家づくりを家具の配置から考える……。そんな人もふえているほど、家具の配置は、暮らしやすさやインテリアの美しさを左右します。家具選びや配置をあと回しにせず、窓の位置や収納の位置などを自由に決められるプランニングの段階から同時に考えましょう。
「動線計画」と「居場所づくり」から配置を考える
レイアウトの基本は「動線計画」
家具のレイアウトの基本は「動線計画」と「居場所づくり」です。家の中では、料理を配膳するためキッチン→ダイニングへ、洗濯物を干すために洗面室→ベランダへなど、暮らしに必要な移動を絶えず行っています。この動きが効率的になるように考えることを動線計画といいます。
もし、家具が人の動きを妨げてしまい、遠回りや横歩きを強いられれば、大きなストレスに。狭い部屋では、たとえばソファを置かず、ダイニングでくつろぐことを検討するなど、家具のしぼり込みを考えることも必要です。
さらに家具を置くということは、そこに人の居場所をつくるということです。たとえば、ソファの脇にお茶やメガネを一時置きできる小さなテーブルを置くなど、その居場所が心地よくなるように、周辺家具や収納家具の配置をしましょう
人が通るのに必要なスペース(単位は㎝)
動線に十分な通路スペースを確保することは、暮らしやすさに直結する。よく行き来する場所や大人数が集まる部屋、大柄な家族が多い家では、やや広めにとる。
両側が低い家具の場合、上半身の動きがラクになるので、通路幅は最低50㎝あればよい。片側が壁または背の高い家具の場合は、通路幅は最低60㎝ほど必要になる。
家具を使うために必要な「動作寸法」を知る
動作寸法とは、人が動作をする際に必要な寸法のこと。たとえば、引き出しをあける、椅子を引く、ソファに座って足を出す、ベッドのシーツを替えるなど、家具の周辺にその家具を使うための動作寸法が必要です。
家具のサイズだけで「置ける・置けない」の判断をすると、部屋の中の通り道がなくなったり、引き出しや扉をあけられないなど、暮らしにくい部屋になってしまいます。また、見落としがちなのが窓まわり。開閉のためのスペースが必要なのはもちろん、カーテンは意外に厚みがあり、その分も考えて家具を配置する必要があります。
家具のサイズと動作寸法(単位は㎝)
一般的に、引き出しをあけるには90㎝、ソファとコーヒーテーブルの間は30㎝、人が通るには最低50㎝のゆとりが必要といわれている。通路は、実際にはトレーや洗濯物を運んだりするので、90㎝くらいあるのがベター。
カーテンは布厚やひだにより20㎝前後張り出すことも。(岩渕さん宅・群馬県)
「左右対称」「非対称」を意識し何かとラインを揃えて配置する
家具の配置は部屋の骨格づくりのようなもの。骨格がしっかりしていれば、部屋はすっきりと見えます。その配置の基本として考えたいのが「左右対称(シンメトリー)」と「左右非対称(アシンメトリー)」。この2つの基本の特徴を知って、家具配置のベースにしてください。
また、いろいろな家具を無造作に置くと、ごちゃついた印象に。軸線を設定し、それを基準に家具を配置するとすっきり見えます。
窓の中心線に、ソファ、テーブル、照明の中心を合わせた、すっきりとした配置。(Kさん宅・群馬県)
左右対称は西欧インテリアの基本。安定感があり、多めに収納できる。(正林さん宅・東京都)
左右非対称は和の空間に多い。ものは少なく、余白をとることで生きる。(吉田さん宅・京都府)
すっきり見せる家具の並べ方
複数の家具を並べるときは、基準線を設け、家具の中心または端のラインを揃えると整然と見える。基準線を壁や窓のセンターに合わせると、より気持ちのよい配置に。
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