目玉焼きと言えば、黄身がとろ~り流れ出るものから、端がカリッとして黄身の中までしっかり焼けているものまで、好みは人それぞれ。
実は、焼き加減や作り方などで食感が変わり、
「ターンオーバー」や「サニーサイドアップ」など、呼び名さえも変わってくるのだとか!
自分好みの目玉焼きを家庭で作れるように、目玉焼きの種類や作り方のコツなどをここでチェックしておきましょう。
目玉焼きの種類を知りたい
目玉焼きは、日本では白くて丸っこい白身の真ん中あたりに黄身がこんもりとのって焼かれているイメージですよね。
でも海外に出かけると、両面を焼いた目玉焼きが人気だったり、
飲食店では「目玉焼きの焼き加減はどうしますか?」などと聞かれたりすることもあるほど、
実は作り方によってでき上がりに差が出る料理。
焼き加減や作り方によって、次のように分類することができます。
◎サニーサイドアップ
日本で多くの人が「目玉焼き」として思い浮かべるのが、きっとこの「サニーサイドアップ」。
片面だけを焼き、黄身を半熟の焼き加減に仕上げる目玉焼きです。
黄身は生に近いトロトロとした液状の仕上がり。
色鮮やかな黄身がぷるんとのっていて、太陽のように見えることからサニーサイドアップの名が付いたのだとか。
ハンバーグなどのトッピングになっていても目を惹きますし、目玉焼きのなかでは抜群の華やかさがあります。
◎ターンオーバー
海外でポピュラーなのが、「ターンオーバー」と呼ばれる目玉焼き。
いわゆる、両面焼きの目玉焼きのことです。
片面を焼いて、ひっくり返してもう片面も焼き、白身・黄身どちらにも火を通します。
黄身が垂れてこぼれたり、崩れたりする心配がなくなるのでトーストにのせたりサンドイッチの具にしたり、お弁当の一品として入れるにもぴったりです。
焼き時間が短く、サッと作れるのもメリット。
焼き加減によっては白身をパリッとした香ばしく焼きつつも、黄身のトロトロとした食感を残すこともできます。
◎オーバーイージー
ターンオーバーと同じく「オーバー(over)」が名称に含まれています。
「オーバー」が付くと両面焼きの目玉焼きを意味します。
なかでも、「オーバーイージー」はステーキのレアのようなもので、中身がほとんど生に近いもののこと。
卵の両面を軽く焼いて作るので、黄身はトロトロとした生のような状態で、白身はソフトな仕上がりです。
別名は「オーバーライト」。
液状の黄身に浸して食べるのに適していることから、浸すという意味の「dip」からとった「dippy eggs」と呼ばれることもあります。
◎サニーサイドダウン
オーバーイージーとほぼ同じ意味。
卵をサニーサイドアップの状態まで焼いてから、ひっくり返してサッと焼く目玉焼きです。
黄身はトロトロのままで、白身にしっかり火が入りやすくなります。
◎オーバーミディアム
両面焼きの目玉焼きのなかでも、オーバーイージーよりもう少しだけ長く焼き、黄身を半熟に焼いたもの。
ステーキの「ミディアム」のように、生でもなく、しっかり焼いたものでもなく、その中間の焼き加減です。
黄身は中央が半熟になり、外側はオーバーイージーよりも食感が固くなります。
◎オーバーハード
オーバーミディアムより、さらにしっかりと両面を焼いた目玉焼き。
黄身の中まで完全に火を通します。
◎オーバー・ウェル
オーバーハードよりもさらに焼いた固焼きの目玉焼きのこと。
黄身がしっかり固くなるまで焼きます。
◎スチームド
蒸し焼きにして作る、片面焼きの目玉焼きのこと。
焼くときに水分を少し入れて、フタを閉め、表面を蒸しながら焼きます。
通常のサニーサイドアップと比べると、調理時間は短かめ。
でき上がった目玉焼きは、黄身の上部に白い膜ができ、黄身がやや固まった半熟状になります。
「ベースドエッグ」と呼ばれることもあります。
半熟目玉焼きの上手な焼き方が知りたい
フォークを入れると黄身がとろ~りととろけ出る、あの瞬間はなんとも魅力的ですよね。
サニーサイドアップにしろ、ターンオーバーにしろ、黄身が半熟に仕上がった目玉焼きは好きな人も多いのではないでしょうか。
そんな半熟の目玉焼きはどうやったら作れるのか、おさらいしてみましょう。
◎半熟目玉焼きの作り方
(1)卵を冷蔵庫から出して常温に戻します。濡れ布巾を用意します。
(2)卵が常温に戻ったら、ボウルに割り入れます。
(3)フライパンに薄く油をひいて中火にかけ、フライパンを温めます。
(4)卵をそっと入れて3秒ほど焼いたら、一度フライパンを濡れ布巾の上にのせて軽く休ませます。
(5)フライパンをコンロに戻し、弱火で5分ほど焼いたらでき上がり。
Point
・焼くときにはずっとフタはしません。お水も入れなくてOK。
・フライパンを濡れ布巾の上で一度休ませることでフライパンの温度を下げ、白身の焦げ付きを防止できます。
・焼き上がりの目安は、指先で黄身に触れてみて、温かさを感じる程度まで。
・オーバーミディアムに焼き上げたいときは、弱火でさらに3分ほど焼くとよいでしょう。
蒸し焼きで半熟に焼く方法が知りたい
「スチームド」、つまり蒸し焼きの目玉焼きで黄身を半熟に仕上がる方法についてもチェックしてみましょう。
