和食になくてはならない調味料の味噌。その歴史は古く、今の味噌の起源につながるのは奈良時代までさかのぼり、当時の文献に「未醤」(みさう・みしょう:まだ豆の粒が残っている醤の意味)と呼ばれた食品の記録があるのだそう。
身近な調味料、味噌ですが、保存するとき常温でよいのか、冷蔵庫に入れるべきなのか迷ってしまう人もいるのでは?
今回は、味噌の賞味期限や保存方法についてご紹介します。
味噌の賞味期限はどのくらい?
スーパーなどで買ってきた市販の味噌は、パッケージを見ると、賞味期限が書いてあります。この「賞味期限」は、「品質を保証する期間」という意味で、「おいしく食べられる」期間。
農林水産省では、この「賞味期限」と安全に食べることのできる「消費期限」とを分けて商品に表示しており、味噌に記載されているのは「賞味期限」です。
では、味噌の賞味期限はどくらいなのでしょうか?
味噌の業界団体「全国味噌工業協同組合連合会」の賞味期限ガイドラインでは、平均的な米味噌の場合、3ヶ月~12ヶ月(保存と流通の状態にもよるため)としています。
そのほかの味噌については次の通り。
【米みそ】(常温流通/以下同様)
・甘みそ…3~6ヶ月
・辛口みそ…3~12ヶ月
・麦みそ…3~12ヶ月
・豆みそ…6~12ヶ月
・調合みそ…3~12ヶ月
もちろん、これらは「賞味期限」であるため、おいしく食べることのできる目安ということ。
味噌自体は保存状態にもよりますが、もともとは保存食として作られているものであるため、冷暗所に置き雑菌など繁殖しない環境下であれば、数年は持つようです。
賞味期限切れの味噌は食べられる?
味噌は保存食であるため、賞味期限が切れても、基本は食べることができると言えます。
また味噌は、開封後も熟成が進み、味や色が変化していきます。市販でも3年や5年「熟成みそ」があるように、寝かせることでより風味が増して、味わい深くなるものも。
ただし、これらの味噌は、プレーンな味噌というのが条件。
お手軽さが人気の「だし入りみそ」「液体みそ」などの加工された味噌の場合、そうとは限りません。
水分やだしの成分が腐敗したり、カビが生えたりする恐れがあるので、開封後は冷蔵庫に入れ、なるべく早く、遅くても3ヶ月以内には消費しましょう。
味噌の保存方法を知りたい!
味噌は、開封していなければ常温保存でも大丈夫。開封後は、冷蔵庫で保存しましょう。
スーパーなどで売られている味噌は、プラスチック容器に入っているものが多いですよね。そのフタを開けると、薄い紙と脱酸素の小さな袋が入っていますが、購入してきたら、それらは捨ててしまっていいそう。
その代り、味噌の酸化が進まないよう、ラップで味噌の表面をぴっちり覆って保存します。
なかなか使いきれない場合は冷凍するのも◎。冷凍しても、味噌は塩分濃度が高いため、完全に凍結せず、スプーンなどですくって使うことができます。味や風味も損なわれないので、おすすめです。
冷凍する際は、冷凍用の保存容器に移し替えてから冷凍庫に入れましょう。いつ保存したかわかるように、フタに日付を書いて貼っておくのもいいですね。
味噌が食べられるかどうかを見極める方法は?
味噌自体、「消費期限」という意味では、ほぼないと言っても過言ではありません。だし入りや減塩みそ以外はかなりの長期間食べることができます。
ただ、長期間保存した味噌の「見た目」の変化で、食べられるかどうか迷ってしまうこともあるかも。ここでは、見た目の状態について紹介します。
【こんなときは食べられる?】
・白いかびのようなものがみえる…味噌づくりでできる酵母だが、味が落ちるので、取り除いて食べたほうがよい。
・色が変わって濃くなっている…熟成が進んでいる証拠。問題なし。
・汁気が出てきている…味噌の成分が分離した状態。問題なし。
味噌の保存期間や保存方法を知って、ムダなく食べきろう!
いかがでしたか? 味噌は、きちんと衛生管理をしながら上手に保存すれば、賞味期限を過ぎても捨てずに食べることができる発酵食品です。栄養も身体にもよい味噌、もっと食卓に取り入れていきたいですね。
まとめ/龍 タラ
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