【北村さん宅(大阪府)】
「“ナチュラル”の微妙な違いを理解してくれて、私の好きなテイストを実現してくれる会社はないかな」と、1年半ほど、ひまさえあればネットで依頼先を探していた北村さん。ようやく「ここだ!」と思えるところを見つけたときには、思わず手が震えてしまったとか。さっそくその「ウエストビルド」を訪問して、「思いのたけをひたすら話しました。するとコーディネーターさんがニコニコうなずきながら聞いてくれて。ここなら私の建てたい家を建ててくれると確信したんです」
こうして始まった北村さんの家づくり。めざしたのはアンティークの似合う、シックだけれどかわいらしさがあって、重すぎない空間。内装材や建具はもちろん、こまかいパーツのひとつひとつまでじっくり選びました。照明や部材はコーディネーターからの提案もあれば、北村さん自身がネットなどで見つけたものも。「提案された照明が、私が見つけていいなと思っていたものと同じで、盛り上がったこともありました」。そんなエピソードにも、相性のいい二人三脚ぶりがうかがえます。すべての要望をかなえようとすると、予算はオーバーぎみに。それでも、輸入品の木製サッシを採用できなかった部分は、チェッカーガラスの窓にするなどのおしゃれな代替案で、「がっかりせずにコストを抑えることができました」。
北村さん宅の工夫
予算内におさめる工夫
2階の壁はしっくいのかわりに好きな色柄のクロス張りに。一部の窓は輸入サッシをやめてチェッカーガラス入りの国産のサッシにし、デザイン性を保ちながらコストダウン。
好みのインテリアにする工夫
しっくい壁は現場に立ち会って好みの塗り方に。キッチンや洗面台は造作で思いどおりのデザインを実現しました。照明やパーツはビルダーと一緒にネットも活用してチョイス。
暮らしやすさの工夫
造作のキッチンは使い勝手も“自分仕様”で作業性も上々。また、シューズクローゼットを広くとるために浴室や洗面・脱衣室を2階に設けたので、洗濯の動線がスムーズに。
1F リビング
【写真左】ソファは「ミヤカグ」、センターテーブルは「ハーベスト」。どちらもネット経由で入手しました。シャンデリアは「キチラー」の製品で、プランの初期に決めてイメージの核に。
【写真右】リビング内に階段を設け、帰宅した子どもたちと顔を合わせられる間取りに。左右には収納スペースをつくって、日用品やストック品などがすっきり片づくようにしました。
【Point】コテむらにこだわったしっくい壁
しっくい壁は手仕事の風合いが感じられる、コテむらがつきすぎないほどよい塗り方にこだわり、現場に立ち会って希望を伝えました。
1F LD
【Point】古材の柱を利用した梁で雰囲気アップ!
「古材で雰囲気は出したいけれど、できれば虫食いの少ないものを」と希望。古い柱を利用し、味を出しながらすっきり見せています。
床は「オスモ」の自然塗料で仕上げたパイン材。しっくい塗りの壁はコーナーにアールをつけ、ニッチを設けてよりやさしい表情に。カーテンは「コロニアルチェック」でオーダーしました。
1F ダイニング
【Point】使い勝手のいいシャビーなカウンターを設置
収納を兼ねたカウンター。扉は自然塗料で木目を生かした仕上げに。内部には雑誌などを収納しやすいように棚板をつけて。
テーブルとチェアは「ラスティック27」、3連にしたペンダントは「ミキシングボウル」のネットショップで購入したアンティークです。窓辺にはパソコン用のデスクも設置。
1F キッチン
【Point】開口部はやさしい表情のアーチに
開口にただ丸みをつけるのではなく、高さやカーブを慎重に計算して設計。空間にバランスよくなじんでいます。
【写真左】壁のニッチにも古材をあしらって。スツールは「シュガーパイン」で見つけたアンティーク。
【写真右】「大好きなダイニングを眺めながら作業できるから、幸せな気分です」と奥さま。
左官職人さんが仕上げた壁や大工さんによるアーチ形の開口など、手仕事のぬくもりに満ちた北村家。キッチンや洗面台も木やタイルで造作し、デザインにこだわりながら、収納スペースなどは自分流にカスタマイズしています。
「あちこちに作り手の愛情が感じられる家。長く大切に住み続けたいです」と奥さま。ご主人も「居心地がいいので、仕事から早く帰りたくなりますね」と。ご家族の穏やかな笑顔が印象的です。
【Point】花柄ガラスのキャビネットをオーダー
【写真1】食器収納用のキャビネットには、懐かしさを感じる花柄ガラスを。木製の丸い取っ手と合わせて、やわらかな雰囲気に仕上げています。
【写真2】ダイニングから見たときに重くなりすぎないよう、オープン棚も採用。実用的なキッチングッズと一緒に飾ったアンティーク雑貨が、目を楽しませてくれます。
【写真3】手持ちの家電のサイズをはかり、置き場所を考えてデザイン。「スケッチを描いてもらって、こまかくやりとりしました」。カーテン内部は炊飯器用のスライド棚になっています。
【写真左】造作キッチンは、木目を残した塗装仕上げのキャビネットに、ホウロウのシンクを合わせて。レンジフードは板でカバーし、古材の枠をつけています。取っ手やタオル掛けは、ネットでひとつひとつ選んだもの。
【写真右】タイルは表面が波打ったものをチョイス。キッチングッズも、木と白の素材感のいいものでまとめました。
2F 子ども部屋
長女の好きなブルーでまとめた部屋。自分で選んだクロスは、1面に小花柄を使ってアクセントにしました。学習机は「モビリグランデ」のパイン材のものを愛用中。
子ども部屋は「あとから仕切ることになるなら」と、最初から2部屋に。長男の部屋のクロスはパープルをチョイス。床はパイン材を白の塗装仕上げに。
1F 畳コーナー