スチームドは通常のサニーサイドアップよりも黄身が固まりやすくなるのですが、ちょっとしたコツで半熟に仕上げることもできます。
サニーサイドアップよりも、スピーディに作れるので、忙しい朝にもおすすめですよ♪
◎蒸し焼きで目玉焼きを半熟に焼く方法
(1)卵を冷蔵庫から出して常温に戻します。
(2)卵が常温に戻ったら、ボウルに割り入れます。
(3)フライパンに薄く油をひいて弱めの中火にかけ、フライパンを温めます。
(4)卵をそっと入れ、卵白が少し固まったら卵1個につき水を大さじ1杯程度入れ、フタをします。
(5)そのまま1分ほど蒸し焼きにしたらでき上がり。
Point
・スチームドでは1~2分ほど蒸し焼きにするのが目安ですが、蒸し焼き時間を短くすることで半熟に、長くすると固焼きに、と好みの固さに調整できます。
両面焼きのやり方が知りたい
日本ではちょっとなじみが薄い、ターンオーバーの目玉焼きについても作り方を見てみましょう。
作り方は簡単。一度味わうと、これからは「目玉焼きはターンオーバーがいい!」なんていうことになるかもしれませんね。
◎ターンオーバーの目玉焼きの作り方
(1)卵を冷蔵庫から出して常温に戻します。濡れ布巾を用意します。
(2)卵が常温に戻ったら、ボウルに割り入れます。
(3)フライパンに薄く油をひいて中火にかけ、フライパンを温めます。
(4)卵をそっと入れて3秒ほど焼いたら、一度フライパンを濡れ布巾の上にのせ、フライパンの温度を下げます。
(5)フライパンをコンロに戻し、弱火で5分ほど焼きます。
(6)ひっくり返して、サッと焼いたらでき上がり。
Point
・ひっくり返したあとは、触らず見守るのがコツ。10秒ほど焼けば半熟の仕上がりに。固めに焼き上げたいときは、もう少し焼き時間を延ばすとよいでしょう。
目玉焼きのコツやテクニックが知りたい
ここまでで、目玉焼きにはターンオーバーやサニーサイドアップ、スチームドなどいろいろな焼き方があることがわかりましたよね。
でも、「そんなに分類されてしまうと、それぞれの作り方のコツなんて覚えられないよ~」と感じてしまう人も、なかにはいるかもしれません。
そこで、どんな目玉焼きでも「上手に焼くために、これだけは守っておきたい!」という共通のコツについて考えてみましょう!
◎目玉焼きのコツ1…卵の温度に気を使う
目玉焼きを作る前には、まず卵を常温に戻しておくのがポイント。
卵は冷たいまま調理すると中まで火が通りにくくなり、思い通りの仕上がりにするのが難しくなるのです。
半熟に焼くときも、黄身の温かさを感じるまで焼くのがおすすめ。
黄身を指で触って温度を確かめてみましょう。
◎目玉焼きのコツ2…卵は器から移す
卵をフライパンに入れると、白身がだら~んと広がって形よく仕上がらないことがありますよね。
これを防ぐには、卵をフライパンに直接割り入れるのではなく、小さな器に割り入れて、そっと静かにフライパンに移すようにするとよいでしょう。
一度器に割り入れることで、卵の殻が誤って入ってしまうのも防げますよ。
また、フライパンに入れるときには、できるだけ低い位置から卵を入れることで、黄身を潰さず柔らかく仕上げやすくなります。
◎目玉焼きのコツ3…濡れ布巾でフライパンの温度を調節
「黄身の中まで熱が通っていないのに、白身が焦げ付いてしまった!」という失敗もよくあること。
これを防ぐには、弱火でじっくりと焼くことが第一。
また、フライパンが熱いままだと黄身に熱が入る前に白身に熱が入り過ぎ、焦げ付きの原因に。
フライパンを熱し、卵を入れて3秒ほどしたら、フライパンを濡れ布巾の上に一度置きましょう。
こうすることでフライパンの温度を下げるのが成功のコツですよ。
電子レンジを使った目玉焼きの作り方が知りたい
目玉焼きと言えば、フライパンなど鉄板で焼くというイメージがありますが、実は電子レンジでも作ることができます。
フライパンで焼くように白身がカリカリに焼き上がることはありませんが、とろっとした半熟の目玉焼きを作ることはお手のもの!
最後に、そんな電子レンジで目玉焼きを作る方法についてご紹介しましょう。
◎電子レンジで目玉焼きを作る方法
(1)卵を冷蔵庫から出して常温に戻します。
(2)耐熱容器を水で軽く濡らし、卵を割り入れます。
(3)黄身につまようじなどで小さな穴を3箇所ほど空けます。
(4)ラップをかけ、200Wの電子レンジで1~3分ほど加熱すればでき上がり。
Point
・容器を最初に水で濡らすのは、目玉焼きがお皿にくっつくのを防ぐため。
・加熱したときに黄身が破裂しにくくするために、加熱前に黄身に小さな穴を空けて水蒸気の逃げ道を作っておきましょう。
・電子レンジに200Wの設定がない場合は解凍モードで代用できます。
機種によって差があるので、加熱時間は様子をみながら調整してくださいね。
まとめ
おなじみの目玉焼きも、焼き加減や作り方で仕上がりがずいぶん変わるのですね!
今度の目玉焼き作りでは、ひっくり返して「ターンオーバー」に仕上げてみるのはいかがでしょう?
卵の温度や焼き方などにちょっとだけこだわって、好みの味わいに仕上げてみるのも楽しそうですね。
取材・文/北浦芙三子
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