子育て中のママにとって、子どもの持ち物や服の管理は大仕事。リビングに投げ出してあるものを子ども部屋に運んだり、クローゼットにしまったり……自分で片づけてほしいと思うと、つい「どうして散らかすの!」「自分でやりなさい!」と叱ってしまいがちです。
3人の子どもたちと日々格闘し、“怒れるママ”のひとりだったこぼめぐさん。考え方が180度変わるきっかけになったのが「親・子の片づけ教育研究所(ファミ片)」への参加でした。
叱らずに、子どものやる気を上げる・保つ・継続する収納のコツとは? ママたちが一番知りたいこと、じっくり教えていただきましょう!
子どもが “お片付けできない理由”を探す
「親・子の片づけ教育研究所(ファミ片)」とは、片づけを通じた親子の“ 人間力アップ" を目指すグループ。ただ家をキレイにするだけではない、コミュニケーションとしてのお片づけを提案しています。現在、こぼめぐさんはマスターインストラクターとして活動しています。
「お片づけできない子には、必ず“ できない理由" があるんですよね。でも、子ども自身はどうしてできないのか分からない。それなのに周囲から『どうしてできないの!』と言われたら、やる気がなくなるのは当然ですよね」
それに気づいてから、まずは子どもたちの“ できない理由" を徹底研究。たどり着いたのが3人それぞれの成長に合わせた収納術でした。「この方法に変えてから、子どもたちが自然に片づけられるようになって、今もずっと続いています」
子どもたちそれぞれの成長に合わせた収納術とは? 具体的に紹介していきます。
収納術01:
「メッセージ入りフック」でコミュニケーションしながらお片づけ♪
こぼめぐさんのお宅には広々とした階段ホールがあり、その壁に子どもが外出着をかけるフックを取り付けています。フックの高さはバラバラ。「子どもたちの身長に合わせてどんどん変えています」
フックの上には小さなプレートにあり、それぞれに異なるメッセージが書かれています。
プレートは宮成製作所の「ラベリングプレート」、フックは無印良品の「壁につけられる家具・フック」。シンプルなデザインがインテリアのポイントにもなっています。
ママから3人それぞれに「自分だけのメッセージ」
「『ていねいにかけてね!』は、小2の次男へ。
「急いで掛けるせいか、服が落ちていることが多いんです」
『絶対に落ちない服!』は小5の長男。
「中学受験をしたいという彼には、励ましの気持ちを込めてみました(笑)」
『1着まで!』は中1の長女。
「お年頃なので服に迷うらしく、何着も重ねて掛けてしまうんですよ」
メッセージの効果は絶大!
プレートをつけたのは1 年半ほど前。最初はお子さんたちの名前でしたが、自分のポジションを覚えてからはメッセージに変更。ただし、最初はズバリ「おとすな!」と書いてあったとか。
「一方的な命令はよくないな、と途中で気づいて、各自にあてたメッセージにしました。これが効果てきめん!やっぱり、自分だけにあてたメッセージのほうが心に響くみたい。服を掛けるたびにプレートが目に入るから、いちいち言わなくても気をつけてくれるようになりました」
メッセージはこれからも子どもたちの成長に合わせて変えていく予定とか。こんなさりげない形で、お片づけを親子のコミュニケーションに役立てているんですね。
収納術02:
子どもの手でもサッとできる「掛ける& 吊るす収納」
階段ホールには、フックのほかに有孔ボードとハンガーラックも備えてあります。実はここにも、お子さんの成長に合わせた工夫が。
「子どもの手の骨が大人と同じくらいまで発達するのは、だいたい10歳。それまでは細かいものをつかむ、めくるなどの動作がしにくいんです。大人と同じやり方はもともと無理で、子どもの体に合った収納法が必要なんですよ」
そこで考えたのは、子どもにも簡単な“掛ける&吊るす収納”。「1フックに1アイテム」と決めてあるので、どこに戻せばいいかも一目でわかります。
ハンガーラックには、くもんのバッグなどを吊るしてお片づけ。ポイントは一手間プラスしたS字フック。一度カードリングに通してからラックに掛けています。
「S字フックって、ものを取るとき落ちやすいでしょ?それを拾って掛けなおすのが面倒で、お片づけがイヤになる子もいると思うんです。 “ 落ちないフック"を使えば、これだけでお片づけ習慣が続けられるんですよね」
子どもの気持ちを察して、こうした仕組みを考えてあげるのが、ママの役割なんですね。
ボードも「1フックに1アイテム」。帽子やバッグを取ったら、同じフックに戻す仕組みです。
収納術03:
面倒くさがりの男の子のために「楽ちんハンガー」を採用
こぼめぐさん宅では、服の管理は自分でするのがルール。でも、子どもたちはそれぞれに収納の得意・不得意があるのだそう。
「特に男子は手間のかかることが苦手。クローゼットからハンガーを取り出す→服を取る→ハンガーを戻す、という一連の作業が面倒なんですよね」
そこで用意したのが、ニトリの「すべりにくいスラックスハンガー」と「クリップつきハンガー」。
スラックスハンガーは「開いているほうを手前にして」クローゼットに入れるのがポイントなのだそう。
「この向きにしておくと、ハンガーを掛けたままでパンツだけスッと取れるんです。このちょっとのラクが続けられるコツ!
「クリップつきハンガー」は短パン用に。クローゼットの中で簡単にはずせます。
「しばらく使ってみて、やらなくなってきたな~と感じたらチェンジ。子どもは体のサイズもどんどん変わるし、ずっと同じハンガーではお片づけが続かないはず。やっぱり、その子のその時期に合った収納法・収納アイテムを選んであげることが大切ですね」
キーワードは“成長” 。子どもの心と体の変化をお片づけに生かして
こぼめぐさんがお片づけについて考えはじめたのは、6~7 年前。その間に、幼稚園児だった長女は中学生に、赤ちゃんだった息子たちは小学生に……と、家族のライフステージが大きく変わりました。
「子どもの成長はあっという間。だから、収納のやり方も次々に変えていかないと。面白いことに、子どもの変化に合わせて収納法を変えてあげると、その影響で子どもがさらに変化するんですよ。『できた!』という喜びからやる気が生まれるし、『続けられてる!』ことが自信になるみたい」
4年ほど前にファミ片に参加してからは「その子に合わせるお片づけの仕組みづくりと関わり方」がわかり、お片づけがもっと楽しくなったというこぼめぐさん。お家がスッキリ片づくうえに、子どものやる気や自信につながる収納術、みなさんもぜひ参考にしてみて!
親・子の片づけ教育研究所(ファミ片)マスターインストラクター こぼめぐさん
ご主人と長女(中1)、長男(小5)、次男(小2)の5人家族。独身時代に建築関係の会社に勤めていたこともあり、結婚後はご主人の実家(設備工事)の仕事に加わり、住まいのリフォーム提案などを行う。ハウスキーピング協会認定講師、整理収納コンサルタント、二級建築士、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリストなどの資格もお持ち。
▼こぼめぐさんのほかの収納記事はこちら!
2018.07.24フルタイムで働きながら3 人の子育てをしているワーキングママのこぼめぐさんは、“ 片づけを通じて親と子の人間力を磨く" をテーマに家族のコミュニケーションとしてのお片づけを提案する「親・子の片づけ教育研究所(ファ...続きを見る
取材・文:後藤由里子
撮影:鈴木江実子
\おうちをプロの技で綺麗に/
自力ではなかなか満足に掃除できない部分、プロのお掃除ですっきりしませんか?
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます