一戸建ての住宅をリフォームする場合は、マンションに比べて制約が少ないので、平面はもちろん、吹き抜けをつくるなど上下階も含めた大胆な間取り変更が可能です。
ただし、建物の工法によっては壁や梁が撤去できないなど、構造上の制約もあるので確認を。
また、注意したいのは建築基準法や自治体の条例による規制など。特に外まわりのリフォームや増築を考えている場合は、建築面積や道路からの位置、外観などに制約があることもありますので、事前に調べておきましょう。
屋根のリフォーム
葺きかえや防水処理のやりかえが可能。木造の場合は、トップライト(天窓)をつくることもできます。ただし、その場合補強工事が必要な場合もあります。
また、コストはかかりますが、屋根の形状を変更することも可能です。
サッシのリフォーム
サッシの取りかえはもちろん可能です。まわりの壁の補修が必要になるので、しっかりと計画してください。
また建物の強度に影響がない場所なら、新たに窓を設置することも可能です。防火・準防火地域の場合、設置可能なサッシの基準があるので必ず確認してください。
外壁のリフォーム
外壁は素材を変更してつくりかえることも可能です。その場合、地域の防火規制を確認しましょう。
玄関ドアのリフォーム
玄関ドアはリフォーム可能ですが、まわりの壁の補修が必要になります。こちらも防火規制の確認が必須です。
構造補強のリフォーム
木造の場合は柱や壁の補強が比較的簡単にできます。またコストはかかりますが、建物を浮かせて基礎をつくりかえることも可能です。
天井のリフォーム
天井裏にスペースがあれば、内装をはがして天井高を上げることが可能です。また吹き抜けをつくることもできますが、工法によっては撤去できない構造体もあるので注意が必要です。
間仕切り壁のリフォーム
間仕切り壁は、木造在来工法や鉄筋なら撤去や移動が可能です。軽量鉄骨や2×4工法の場合は、動かせない部分もあるので要注意です。
床のリフォーム
基礎の形状次第では、土間や掘りごたつをつくることも可能です。
電気設備や給排水設備のリフォーム
移設や増設などは、ほとんどの場合可能です。新たに床暖房を設置することもできます。
また、住宅をオール電化にもできます。その場合、200Vの電源が必要になるので、引き込み工事代が追加になるので必ず確認しましょう。
リビングに吹き抜けをつくりたい
木造軸組みの建物なら基本的に可能です。ただし、梁やすじかいなどはとり除くことができないので、これを逆手にとって、構造体を見せるダイナミックな吹き抜けをつくるのも一案です。
気をつけたいのは空調の問題。床暖房など足元から暖める暖房設備や天井付近にこもる熱気をかくはんするシーリングファンも合わせて設置すると、開放的で快適なリビングになるでしょう。
床暖房やオール電化にするには
中古一戸建て場合、問題になるのが電気・水道・ガスの容量。水道引き込み管の口径や電気の引き込み線が極端に小さいケースも多く見られます。
床暖房やIHクッキングヒーター、オール電化住宅などを検討している場合は、それに見合うだけのライフラインを確保するために、水道や電気の引き込み工事が必要になるケースも。
その点をクリアすれば、最新設備の導入も可能です。二世帯住宅にリフォームして2階にキッチンや浴室を増設する際も、同様の工事が必要になることがあります。
増築はどこまで可能なのか
敷地面積で決まる建ぺい率や容積率の範囲内なら増築が可能です。注意したいのは、セットバックの必要があるケース。
前面道路の幅が4mに満たない場合、敷地内とはいえ建物を建てられないゾーンがあります。
また、高さ制限や外観規制など、地域ごとに決められた法律や条例もあるので、しっかり確認しましょう。
特に中古物件を買ってリフォームをする場合は、法改正などで家を建てたときの規制が変更されていることもあるので要注意です。
増築部分が10㎡以上の場合など、建築確認申請が必要となるケースもあります。
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取材協力
エトラデザイン 川上堅次さん
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