敷地選び編
「安くていい土地」を見極める
一見すると悪条件の敷地でも、プランしだいで快適な家ができる場合もあります。おすすめは北道路の敷地、旗ざお状敷地、狭小地、細長い変形敷地など。反対に擁壁で補強された高低差のある敷地や、地盤の悪い敷地、井戸や古家の基礎などの地中障害物のある敷地は、値引きされた金額以上に建築費がかさむことがあるので、安易に飛びつくのは禁物。安くていい土地を見分けるには、現地を数多く見学し、“相場感”を身につけることが大切です。(小山さん)
安い敷地が本当にお得かどうかは、慎重に考える必要が。たとえば水道や下水が引き込まれていない土地を安く購入し、自分で引き込み工事をすると、結果的に普通の敷地と同じ価格になることも。また道路との段差がある敷地を安く手に入れて、駐車場をつくるために土を削ったら、その処分代だけで100万円近くかかったというケースも。やはり「理由もなく安い土地はない」と考えたほうが無難です。(菊地さん)
【H邸 設計/プランボックス】
旗ざお状敷地のアプローチを緑豊かに演出して、子どもが安心して遊べるプレイスペースに。
条件が悪いとされる旗ざお状敷地に建てた二世帯住宅。2階の子世帯フロアは、視線の抜ける方向にテラスを設け、室内の開放感を高めています。
防火地域では 建築コストのアップに注意
防火地域、準防火地域に家を建てる場合、建築基準法で決められた箇所に防火サッシを使わなければなりません。この決まりはこれまでもありましたが、2014年1月以降は、国土交通省が個別認定した製品しか使えなくなり、防火サッシの価格自体が上がってしまいました。住宅密集地などで、防火サッシが必要な箇所が多い場合、数十万円以上コストアップするケースも。都市部で土地探しをする際は、このことも頭に入れておきましょう。(菊地さん)
土地を親と共有すれば費用の節約に
20代30代の若い世代にふえているのが、二世帯住宅を建てたり、親の敷地の一角を譲り受けて自分たちの家を新築するケース。最大のメリットは、もちろん土地の購入費をカットできることですが、子世帯にとっては子育てを、親世帯にとっては老後の生活をサポートしてもらえるというメリットも大きいよう。「家は建てたいけれど、新たに土地から購入する予算はない」という人にとっては、賢い選択肢かもしれません。(井上さん)
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コストダウンのアイディア集
Adviser
ピーズ・サプライ
井上 徹さん
1996年設立のハウスビルダー「ピーズ・サプライ」
代表。「シンプル&ナチュラル」をコンセプトに、
新築、リフォーム、キッチン設計などを手がける。
MONO設計工房一級建築士事務所
菊地 一幸さん
1962年大分県生まれ。東京工芸大学工学部建築学科
卒業。92年に現事務所を設立。ローコスト住宅を数多く手がけ、神奈川県内の自宅も1000万円台で建築。
プランボックス一級建築士事務所
小山 和子さん
1955年広島県生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。87年に小山一級建築士事務所、95年に一級建築士の湧井辰夫さんと共同で現事務所を設立。
宮地亘設計事務所
宮地 亘さん
1970年千葉県生まれ。工学院大学工学部建築学科卒業。高橋克彦建築事務所を経て2001年に独立。同年、
オフィス兼自宅を千葉市内に建てる。HP「おうちや」
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