【写真左】リビングに続けて設けた畳コーナーは、縁なし畳でシンプルに。約3畳ですが、ゴロゴロしてくつろいだり、お子さんが遊んだり、活用度の高いスペースです。
【写真右】入り口には和洋折衷のディスプレイが。実家から譲り受けた小引き出しは、取っ手をかえて活用。小物も使い込んだ質感のものを集めました。
1F 玄関
【Point】古材の柱でインテリアに味わいをプラス
玄関ドアをあけると目に入る場所に、古材の柱をあしらいました。年月を経た味わいと存在感が、白い空間を引き締めています。
【写真左】アンティークのフックボードもインテリアのポイントに。「くすんだ色合いが好き」という北村さん。
花もドライにして飾ることが多いそう。
【写真右】落ち着いた色合いの自然素材と、しっくい壁に広がるガラスペンダントの光に心地よく迎えられる玄関。たたきはテラコッタタイル、木製の室内ドアはシンプソン社のもの。
1F シューズクローゼット
【Point】収納スペースにもアーチの入り口を採用
生活感が出がちな収納スペースも、入り口をアーチにすることでおしゃれな印象に。雰囲気の合うディスプレイも素敵です。
【写真左】広めのシューズクローゼットを併設して、玄関をすっきりと。靴や外用グッズだけでなく、ご主人と長男が育てているかぶと虫もここに。「じつはカーテンの奥に幼虫がいるんです」
1F 洗面コーナー
【Point】カウンターには色むらが素敵な大理石タイルを採用
天然の色むらとマットな質感がアンティーク風の味わいを醸し出す大理石タイル。
「ウエストビルドの見学会で確認して決めました」
タイルと木で造作した洗面台。陶器の洗面ボウルと2ハンドルにこだわって選んだ水栓金具は、どちらも「カリフォルニア」の製品です。ガラスシェードのブラケットはネットショップで購入。
2F トイレ
トイレはごくシンプルなものをチョイス。小花柄のクロスやミルクガラスのペンダント、木の棚などでぬくもりを出しました。窓には、以前買ったタスカニー風レースをカーテンがわりに掛けて。
2F 洗面室
トイレの向かいに設けた洗面コーナー。カウンターを木で造作し、エレガントな陶器の洗面ボウルを埋め込んで、お客さまにも気持ちよく使ってもらえる場に。壁にはアンティークのステンドグラスを。
外観
【Point】カバードポーチは見た目も機能性もばっちり!
玄関前に設けたカバードポーチは、外観デザインのアクセントになるだけでなく、雨の日に玄関先でぬれにくいなど、実用面も満足。
【写真左】しっくいの外壁や素焼き瓦の素材感がぬくもりいっぱいの、素朴な外観。アンティークレンガのアプローチやしっくい塗りの塀など、外構も自然素材でまとめました。
【写真右】玄関ドアは、シンプソン社の木製ドアにアイアンのハンドルを組み合わせたもの。ドアの上にはホウロウのブラケットライトをつけました。ここにもアーチをとり入れて、やさしい雰囲気の佇まいに。
庭
味けない波板を目隠しするため、白いペイント仕上げの板塀を設置。板の長さをランダムにし、ガーデンショップで買ったアイテムを吊るして、実用的かつ目に楽しいコーナーに。
【写真1】玄関脇のスペースにはアイアンのトレリスを置き、バラとクレマチスを植えました。「トレリスに植物がもっとからむのを、楽しみに待っているんです」
【写真2】アプローチや玄関ポーチに使ったアンティークレンガが、素朴な植物に似合います。
わが家のお気に入り
手仕事のぬくもりとひとつひとつ選んだパーツ類。 ふれるたびに幸せな気分に
光が美しい アンティークの ガラスペンダント
「コーディネーターさんと私が同時に見つけたもの。厚みのあるガラスと精緻なカットで、灯すと、うっとりするほどきれいです」
やさしいデザイン&素材感のリビング階段
階段もパイン材としっくいでつくり、上り口は半円形のレンガ張りに。「デザインが素敵で、腰かけても気持ちがいいんです」
DATA. 北村さん宅(大阪府)
Profile.
北村さん 一家
「最近、作家ものの器にハマっています」というご主人のために、「どこかに飾るコーナーをつくらなくちゃ」と奥さま。お子さんたちも自然素材の家でのびのび過ごしています。
設計のPOINT
予算内におさめるためにコストの安いものに切りかえることも必要ですが、
「ここは!」という見せ場にはいいものを使うことがポイント。北村さんのお宅では、ダイニングの3連のペンダントやカーテンは質のいいものにこだわりました。アーチ形の開口やカバードポーチは、空間の印象をやわらげるのに効果的ですが、サイズが大きすぎるとかわいく見えません。その空間に施主さん(特に奥さま)が立って素敵に見えるかどうかを考え、こまかくデザインしています。
ウエストビルドコーディネーター
中山 真由美さん
1998年の同社設立以来のメンバー。現在は営業窓口から土地・資金の相談、設計、コーディネート、引き渡しまでトータルに施主をサポートし、2×4工法のナチュラルな家づくりを進めている。
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
111.04㎡(33.59坪) |
建築面積 |
57.24㎡(17.32坪) |
延べ床面積 |
108.06㎡(32.69坪) 1F 54.76㎡ + 2F 53.30㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(2×4工法) |
工期 |
2010年3月〜7月 |
本体工事費 |
1979万円 |
3.3㎡単価 |
約61万円 |
設計・施工 |
㈱ウエストビルド(アイディールホーム) TEL: 06-4258-7200 |
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