【福永さん宅(京都府)】
「サラズで建てられないならマンションでいいと思っていました」というほど、ハウスビルダー「サラズ」のつくるナチュラルな家に惚れ込んでいた福永さん。家づくりの計画がもち上がる前に雑誌で知り、土地のない頃からご主人と一緒に内覧会に参加していたそう。ヨーロッパ風のしっくい壁や、肌ざわりの心地よい無垢材の床などは内覧会で見てふれて体感。アンティークのドアや部材なども“あこがれアイテム”として、しっかりインプットしていました。
こうして、家づくりがスタートしたときにはイメージはかなり明確になっていたのですが、ようやく土地を見つけたとき、思わぬ壁が立ちはだかりました。
Living & Dining
扉つきのキャビネットに 生活感のあるものを隠して 。PCコーナーは ペイントの家具で 素朴な雰囲気に
【POINT】窓まわりの木枠に しっくいを塗って やさしい表情に。棚をつける場所は 事前に計画して 下地を施工
【写真左】まん中のキャビネットは背板に配線穴をあけ、ルーターなど、インテリアにそぐわないものをしまえるように。
【写真右】シャビーなペイントが施されたデスクは「ロハスフェスタ」、ウィンザーチェアはネットショップで購入。
ワークテイストのテレビ台で インテリアを引き締めて
テレビ台はキャスターつきで、移動がラクラク。大阪の家具ショップ「モビリグランデ」で購入しました。
風合いのいい素材と アンティークで 味わい深い空間に
床は幅広のイエローパイン材、壁は左官仕上げのしっくい。アンティークの照明やドアがなじみます。
Living
リビングと玄関をつなぐ ドアもアンティーク
【POINT】水回りへの開口部は やさしい表情の アーチに
「ガラスが割れていたので、花柄のフローラガラスをはめ込みました」。ソファのキルトで空間に柄をプラス。
ステンドグラス&ランプもアンティークで
空間の完成度を高めるためには、小さな部材や設備も雰囲気のいいアンティークで統一するのがおすすめ。
Dining & Kitchen
使い込んだ素材感でほっこりなごめるカフェのような空間に
【POINT】年月を感じさせる 古材の梁を 空間のポイントに
キッチンカウンターはオーダーメイド。ペイントの“白”は、微妙なニュアンスにこだわって調色。シンクは「コーラー」のもの。
【POINT】古材の棚は 大工さんが つくってくれたもの
勝手口は防火規定上、アルミ製にしなくてはならないので、木の枝に布をかけて目隠しをしてナチュラルに。
キッチンにも大好きなアイテムをちりばめて
日本でのとり扱い終了間ぎわに入手した「ロジェール」のコンロは、デザインにも使い勝手にも大満足だとか。
食品などは ドアつきパントリーにすっきり収納
【POINT】パントリーのドアは 無垢材を使って オーダー
「捨てられないタイプ」と自己分析する福永さん。たっぷり収納できてすっきり隠せるドアつきのパントリーを希望しました。
Entrance
心地よい素材感に包まれほっと安らぐ玄関。ニッチには 古材をあしらい、アンティークの雑貨を
【写真左】テラコッタの土間、パイン材の床、しっくいの壁など、自然素材が心地よい玄関。アンティークのドアやステンドグラス、ガラスシェードのランプが、趣を深めて。
【写真右】 玄関のニッチは、やわらかなアーチ形に古材をプラス。アンティークの雑貨でゲストをやさしく迎えます。
トガ材で造作した ぬくもりのある 靴箱と収納扉
左手の収納扉は通気性のいいルーバータイプに。右手の靴箱と同様にトガ材で造作しました。
おしゃべりしながら好みを伝えて 理想以上の家が完成
福永さんが見つけた土地は、京都ならではの景観条例が厳しい地域。素焼き瓦を使ったカントリー風の外観にはできないことが、土地購入後にわかりました。「はじめはがっかりしましたが、『家の中は思いっきり好きにできますから』とサラズの伊賀さんに励まされ、気をとり直しました。インターネットを見たり、ショップを訪れるなどして部材探しにも積極的に参加しました!」。特にこだわったのは、内覧会でも見たアンティークのドアだそう。「ぜひとり入れたいと思ったものの、サイズやデザイン、状態などぴったりのものを見つけるのは難しく、搬入ギリギリまで探しました。そんな苦労のかいあって、ノブや錠まで古いままの、味わい深いものが見つかりました」
部材や家具を扱うお店は、伊賀さんから紹介されることも多かったそう。「いろいろおしゃべりしているうちに、私たちの好みをわかってくれて、いつも的確なアドバイスをしてくれました」。そんな二人三脚で進めた家づくりを、福永さんは「とても楽しかった」と振り返ります。
家づくりを楽しんだのは、ご主人も一緒。素敵なフレンチテイストの外構や塀は、ご主人によるDIYです。「子どもたちも、手作り感あふれるこの家が気に入っているようです」。家族みんなの思いを詰め込んだ家です。
Sanitary
洗面室と 洗濯&脱衣室は 意図的に分離させて
左手のブルーのドアが洗濯&脱衣室。生活感が出がちな場所を隠し、お客さまも使う洗面室をおしゃれに。
素材感のあるアイテム使いがおしゃれ
【POINT】高い位置にある 横長の窓から入る 自然光が快適
洗面台はイメージを伝え、モザイクタイルと木で造作。アンティークのミラーや白ペイントの棚も素敵。
