視点で我が子を見てみるといいと思います。

「この子が職場にやってきたら、信頼できるかな? 頼れるかな?」と考えてみる。親のあなたが「大丈夫だ」と思えたら、その子はどこにいっても大丈夫です。

もし「今のままでは無理かも…」と思うなら、ひたすら、頼って任せて感謝する経験を重ねること。偏差値を上げるために勉強させるより、「ありがとう」と言われる経験をたくさん積ませてあげてください。

そして、失敗したり、親が思うような結果にならなかったりしても、どうか責めないでください。なぜなら、挑戦して失敗したとき、一番がっかりしているのは子どもだからです。そのうえ、「あー!ダメだった!」とか「なにやってんの!」なんて言われたら、最悪でしょう?

子どもとの信頼関係が強まれば、子どもは失敗を隠さなくなる

僕だったら、まず子どもの安全を確認します。どんなに失敗しても、子ども自身に大きな怪我がなければまずはよし!その後は、子どもに寄り添って、心を落ち着かせます。ポイントはおうむ返し。

「悲しいね」「悔しいね」「残念だったね」「惜しかったね」というふうに気持ちに寄り添いながら、自分の経験、失敗したこと、うまくいったときのことも話してみます。

もちろん自分の経験談は、ひとつの情報として提示するだけです。アドバイスが強要にならないように注意することも大事ですね。

自分だったらどんな言葉をかけてほしいかと考えると、きっと子どもの心に届く言葉や対応ができるようになると思います。僕は、日々のこうした地味な繰り返しこそが、親のできる最強の教育だと信じています。

民主的であることの核は「自由」。民主的な考え方の訓練を積もう

これからの社会は、めまぐるしく変わっていきます。従来のピラミッド型構造の企業はどんどん淘汰され、上下関係のないフラットな組織が成長していくでしょう。

悩みや苦しみを我慢せず、変えていこうという人や組織に光が当たっていくはずです。こうした社会で大事になるのは、民主的な心ではないか、と僕は考えています。

民主的であることの核は、自由です。

自由とは、自分を理由に生きること。自分はこれからどうしたいかを考える能力は、これからの時代には欠かせないものだと思います。ただ、自由と自由はぶつかることがあります。親子の間でだって、それぞれの考えが食い違うことはあるでしょう。そうしたときに必要なのが、話し合いです。

話し合いのポイントはたったひとつ。「これから」です。

「あのときはこうだった!」「前回はこう言ったじゃないか」、こんなふうにお互いが過去を向いて話し始めたら、それは話し合いではなく、勝ち負けを決める論破合戦になります。でも、論破なんて必要ないんです。

本質は、自分の自由を守るためには、他人の自由も守ればいい、というだけのこと。そのうえで「これから」を一緒に考えること。たったそれだけなんです。

よく民主的=多数決って勘違いしている人がいるけれど、それって最悪です。

融合が上手で、民主的な子どもたちの未来に期待!

宇宙飛行士の選抜では、どちらも大事なAとBの条件を出して「どちらを選びますか?」と問われたときに「どちらも!」と答える人が残るのだそうです。

どちらかを諦めるのではなく、どちらも実現するためにはどうすればいいかと考える。

意見が分かれたとき、数が多いほうを自動的に選ぶのではなく、違う意見も取り入れて実現できないか、融合できないかと考える。

みんなが民主的になれば、社会はきっと、もっとやさしく強くなっていくと思うんだけどな。民主的な子どもたちがつくる未来に、僕は期待しています。

植松努さんは、全国の小中学校で、ロケットを作って飛ばす体験型の講習を実施。修学旅行生を日常的に歓迎し、「どうせ無理」を「だったらこうしてみよう」に変える教育活動にも力を入れています。写真は、植松さんが訪問した青森県・階上小学校でのロケット講習の様子。

植松 努(うえまつ・つとむ)●植松電機代表取締役社長、カムイスペースワーク代表取締役社長。ロケット開発や宇宙教育を通じて「どうせ無理をなくしたい」を伝え続ける。全国の学校や企業で講演多数。『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』『「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた』など著書多数。

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