【Oさん宅(神奈川県 )】
ご夫妻と5歳の長女、2歳の長男の4人家族。以前は都内の賃貸アパートに住んでいたものの、長男が生まれて手狭になったため、家づくりを決意。「子どもたちも今は、家じゅうをのびのび走り回っています」
豊かな緑を目いっぱい借景。 心地よい暮らしを満喫しています
リビングの外はゆったりとしたデッキ。その向こうには豊かな木々の緑が広がり、頭上には空を切り取るハイサイドライト——そんな開放感あふれる住まいを実現したOさん。建築家の中村高淑さんをパートナーに選び、恵まれたロケーションを目いっぱい生かしたプランを考えました。
「道路をはさんだ向かい側は緑地。東隣のお宅の庭にも立派な木々が植えられているんです。じつはこの環境が、土地を購入した決め手。だから中村さんにも、周囲の緑を存分に楽しめる間取りを!とリクエストしました」。その後提案されたプランは、木々の見える2つの方角に向けて窓をコーナー状に設けたもの。豊かな緑を余すことなく借景でき、まるで住宅地ではなくリゾート地にでもいるような感覚を味わえます。
南側の壁面には、さらにハイサイドライトもプラス。「もしも向かいの緑地が分譲されて家が建ってしまったら、緑が減るうえに窓をあけ放して暮らすのも難しくなるかもしれません。そんなときも空に向けた窓があれば、周囲からの視線を気にすることなく開放感を味わえるはず」とは中村さん。しかも空に向けた窓はここだけではなく、階段ホールにもトップライトを設置。プライバシーを守りながら、賢く光をとり込んでいます。「太陽が傾くにつれて、光の表情が刻々と変わっていくのも楽しみ。自然が身近に感じられる暮らしをとにかく満喫しています!」
1F リビング
壁面いっぱいの窓から光があふれる大空間。戸外と室内がウッドデッキでひとつづきに。
【写真左】掃き出し窓の高さはゆとりの240㎝。木々の緑を贅沢に味わえます。外からの視線や日ざしの調節には、
シンプルなバーチカルブラインドが活躍。
【写真右】デッキとリビングの床はほぼフラット。室内から外へと床がつながって見え、より広がりが感じられます。
【写真左】緑を借景できる2つの面に掃き出し窓をプラン。メインのデッキのほか、隣家側も縁側風のデッキで囲みました。
【写真右】ソファの向かい側にはTVボードを造りつけました。
1F LD
2階とつながるダイナミックな吹き抜け
緑の豊かな環境に合わせて、インテリアもナチュラルな雰囲気をめざしたというOさん。「もともとピカピカした素材は好みじゃなかったので、内装のベースは木素材に。床にも壁にもたっぷりとり入れてもらったおかげで、外の自然と一体感のある空間になりました」
木の使い方にもさりげない工夫が。外壁に使ったレッドシダーを内装にもとり入れ、仕上げ方も揃えることで、家の中と外のつながり感を高めました。
レッドシダーの壁に囲まれたダイニングは、山荘を思わせる心地のいい空間。天井があることで落ち着いた雰囲気が生まれるとともに、リビングの吹き抜けがひときわダイナミックに感じられます。
ダイニングのダークブラウンの壁はレッドシダー。床はナチュラルカラーのパイン、吹き抜け部分に面したフェンス状の壁はツガを塗装して拭きとり仕上げ、とさまざまな木の表情を生かしました。
1F キッチン
【写真左】シンク前の壁を高めに立ち上げて、調理中の手元をダイニングから目隠し。勝手口からは心地よい風が入ります。
【写真右】背面収納はシナベニヤで、使い勝手に合わせて造作。
階段
トップライトから1階に光を導いて
【写真左】階段もナチュラルな木造り。蹴上げのないオープンなデザインで圧迫感をなくし、上階からの光を届けています。
【写真右】トップライトのおかげで廊下から階段下まで明るく。
2F 寝室
吹き抜けでリビングとつながる寝室。冷暖房をつけるときは、引き戸を閉めています。いずれ子どもたちの部屋にできるよう、入り口を2カ所に。
1F 浴室
デッキ越しに空を見ながバスタイム
日ざしの降り注ぐ南側に浴室をつくり、フェンスで囲んだバスデッキを接続。さわやかなくつろぎのスペースになりました。デッキと浴室は物干しスペースとしても活躍。
1F 洗面室
洗面カウンターと吊り戸棚は集成材で造作。デザインの統一感と収納力を両立させて。
1F 玄関ホール
【写真1】たたきに張った木材はデッキと同じもの。ラフな質感が魅力的。
【写真2】廊下の壁を黒板用の塗料でペイント。子どもたちの落書きスペースに。
【写真3】廊下のつきあたりの窓まわりは、小さなギャラリー風にディスプレイしています。
外観
デッキを囲むパーゴラが外観のアクセント。夏になったらツタを這わせる予定だそうです。外壁の一部とデッキは、
内装にもとり入れたレッドシダー。
DATA. Oさん宅(神奈川県)
設計のPOINT
家の内外をやんわりとつなぐデッキに注目を
リビングの2面に高さのある掃き出し窓をつけ、恵まれた眺望を生かしました。ただ窓をつけるだけでなく、2面にぐるりとデッキを回したのがポイント。デッキが室内と戸外をゆるやかにつなぐ“中間領域”としての役割を果たしています。また、デッキとフェンスの間には地面を残してあるため、グリーンを植えることもできます。
unit-H 中村高淑建築設計事務所
中村 高淑さん
1968年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部建築学科卒業。設計事務所を経て
99年に独立し、2001年に共同でunit-Hを立ち上げる。将来の変化にも柔軟に対応する住宅づくりがポリシー。
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
150.10㎡(45.41坪) |
建築面積 |
55.82㎡(16.89坪) |
延べ床面積 |
98.07㎡(29.67坪) 1F 53.36㎡ + 2F 44.71㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2010年1月~7月 |
設計・施工 |
unit-H 中村高淑建築設計事務所(中村高淑) TEL: 045-978-4335 |
構造設計 |
吉田一成構造設計室 TEL: 03-5775-6052 |
施工 |
親松工務店 TEL: 044-988-0492 |
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