デザインにこだわってネットで探した小物
アンティーク調のペーパーホルダーや壁の木製棚は、手頃な現行品をネットショップで見つけました。
古いドアとタイル貼りの床で雰囲気満点のトイレに
ドアは、ペイントもノブも昔のままのアンティーク。床のタイルは目地を太めにして、古びた感じを演出。
Kid's room
デザイン性と機能性をバランスよく
長男の部屋の棚は造りつけ。パイン材のデスクは「ラスティック27」にオーダーしました。
長女の部屋は木製ベッドやドールハウスでかわいらしく。壁はお手入れしやすいクロス張りに。
Bedroom
木枠の窓と木製扉で落ち着いた雰囲気に
木製フレームの窓は子ども部屋と同じもの。ウォークインクローゼットのルーバー扉も木で造作しました。
【POINT】家じゅうのドアを 味わいのある アンティークで統一
自然素材に囲まれた寝室は まるでコテージのよう。ベッド横には ロマンチックな表情の家具を。
【写真左】風合いのいいアンティークドアやブルーグレーの棚が、空間に変化を与えています。パイン材のチェストは「モビリグランデ」で購入。
【写真右】「アンティークス ミディ」で買った白ペイントのミニチェストと布シェードのスタンドで優雅に。
アンティークの門扉や手作りの木塀で 外まわりも趣たっぷりに
景観条例をクリアしながら 好みのデザインを実現。アンティークの門扉やレンガに心ときめいて
【POINT】準防火の規制を クリアした 木製輸入ドア
【写真左】屋根は黒を厳守、白い窓枠はNGなど、厳しい条例を守りながら、しっくい壁の素材感豊かな外観デザインに。
【写真右】アイアン門扉や枕木、アンティークレンガのほか植栽にもこだわり、ヨーロッパの田舎家風のアプローチに。
手仕事の素朴さに雑貨を添えて目にも楽しく
【POINT】DIYの塀で 隣家からの視線を カット
木の塀はご主人がDIYで手がけた労作! ランダムな高さや白ペンキがかわいい。わざと無塗装にした部分が朽ちて、いい表情になっています。
テラスの木のフェンスもご主人作。薄いブルーの色合いとアイアンのフックがマッチして。
Pickup
心地よい住まいのために福永さんが選んだ、こだわりのパーツや設備。暮らしてみて「やっぱり好き」「採用して正解!」だったポイントをご紹介します。
アンティークのドアは 存在感たっぷり
【写真1】リビングのドアも「パイングレイン」で購入。
【写真2】ノブや錠、ぽってり塗ったペイントなどが味わい深いトイレのドアは、東京のアンティーク家具店
「パイングレイン」で。
【写真3】寝室のドアは福井のアンティーク&ネットショップ「ハンドル」で購入。アイアンのノブが年月を感じさせます。
本物にこだわった古いトグルスイッチ
アンティーク風のものもありますが、本物のアンティークにこだわり、頻繁に操作しないバルコニーのライトなどに使用。
実験用のシンクは 大きくて、なにかと便利
「子どもがいるので大きめのほうがいい」と、洗面ボウルは実験用のシンクを選択。水はねが気にならず、正解だったそう。
イメージに合わせて デザインした オリジナルのドア
ブルーのドアは、「雅姫さんの家に使われているドアにあこがれ、似たようにつくってもらいました」。右写真の
パントリーのドアは「シンプルな木で」と希望し、節のないトガ材で製作。どちらもイメージどおりにできて大満足!
DATA. 福永さん宅(京都府)
Profile.
福永さん
同じ「サラズ」で家を建てた人たちと知り合い、お互いの家を訪問するなど友だちづきあいが続いているそう。「趣味が合うから、おしゃべりが止まらないほど楽しいです」。ご主人と12歳の長男、8歳の長女の4人家族。
設計のPOINT
「外観は厳しい規制をクリアし、 内部は“本物感”たっぷりに」
Sala’s(Home Sala) 企画・設計/ 伊賀千恵さん
ヨーロッパ各地のカントリースタイルをモチーフに、質感とディテールにこだわった家づくりを提案。施主の思いを最大限にとり入れたプランニングに定評あり。自身も無類のアンティーク好き。木製の玄関ドアを使うために道路から3mセットバックするなど、規制をクリアするためにプランを工夫しました。内部は“本物の質感”にこだわるご夫妻のために、油分が多くて味の出るイエローパイン材や厚塗りのしっくいを使用。古材もアクセントに使いました。
【Profile】
高気密・高断熱で耐震性にもすぐれた自然素材の家が人気のビルダー。インテリアコーディネートや外構デザインも得意で、トータルにナチュラルな家をつくる。
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
109.16㎡(33.02坪) |
建築面積 |
49.68㎡(15.03坪) |
延べ床面積 |
96.88㎡(29.31坪)1F 49.68㎡ + 2F 47.20㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(枠組み壁工法) |
工期 |
2009年4月~10月 |
設計・施工監理 |
㈱Sala’s(Home Sala) TEL: 086-250-3800 |
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