コラム

子どもの学びってそもそも何？親が考える「宿題代行サービス」の是否

更新日：2017.10.28

夏休みが終わり1カ月が過ぎましたが、今年のお子さんの宿題は順調でしたか？
ここ数年、ニュースなどで耳にするようになった「宿題代行サービス」。
主に夏休みの宿題として出される「計算ドリル」「読書感想文」「自由研究」などの宿題を業者が代行して行うサービスで、アルバイトの大学生などが実際に指定図書を読み、子どもの字を真似したり、適度に答えを間違えるなど“クオリティ”は万全のよう。
毎年依頼が殺到し、8月ともなれば受付中止になるくらいの人気ぶりとか。

夏休みが終わり、ほとぼとりが覚めた今、巷で賛否両論のこのサービスにてついて、ありか、なしか、現場のママたちに聞いてみました。

宿題代行サービスはありですか？　なしですか？

あり　　　　　11％
なし　　　　　89％

約9割の人が「なし」との回答で、なんだかホッとしましたが…1割弱の人は「あり」だと思っているのですね…。
では、なぜそう思うのでしょうか？　まずは少数派の「あり」派のご意見から。

あり派　　

・「中学受験で難関校を受けるお子さんや、オリンピックを目指すくらいスポーツにたけたお子さんにとっては、夏休みの宿題は必ずしも必要とは思えない。あくまで例外で特殊な例に限り、アリだと思います」

・「受験に重点をおいている家庭ならアリだと思う。絵や作文などが苦手な親だったら手伝えないし」

目指すものに集中しているなど、事情のある子に限ってはよいのではないか、という意見が多くみられました。また、

・「いろいろな事情があるので、そういうサービスがあるのなら利用するのも悪くはないと思う。そもそも意味のない宿題もあると思うので、子どもの時間を無駄にしないというのも大事だったりするはず」

・「提出さえすればいいような宿題が多すぎます。親がやる場合がある以上、親の代わりに第三者がやってもいいような気がします」

・「学校の宿題はばかばかしいものが多い。とくに受験の年には宿題はいらないと思うのでアリ」

と、夏休みの宿題のありようを根底から疑問視する傾向もみられました。
そしてこんな意見も…

・「去年頼みました。夏休みに遊びたい事がたくさんありすぎて、残り2週間となったときにまったく宿題に手をつけてなかったので、焦って頼んだ感じです」

と、受験でもオリンピックでもなくても依頼は可能です。
では、大多数を占めた「なし」派のご意見を。

なし派　

・「あってはならないことだと思います。子どものころの自分の気持ちを思い起こすと『代行サービスがあったらよかったのに』と思わないこともないですが、“苦手だから作文や課題をやってあげる”という姿勢は、この先長い学生生活において、自分では何もできない子にさせるだけだと思います」

・「そういうサービスを幼いときから利用していたら、何でも代行してもらえると勘違いしてしまう可能性がある」

・「どんな結果になろうと、自分で（家族で）何とかやり遂げるべきだと思うからナシ。逃げ道ばかりを追う子になってしまいそう」

なとど、“子どもが堕落する”という意見は多く、なかには「行政が指導してでも代行サービスの企業を摘発するべき」という厳しい意見も。

では、“受験で忙しい子が利用するケースが多い”ことに関してはどうなのでしょうか？

・「学校あっての塾だと思うのでナシ」

・「学校の宿題も受験の復習の一環と考えるべき」

・「塾の宿題が多いといっても、結局のところ基礎が一番大切だから、宿題をこなすのは子どものためになると思う」

など、もっともな意見が。そのほかの反対意見としてはこんなものもありました。

・「絵や工作など、自分や家族と一緒に工夫して頑張った作品より、代行サービスにやってもらった作品のほうが高評価がつくなどという不公平にもなりかねない」

・「宿題代行サービスを使って感想文などで賞を貰う子がいるとしたら、自分で一生懸命やっている子にとってはよくないと思います」

という、“不公平感”があがっていました。

どちらにしても、代行業者を依頼するのは子どもでなく大人。
子どもの学びがどこにあるのか、宿題なのか塾なのか親の背中なのか、しっかり判断してチョイスしたいものです。

文／和田玲子
※20～40代の既婚女性100人を対象に暮らしニスタ編集部が行ったアンケート調査より
写真© milatas - Fotolia.com

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