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屋根を長持ちさせるコツがある。屋根の勾配について知ろう!

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屋根を長持ちさせるコツがある。屋根の勾配について知ろう!

 

幼い子どもがお絵描きすると、「家」は四角い箱に三角のとんがり屋根を乗せた愛らしいスタイルに。なるほど家をイメージするとき屋根の形はとても大事です。それは「こんな家が好き」という外観の価値基準だけでなく、土地の気候風土や敷地の条件、家の耐久性に大きく関わっています。まず、屋根の傾き・屋根勾配にはどのような意味があるのか知っておきましょう。

 

屋根勾配とは?

[caption id="attachment_13039" align="aligncenter" width="482"] 底辺を10寸としたとき、Xの数値を屋根勾配といい、この屋根の勾配はX寸勾配ですといういい方をします。[/caption]

木造建築では「傾き」を表すのに、分度器で測るような何度何分という「角度」はほとんど使われず「勾配」で表現します。「勾配」というのは、水平方向に10行ったとき垂直方向にいくら上がるか(または下がるか)という比率。水平方向10寸に対して高さが4寸の傾きの場合「4寸勾配」と言います。そして大まかに3寸~5寸勾配を並勾配と言い、それよりも緩やかな傾きを緩勾配(3寸勾配以下)、急な傾きを急勾配(6寸勾配以上)と呼んでいます。傾きによって使える屋根材が異なったり、コスト面で差がついたり、それぞれにメリット、デメリットがあります。

 

緩勾配の特徴

3寸勾配以下を指し、傾斜が緩いことを緩勾配(かんこうばい)と言います。屋根の上での作業が容易で、軒の出を深くすると外観はシャープな印象になります。

 

〈緩勾配のメリット〉

・コストが抑えられる

勾配が緩やかなので屋根面積が小さく屋根材が少なくってすみます。さらに作業がしやすいので人件費も抑えられます。

・風の影響を受けにくい

屋根がなだらかで頂上部分が低くなるので、強い風の影響を受けにくくなります。

・足場が必須でなくなる

屋根に上がっての作業が可能になるため、必ずしも足場を必要としません。一般住宅で10万円~30万円ほど掛かる足場費用を節約できます。

 

〈緩勾配のデメリット〉

・耐久性が低くなる

屋根面にホコリ等が付着しやすく、そこに雨水が染み込むことで屋根材の劣化を早めることがあります。

・雨漏りがしやすくなる

雨水の流れが悪いので雨が屋根にたまりやすく、下地材の腐食等により雨漏りの危険性が高まります。

・デザイン性が乏しくなる

地上から建物全体を見た場合、屋根がほとんど見えないので家が実際より小さく見え、バランスをとるのが難しくなります。

・使用できる屋根材が限られる

金属系のガルバリウム鋼板や銅板、化粧スレートに限られることが多い。(金属板=1寸勾配以上、化粧スレート=3寸勾配以上、粘土瓦=4寸勾配以上)

 

急勾配の特徴

6寸勾配以上、傾きが大きい屋根勾配を急勾配(きゅうこうばい)と言います。角度が大きいので水はけがよく雨漏りしにくい反面、屋根面が広くなるため施工価格が高くなります。

 

〈急勾配のメリット〉

・耐久性が高まる

急勾配だと、雨水がすぐに流れ落ちるので、雨水が滞留せず屋根材へのコケ発生や塗装剥がれなどを遅らせることができます。

・デザイン性が高まる

急勾配にすることで重厚感のある住まいに見えたり、アレンジの幅が広がったりと、外観のデザイン性が高まります。

・屋根裏が広くなる

屋根裏を収納スペースとして確保するなど、プラスアルファの楽しみ方ができます。また、広い屋根裏空間は断熱効果も期待でき、屋根面から居室へ寒暖の影響を受けにくくなります。

 

〈急勾配のデメリット〉

・耐風性が弱まる

屋根面の角度が急なため、突風や台風時にその影響を受けやすくなります。

・コストが高くなる

急勾配になればなるほど屋根面積が広くなるので、当然施工価格が高くなります。また急勾配で作業できる職人も限られてくるので人件費も上がります。

・足場が必要になる

業者によっても異なりますが、5寸勾配までは足場を設けないで施工するところが多いのですが、6寸勾配以上になると足場は必須となり、そのための費用が発生します。

・メンテナンス費用が割高になる

将来の修理費用を考えた場合も、足場が必要なことや限られた職人を確保する必要性などから割高になります。

 

オススメの屋根勾配とは?

では、屋根勾配はいくつにすればいいのでしょうか?水はけ、デザイン性、コスト面など、あらゆる面から総合的に考えると、3寸~5寸の並勾配、中でも多くの住宅で採用されている4寸勾配がオススメ。その理由は以下の3つです。

  • 雨漏りしにくい勾配

4寸勾配であれば、雨水の滞留が原因の雨漏りはほとんどありません。

  • 足場が必須ではない

どの屋根勾配でも足場を掛けたほうがいいのですが、4寸勾配であればほとんどの業者が足場なしで対応しています。

  • 屋根材の選択肢が広がる

多くの屋根材に適合できます。従って4寸勾配にしておけば将来どの屋根材にも容易に葺き替えが可能になります。

 

まとめ

住宅のプロポーションを考える上でとても重要な屋根の形状。その傾きがデザイン性以外に耐久性やコストなど様々な面と深く関わっていることがお分かりいただけたでしょうか。プロポーションの善し悪しだけでなく、将来必要となるメンテナンスの作業効率やコストまで視野に入れ、屋根勾配を検討しましょう。

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