電気代を安くしたいなら、電力会社を変えてみるという手があります。以前は地域の電力会社としか契約を結べませんでしたよね。ところが、2016年に電力の全面自由化がスタートしてからは、電力会社を「選べる」ようになったのです。とはいえ、「手続きがめんどう!」と感じている人もいるかもしれません。「本当にお得になるの?」という疑問を持っている人も少なくないでしょう。そこで、今回は電気乗り換えをする際の手続きや注意点についてわかりやすく解説します。
1.電気を乗り換えるメリットとデメリットを知ろう
電気の乗り換えをするときは、そのメリットとデメリットについてしっかり確認しておくことが大切です。
電気乗り換えのメリット
まず、主なメリットとしては、下記の5点があげられるでしょう。
1.自分に合ったプランを選べば電気代が安くなる
2.セット割でお得になることがある
3.ポイントがつくことがある
4.地元の企業を応援することもできる
5.環境にやさしいクリーンな電気にこだわれる
電力の全面自由化が一般家庭にも開放されてから、各電力会社はバリエーション豊富でお得な電力プランを提供できるようになりました。いわゆる新電力と呼ばれる会社も続々と誕生しています。一方、地域の大手電力会社でも、従来型のプランに加えてオリジナルのプランが選べるようになっています。そのため、電力会社を変えずにプランだけを変えるという手もあるのです。自分に合ったプランを見つけられれば電気代を安くできるでしょう。
たとえば、昼間は家に人がいなくなり夜間に多く電気を使う家庭なら、夜間の電気代が安くなるプランを選ぶとお得です。逆に、夜間に電気をあまり使わない家庭には、昼間の電気代が安くなるプランが適しているでしょう。また、ガスや携帯電話などのサービスとセットで利用することで電気代が安くなることがあります。電気代はそのままで、セット契約したサービスに割引が適用されることもあります。一方、独自のポイント制を導入したり、楽天スーパーポイントやTポイントなどがたまったりする電力会社も増えています。
電気の乗り換えで地場産業を応援できる可能性があることも見逃せません。山形県のように県が主体となって新電力会社を設立するケースも出てきています。地域の産業が活性化すれば、公共サービスの品質アップも期待できるでしょう。そもそも、電気はさまざまな方法でつくられているため、「クリーンなエネルギーを使いたい」というように環境にやさしい電気にこだわって電力会社を選ぶことも可能です。
電気乗り換えのデメリット
一方で、電気乗り換えをする際のデメリットについても押さえておく必要があるでしょう。主なデメリットとしては、下記の3点があげられます。
1.違約金が発生することがある
2.プラン選びに失敗すると電気代が上がる
3.支払い方法が限定される場合がある
携帯電話を契約期間の途中で解約すると違約金が発生することがありますよね。新電力との契約でも違約金がかかってしまうケースがあるため注意が必要です。こうした電力会社では契約期間が定められているのが一般的で、途中解約すると違約金がかかる仕組みです。この仕組みを知らずにお試しのつもりで契約して、短期間で解約すると違約金をとられてしまう可能性が高まります。特に携帯電話会社が提供するお得なセット割を利用するときなどでは、契約期間や違約金があるかどうかしっかり確認しましょう。
また、自分に合っていないプランを選ぶとかえって電気代が上がってしまうおそれが出てきます。たとえば、一般的に夜間プランでは夜間の電気代が安くなるものの、昼間の電気代は割高になっています。さまざまなプランが提供されていますので、自分や家族の生活パターンに合ったプランを選ぶことを心がけましょう。 特にオール電化住宅に住んでいる人は、オール電化に対応した料金プランを提供している電力会社を選ぶことが先決です。
新電力のなかには、電気代の支払い方法がクレジットカードのみとなっているケースがあります。確かに、クレジットカードは使った分だけポイントがたまるためお得と考えることもできます。とはいえ、クレジットカードを持っていない人や、ネットに個人情報を入力したくない人もいるでしょう。口座振替に対応していない新電力は少なくないため、支払い方法についても事前に確認しておくと安心です。
2.乗り換え先を探すにはどうすればいいの?
電気の乗り換えをするためには、乗り換え先を見つけなくてはなりませんよね。電気の使い方は家庭によってさまざまなので、電気の乗り換えをするなら自分や家族に合ったプランを提供する電力会社を選ぶことが一番大切です。経済産業省の調べによると、新電力のシェアはじわじわ増えてはいるものの、2018年時点で約12%にとどまっています。この結果を見ると、従来通り地域の大手電力会社と契約している人がまだまだ多いことがわかります。
ところで、自由化以前からある標準的な電力プランは「従量電灯A」や「従量電灯B」などと呼ばれています。このうち、一般家庭向けのもっともベーシックなプランが従量電灯Bです。従量電灯Bでは、契約アンペア数ごとに決まる「基本料金」と使った電気の量に応じて課金される「電力量料金」の2つで電気代が決まります。契約アンペア数が多いほど基本料金が高いのが一般的です。
一方、電力会社が独自に提供しているプランは非常にバリエーション豊富です。たとえば、東北電力の場合なら、子育て世帯や大家族などといった昼間に電気を多く使う家庭向けの「よりそう+ファミリーバリュー」や、夜間の電気料金がお得になる「よりそう+ナイト8」などのプランがあります。また、東京電力のプランは大きく「プレミアム」と「スタンダード」、「夜トク」の3種類があり、ほかにオール電化向けの「スマートライフ」などのプランが用意されています。ガスとセットになったプランがあるのも東京電力の魅力です。ホームページなどをチェックして、どんなプランが自分に合っているのか考えてみましょう。
2-1.電力会社の供給エリアに該当している?
