子どもが生まれると、夫婦だけのときに比べライフスタイルや考え方は変化するもの。「子どものため」に力を尽くし、「子どもと一緒」が当たり前、となっている夫婦も多いことでしょう。
そういった家族は、一見、円満な家庭に見えますが、実際には、子どもの存在を優先しすぎていると夫婦関係は危機的な状況になりやすいのです。
そこで今回は、子育て奮闘中に夫婦仲を悪化させないため、気をつけたいポイントについてまとめてみました。
気をつけたいことその1:子育てどっぷり
子どもがまだ幼いときは、四六時中お世話に明け暮れている母親が多いことでしょう。
とくに他に頼る人がなく、母親だけに子育ての負担がかかっているときは“戦場”のような毎日が続きます。そんななか「今日は子どもと夫以外に誰とも話をしていない、」という状況も容易に生まれ、世間がどんどん狭まっていくように感じる母親も多いはずです。
それでも「自分は子どもを一生懸命に育てている」という使命感があるため、ほとんどの母親は自分の気持ちを押し殺してしまうのです。しかし、ため続けた不満はいつなんどき爆発するか分かりません。
そして大抵の場合、不満の矛先は身近な存在である夫に向けられるのです。
子育てのイライラが原因で夫にあたったとしても、子どものために日々つらい思いをしているのだから許されると思ってはいませんか? 子どもを育てている自分が一番大変で、一番偉いような気持ちになっていませんか?
常識的に考えればそのような態度は許されないと分かるはずですが、周囲が見えなくなっていると間違いに気づくこともできません。こうならないために、母親は子育てにどっぷり浸かるのではなく、ときには自分の時間を持ち、子育てとは違う楽しみを得ることが必要です。
まじめな人ほど自分のことは二の次で子どものことを優先しがちですが、ときには子育てを離れて自分のために時間を過ごしましょう。
そのひとときのリフレッシュで気持ちが軽くなり、また育児を頑張ろうと思えるならそれでよいのです。
気をつけたいことその2:夫婦二人より子どもがいる方が楽しい
子どもが小学生ぐらいに成長すると、子どもとおでかけや趣味を共にする機会が増えてきます。
夫は仕事で忙しいため、母と子だけでテーマパークやアミューズメント施設に行ったり、女の子なら一緒にお買い物やお茶をしたりすることもあるでしょう。
このような子どもと過ごす楽しい時間に、もし夫が加わるとどうでしょう。夫が一緒だと変に気を遣うことが増えて思い通りに行動できない、と不満を感じる人はいないでしょうか。
そのうちだんだん「亭主元気で留守がいい」「残業も出張も大歓迎!」となって、お給料だけ家に入れてくれたらいい、と勝手な発想になってしまうこともあります。これでは完全に夫の存在がないがしろになってしまっています。
ほかにも、子どもの習い事や塾通いをサポートするのが生きがいになっていて、放課後や休日は送り迎えなどで忙しいのも危険なパターンです。
妻は「子どものために一生懸命やっている」という自負があるため、夫のことを放ったらかしにしておくのが悪いこととは思っていません。万が一、夫から何か不満を言われると「なぜ協力してくれないの?」と逆に不信感を抱いてしまうこともあるでしょう。
このように妻にとって子どもと過ごす時間のほうが楽しく、また生きがいを感じるようになると、夫婦二人の時間に魅力を感じられなくなってきます。話す話題も子どものことしかなく、子どものこと以外に一緒にやりたいことは見つけられません。
夫婦の絆より子どものことを優先させ続けていると、いずれ子どもが手を離れ夫婦二人きりになったときに困惑する事態になりかねません。
気をつけたいことその3:子どものためにだけで夫婦関係を続けている
性格の不一致や不倫の発覚など、別れてもよい理由がありながら、「子どものために」という理由だけで夫婦を続けているパターンも潜在的に多くありそうです。
一般的には「仮面夫婦」などと呼ばれ、他人の前では夫婦を演じているので周囲は全く気づかないパターンもあります。
しかし家庭内では会話を交わさず、別行動をとるのが当たり前。そのため何かあれば、子どもを通じて相手に用件を伝えるといったこともあります。子どもも不自然な両親の状態に気づいていて、ぎくしゃくした関係をそばで見ているのがつらい、どうして自分の家はこうなのか、と悩むことも多くなります。
とくに女性の場合は経済的な理由で離婚に踏み切れないこともあり、我慢する傾向にあるようです。しかしよかれと思ってやっていることが、結果的に子どもを苦しめることになっているかもしれませんよ。本当に子どもにとってよいことは、仮面夫婦を続けることなのか、離婚して別々の生活をすることなのか、ちゃんと考える必要があるでしょう。
いずれのパターンも子どもを優先に考えるあまり、夫婦関係に気遣いが欠けていたり、自分を見失ったりしています。子どもを育てるのは重要な使命ですが、人生は子育てだけではありません。
子どもが手を離れたあと、夫婦でどのような暮らしをしたいですか?自分が生涯をかけて取り組みたいものはありませんか?
子育ての渦中にあるときは一日一日を暮らすのに精いっぱいで将来のことなど考えられないのは当然です。でも、つらくなったときこそ、家族の未来のためにいま何をするべきか、あえて考えてみてください。
何もかも子ども優先で家族が動かなくてもよいはずです。母親も自分を大切にして、夫婦のことにもちゃんと向き合いましょう。
そのポイントをはずさなければ、今よりもっと良い家族の形ができるのではないでしょうか。
<プロフィール>
けんざきゆり
webライター
2人の子どもを子育てする傍ら、新聞社での記者経験を生かして幅広いジャンルの記事を執筆中。結婚、子育てにまつわるライフスタイルの記事を得意としつつ、美容や音楽、流行のものなどにも好奇心を働かせ積極的に執筆活動を続けている。
写真© milatas - Fotolia.com
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2人の子どもを子育てする傍ら、新聞社での記者経験を生かして幅広いジャンルの記事を執筆中。結婚、子育てにまつわるライフスタイルの記事を得意としつつ、美容や音楽、流行のものなどにも好奇心を働かせ積極的に執筆活動を続けている。
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