春から新生活がはじまった方も多いと思います。新生活では、いろいろとストレスを感じているかもしれません。「小さなことだから…」と我慢していませんか?しかし、小さなストレスでも長く放置していると、取り返しがつかないことになります。
そこで今回は、脳神経内科の医師があなたのストレスの度合いを診断し、そのレベルに応じた解消法を紹介します。
(文/脳神経内科医 田頭秀悟)
あなたのストレス度はどのくらい?
次のうち、自分に当てはまると思う項目の数をかぞえてみてください。あなたのストレス度を判定できます。
<ストレス度チェック項目>
□肩こりや腰痛がある
□生理不順がある
□熟眠感がない
□自分は真面目な人間だ
□頼まれごとはついつい引き受けてしまう
□将来のことが不安だ
□家族の許せない行動がある
□自分がしなくてもいい役割を押しつけられている
□別の地域に移住したいという気持ちがある
□孤独を感じることがある
□悩みを相談できる人が周りにいない
□かかりつけの医者がいない
当てはまる項目が3個以内であった方は、ストレスをうまく管理しやすい状況にあるようなので心配はないでしょう。
4~6個当てはまる人は「ややストレス」あり、7~9個当てはまる人は「かなりストレス」あり、10~12個当てはまる人はストレスが「爆発寸前」の状態です。
ストレスがあると気づいたら、爆発する前に早めに対処することが大切です。
おすすめのストレス解消法
自分のストレス度がわかったところで、次に、ストレス度に応じた解消法をご紹介します。
1.「ややストレス」(4~6個該当)向けの解消法
「ややストレス」ありの方は、おそらく何となくストレスがあることを感じてはいるものの、日常生活でとくに支障がないので、そのままやり過ごすことができている状態だと思います。
しかし、小さなストレスでも油断は禁物です。ストレスがかかり続けると、徐々に肩こりや腹痛などの身体症状が出てきたり、心の不安定さが現れだしたりしはじめます。
おすすめの解決法は「しっかりと寝ること」です。
睡眠は、私たちのからだがストレスで爆発しないように備わっている、自然の仕組みです。
しっかりと寝るために「スマホを枕元におかない」「半身浴をする」「寝る前にコーヒーや緑茶を飲まない」などの方法を実践しましょう。
2.「かなりストレス」(7~9個)向けの解消法
「かなりストレス」ありの方は、何となく心身の不調を感じていたり、やり場のない怒りや愚痴を抱え込んで耐えていたりする状況があるかもしれません。
そういう方は、ストレスの原因になっているものに対して「別の視点」を意識してみるとよいです。
たとえば、ご主人がリモートワークで家にずっといるけれど、家のことを全然やってくれないという状況の場合。自分だけが負担が増えたように感じるため、イライラしてしまうのも無理もありません。
ただ、逆の立場で考えてみると、今までずっと会社で過ごしていた時間を自宅で過ごすことになり、何をしたらいいのかがわからないのかもしれません。
相手の立場を想像してみるだけでも、ストレスの感じ方が変わる可能性があります。話し合いで状況が変わるかもしれませんし、ルールを決めることで割り切ることができるかもしれません。
別の視点でみることで気づきを得て、行動を起こせば、ストレスに感じていた環境も変わっていくはずです。
3.「爆発寸前」(10~12個該当)向けの解消法
「爆発寸前」の方は、おそらく、どうしようもないストレスの原因を抱えておられるのだと思います。
すでに心身の不調が病気というかたちで出ていることも珍しくないでしょう。「爆発寸前」の方におすすめの解消法は「とにかく今の環境から離れる」ことです。
たとえば、仕事であれば一時休職するのもよいでしょう。家族であれば、一定期間離れて生活するのもひとつです。
一時的にストレス環境から離れることで、自分自身も冷静になりますし、環境にも良い変化があらわれるかもしれません。それでも変化があらわれなければ、その環境から完全に離れることも検討した方がよいでしょう。
イライラしない体質は「漢方」で作れる
ストレスを発散することも大事ですが、ストレスがかかっても耐えられるに身体になることも同じように大事です。そこで最後に、イライラしない体質へと変える手助けとなる「漢方薬」についてご紹介します。
ストレスに耐えられるように、医学的に効果が認められている漢方薬を毎日の生活に取り入れることで、快適な生活を目指してはいかがでしょうか?
<イライラしがちな方におすすめの漢方薬>
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどがある方向け。
冷え症、月経不順、月経困難、更年期障害、不眠症などに効果があります。
●半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
体力が中等度以下で、顔色がすぐれず、神経症的傾向がある方向け。
神経の高ぶりを押さえることで、気分がふさぐ、のどの異物感、めまい、動悸、吐き気などの症状を改善します。
●柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う方向け。
高血圧、動悸、不安、不眠、神経症、更年期神経症、便秘などに効果があります。
漢方のプロに頼ってみよう
ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
「オンライン個別相談」なら、漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、お手頃価格で、一人ひとりに効く漢方薬を見極めて自宅に郵送してくれます。スマホで完結するサービスですので、対面では話しにくいことも気軽に相談できますよ。
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ストレスは自分で早期発見・早期治療!
知らないうちにかかるストレスのレベルを調べる方法と、その解消法についてご紹介しました。
ストレスも病気と同じで、早期発見・早期治療が大切です。ぜひ日々の健康な生活につながるように、今回のお話を役立ててもらえればと思います。
<この記事を書いた人>
医師 田頭秀悟(たがしら しゅうご)
日本神経学会専門医、日本東洋医学専門医
内科全般、脳神経内科、漢方内科
オンライン診療専門クリニック「たがしゅうオンラインクリニック」院長
西洋医学の枠に捉われず、東洋医学は勿論、ホメオパシー、アロマテラピー、サプリメントなどの代替医療も駆使して患者さんの健康管理を遠方からサポートする。
理念は「『医者が患者を治す』から『患者が病気を治すの医者が手伝う』」
根本的治療を施すことができる唯一の存在である患者本人が病気を克服するのを支える「主体的医療」の普及を目指している。
ブログ、ツイッター、YouTube、メルマガ、Noteなど様々な媒体で患者自らが病気を治すために役立つ知識について情報発信中!
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