電力自由化がスタートしたといっても、実際には地域にサービスを提供している電力会社のなかから選ぶことになります。自分の住まいが電力会社の供給エリアに入っていなければ、その電力会社のサービスを利用できないのです。まずは、「自分の住む地域に電気を供給している電力会社はどこなのか」について調べてみましょう。新電力を特集しているサイトや比較サイトなどで検索することが可能です。
2-2.本当にお得になるのかシミュレーションしよう
実際に電気の乗り換えをする前に、本当にお得になるかどうかを確認しておくことが大切です。そのためには、現在の電気代と乗り換えたあとの電気代を比較する必要があります。現状を知るために、まずは「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や「電気料金領収証」を捨てずに保存しておくことから始めましょう。領収書そのものは再発行できませんが、代わりになる書類を再発行してもらうことは可能です。また、会員情報を登録しておけば、電力会社の公式ホームページで使用電気量などの詳細を確認することもできます。
乗り換えたあとの電気代を知りたいときは、電力会社の公式ホームページで電気料金のシミュレーションをしてみましょう。電気代や使用量、契約アンペア数などを入力すると、電気料金の目安が表示されます。電気は季節によって使用量が大きく変わるのが普通なので、同じ季節の電気代を比較できるとベターです。また、複数の電力会社を一度に比較してシミュレーションできるサイトもあります。
3.電力会社のサイトから申し込みをしよう
乗り換える電力会社を決めたら申し込みをしましょう。主に電話やFAX、公式ホームページで申し込みができます。ただし、電話の場合はつながりにくいこともあるため、スムーズなのは公式ホームページから申し込む方法でしょう。申し込みのときに必要になる情報としては、下記のようなものがあります。
1.現在の電力会社名
2.現在の電力会社での顧客番号
3.共有地点特定番号
4.切り替え希望日
このうち、共有地点特定番号とは電気の使用場所を表すために使われる22けたの数字です。これらの情報は「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や請求書が手元にあればすぐにわかります。電力会社に電話して聞くことも可能です。
4.スマートメーターの設置を確認しよう
電気メーターがスマートメーターに切り替わっていない場合は、スマートメーターへの交換が必要になります。スマートメーターとは、通信機能を備えた電気メーターのことです。通信回線を利用して電力使用量を計測できるため検針員がわざわざ各家庭を訪ねて検針する必要がなくなります。電力会社に乗り換えを申し込むと、地域の大手電力会社がスマートメーターへの交換工事を行う仕組みです。工事の予定日は通知されますが、当日の立ち会いは不要です。自動的に切り替わると考えてもよいでしょう。ただし、場合によっては15分ほど停電することがあります。
5.契約と電気の供給がスタートするのは?
切り替え希望日に、乗り換えた電力会社との契約と電気の供給が自動的にスタートします。以前契約していた電力会社で解約手続きをする必要はありません。乗り換え先の電力会社が解約手続きを行うことになっているためです。また、電気を乗り換えたといっても、送られてくる電気の品質が変わるわけではありません。これまでと同じ電気が使えるため安心です。
6.手続きを始める前に注意したいこと
電気代が安くなると思って電気の乗り換えをしてみたものの、実際にはむしろ高くなってしまったというケースもまれではありません。乗り換えをするときは、十分に下調べをすることが大切です。乗り換えてみてから電気代が高くなることに気づいても、短期間に解約すると違約金がかかって、結局お得にならないこともあるからです。また、いわゆる新電力を選ぶ際に気になることのひとつに「倒産したらどうなるの?」という疑問があるでしょう。たとえ新電力が倒産しても電気がすぐに止まることはありません。地域の電力会社が代わって供給することが義務づけられているためです。とはいえ、できるだけ早く新しい契約先を見つけて手続きしておくと安心です。そのまま手続きしないでいると、最終的には電気が止まってしまいますので注意しましょう。
7.電気代を安くしたいなら自分に合ったプランに乗り換えよう
電力自由化によって、それぞれの電力会社は利用者にとってメリットになる新しいプランを次々に提供しています。「なんとなくめんどうだから」「今まで通りで問題ないから」などの理由で乗り換えを検討したことのない人は損をしているかもしれません。住んでいる地域で自分に合ったプランが提供されていないかどうか一度じっくり確認してみることが大切です。まずは、電気代がどの程度安くなるのか見積もりをしてみてはいかがでしょうか。
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