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親が心がけるべきコミュニケーションのポイント
大人の余裕を見せて努めて冷静に対すること、それが反抗期コミュニケーションの基本中の基本。その上で菅原先生は、“親子だからこそ意識すべきこと”があると言います。
以下の3つの問いかけに、あなたは「Yes」と答えられますか?
①「愛していることを伝えていますか?」
親子のコミュニケーションにおいて、いちばん大事なことは「あなたを愛している」ということを伝えることです。子どもの反抗も、親の愛情を確認したいがためともいえます。
「愛していることぐらいわかっているでしょ?」でごまかしてはいけません。愛情はストレートに伝えましょう。
愛されていることを知っている子でも、この時期は激しく反抗します。でも、言ったあとで必ず反省します。それでもまた言う。それを繰り返しながら、子どもは自分を律することを学ぶのです。
②「子ども扱いせず人として尊重していますか?」
「○○しなさい」「○○は終わったの?」「まったくもう!」のような言い方を、大人相手に言いますか?たとえわが子でも、大人の入り口に立った人に対して失礼な態度はとらないことです。
力づくで言うことをきかせられるのは、幼児期までです。何かしてほしいときには、「○○しているところ悪いんだけど、△してくれない?」とお願いし、やってくれたら「どうもありがとう」とお礼を言います。
いやだと言うのであれば、いつならできるかなどを確認します。もちろん、親は冷静に。
③「関わりすぎていませんね?」
子どもが悪いことをした時に、「なぜ門限を守らなくちゃいけないのか」「なぜ人に暴言を吐いてはいけないのか」をしっかりと、でも冷静に言って聞かせるのは大事。とはいえ、さほど重要でないことはこまごまと文句を言わないことです。
「部屋を片づけなさい」「宿題はやったの?」「お風呂入った?」「よくかんで食べなさい」など、もう言わなくていいのです。ガミガミ言いすぎることで、子どもに反抗的な態度をとらせているんだということを知りましょう。
親が干渉しすぎたり、いちいち指示することで、子どもは自分で考えて自ら動くことを放棄します。自立のためには、自分で失敗して、それを振り返るという時間が必要なのです。
「反抗期」は成長の過程で誰もが通る道。恐れずひるまず、決して闘うことなく、冷静なコミュニケーションでこの時期をうまく乗りましょう。
取材協力/NPO法人ハートフルコミュニケーション