外構・外観編
外構はあとからゆっくりつくる
予算が限られているなら、新築時に外回りまですべて完成させる必要はありません。テラスやデッキなどは、スペースだけあけておき、経済的なゆとりができてから少しずつ手を加えればいいと思います。
実際に暮らしてみると「ここにデッキをつくるなら屋根が必要かも」などと気づくことも多いので、最初から計画するより成功しやすくなります。(小山さん)
庭づくりは、植樹だけ業者に頼み、草花は自分たちで植えればOK。アプローチの敷石の周囲などにグラウンドカバーをするなら、イワダレソウがおすすめです。芝より手入れがラクでどんどん伸び、白い花も楽しめます。(宮地さん)
【H邸 設計/プランボックス】
アウトドア空間をつくったとき、気軽に出入りできるよう、あきスペースに向けて掃き出し窓を設置。
予算は約1900万円。いずれデッキやテラスをつくる前提で、敷地にあきスペースを残したプランに。
こだわりの外壁や窓は道路側だけに
素材感のいい左官仕上げの外壁や、見た目にぬくもりのある木枠の窓は、外周すべてにとり入れるとやはり高価。特に外壁は面積が大きい分、素材の選び方によって建築費に大きな差が出ます。そこで、道路から見えない部分には安価な外壁材やアルミサッシを使い、道路から見える側の壁面だけ好みの仕上げにする手も。左右の隣家が近い場合は1〜2面だけですみ、コストを抑えながらこだわりを生かせます。(井上さん)
【南邸 設計/ピーズ・サプライ】
道路側の1面だけ、左官仕上げの外壁と木製窓を採用。ほかの3面はガルバリウム+アルミサッシに。
アウトドアスペースをつくるなら利用しやすく
コストを抑えるために床面積をしぼるなら、その分、デッキやテラスなどの外部空間を充実させて、開放感や広がりを手に入れたいもの。ただし「予算をかけたわりにはあまり活用していない」というケースも多いので、利用頻度を高める工夫を。まず、土のあるウエットな部分を限定し、ドライな部分(タイル貼りのテラスやウッドデッキなど)をふやします。パーゴラを設けたり、目隠し壁で囲んだりすると、落ち着いたパティオのような雰囲気に。
リビングよりもダイニングキッチンに接続させると、外ごはんやお茶に活用しやすくなります。設ける方位は直射日光の当たる南側や西側より、春、夏、秋と快適に使える東側や北側がおすすめです。(小山さん)
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Adviser
ピーズ・サプライ
井上 徹さん
1996年設立のハウスビルダー「ピーズ・サプライ」代表。「シンプル&ナチュラル」をコンセプトに、新築、リフォーム、キッチン設計などを手がける。
MONO設計工房一級建築士事務所
菊地 一幸さん
1962年大分県生まれ。東京工芸大学工学部建築学科卒業。92年に現事務所を設立。ローコスト住宅を数多く手がけ、神奈川県内の自宅も1000万円台で建築。
プランボックス一級建築士事務所
小山 和子さん
1955年広島県生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。87年に小山一級建築士事務所、95年に一級建築士の湧井辰夫さんと共同で現事務所を設立。
宮地亘設計事務所
宮地 亘さん
1970年千葉県生まれ。工学院大学工学部建築学科卒業。高橋克彦建築事務所を経て2001年に独立。同年、オフィス兼自宅を千葉市内に建てる。HP「おうちや」
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