βカロテンや鉄分、カルシウム、マグネシウムなど栄養成分が豊富に含まれているほうれん草。できれば毎日でも食べたいですよね。
でも、旬の冬でもお値段が安くはない上に、あまり長く保存できないという印象があります。
買ってしばらくしたら、しなびてしまった…という経験をもつ人も多いのではないでしょうか?
せっかくの栄養価の高い野菜ですから、安売りの日などにまとめ買いをして、たっぷり食べたいもの。
そこで、おいしく長持ちさせるほうれん草の保存方法をご紹介します!
ほうれん草の旬はいつ?
ほうれん草の旬は11~2月。霜に触れると甘くなるといわれています。いまや八百屋やスーパーなどで1年中手に入る野菜ですが、やはり旬の時期のほうれん草のほうが、栄養価も味もバツグンなのです。
冬のほうれん草(生)が100g当たりビタミンCを60mg含むのに対して、夏のほうれん草(生)のビタミンC含有量は、100g当たり20mg。なんと、夏のほうれん草より冬のほうれん草のほうが、ビタミンCの含有量が3倍も多いのです。せっかくなら、旬の時にたくさん食べておきたいですね。
もともとはアクが強いため、必ず茹でて、しっかりアクをとってから食べる野菜でした。
しかし、最近では品種改良され、そのまま炒めたり、さっと茹でるだけでもおいしく食べられるようになりました。
また、生で食べられるサラダ用のほうれん草も出回っています。
↑やわらかくてアクの少ないサラダほうれん草。
一方で、ちぢみほうれん草というほうれん草も登場。これは、ほうれん草の種類ではなく、昔ながらの露地栽培をすることで甘味や葉の厚みを増したほうれん草のこと。アクは強い代わりに、本来のおいしさのあるほうれん草です。
ほうれん草の保存期間はどれくらい?
ほうれん草の旬は冬。冬野菜だけあって、保存に最適な温度は0~5℃とされています。常温での保存は難しいうえに、冷蔵庫でもほかに入れているものが多いと、この温度より上がってしまうことも。入れる場所にも注意が必要です。
放置しておくと知らないうちに栄養価が損なわれていて、必要な栄養素を採れなくなることも。やはり、しっかりと保存方法や保存期間を知り、栄養があるうちに食べたいですね。
保存の目安は、それぞれ以下といわれています。
常温
夏場では1日、冬場でも2日ほど
冷蔵
そのままでなら約3日。処理をすれば約1週間~10日
冷凍
生のままなら最大2週間、茹でれば約1ヶ月
適切な処理をすれば保存期間がグッと延びます。では、保存の手順と保存期間についてみていきましょう。
ほうれん草の保存方法:常温、冷蔵、冷凍で考える
常温、冷蔵、冷凍、それぞれのケースでの保存方法を詳しく説明します。ぜひ賢い保存方法を知り、日々のお料理に活かしてください!
◎常温
実は常温でも、ほうれん草を長持ちさせる方法はあります。
暑い時期は無理ですが、寒い冬であれば、新聞紙やポリ袋に包んで根を下に向けて立てて保存すれば、そのまま置いておくよりも長持ちします。
また、根の部分を水を張ったボウルにしばらく漬け、その後、表面の水分を拭きとって根に湿らせたキッチンペーパーを巻き付けてビニール袋に入れて立てて保存すると、常温でも5日ほど保ちます。
根元に水分は必要ではありますが、葉の部分に水分がつくと早く傷んでしまうので気をつけて。
◎冷蔵
ほうれん草は低温で育つ野菜ですから、基本は冷蔵庫に入れて保存するほうがよいでしょう。その場合、野菜室では温度が低すぎるので、冷蔵室のほうがおススメです。やはり新聞紙で包み、ポリ袋に入れて立てて保存します。これで、1週間ほどはもちます。
また、もっと長持ちさせたい時には常温での保存方法と同じく、根の部分に水分補給して、湿らせたキッチンペーパーで巻いておきましょう。
◎冷凍
意外に思えるかもしれませんが、ほうれん草は、そのまま冷凍で保存することもできます。冷凍庫の中で少々かさばりますが、生のままのほうれん草に近い状態をキープきるのが最大のメリット!
シャキッとした歯ざわりを楽しみたいならトライしてみたいですね。ほうれん草は洗って水を切り、フリーザーバッグなどに入れて、なるべく空気を抜いて保存します。最大で2週間ほど保存することができます。
◎ゆでて保存
★冷蔵の場合
ゆでて保存する場合は、かためにゆでて、水にさらします。さましたあとはしっかりと手で絞って水を切り、小分けにしてラップで包んで保存します。
水分が多く残っていると傷みやすくなるので、水気を十分に切ることが大事です。
そのままおひたしにしたり、お味噌汁に入れたり、パスタやチャーハンの具にしたり…すぐに使えるので便利ですね。冷蔵庫で2~3日は保存できます。
★冷凍の場合
冷蔵と同じようにかためにゆで、水にさらしてしっかりとしぼって水切りをします。
小分けにしてラップで包み、フリーザーバッグなどに入れて保存しましょう。
最大で1ヶ月ほど保存できます。使用する時は解凍せずにそのまま使います。凍ったまま炒め物に入れたり、汁物やスープに入れるのもOKです。
ゆでて保存する場合、ある程度栄養が流れ出てしまうので、栄養素をなるべく丸ごととりたかったら、生のままの保存がおすすめです。
ゆでる場合は、かためにゆでて、しっかり絞り、なるべく水気をきるのも、美味しく食べるコツです。
◎ペースト状にして保存
ちょっと手間がかかりますが、ゆでたほうれん草をペースト状にして、冷凍保存することも可能です。そのままスープなどに使えますし、離乳食にも便利ですよね。
ゆでたほうれん草を5cmほどにカットしてフードプロセッサーですりつぶします。あとはフリーザーバッグなどに広げて入れて冷凍庫で保存します。1ヶ月ほど保存できます。
ほうれん草の栄養素を逃がさず保存するには?
ほうれん草はゆでると栄養素が流れ出てしまうといいます。なるべく栄養素を逃がさないようにするには、たっぷりのお湯で根元からさっとゆで、すぐに冷ますこと。
切ってからゆでると切り口から栄養素が流れやすくなるので、必ず切らずにゆでるのがベター。
そして、さまして絞ってからは小分けに切って、なるべく早めに冷蔵室や冷凍庫に保存します。冷凍する場合はアルミのバットに広げて凍らせてから、フリーザーバッグに入れるほうが素早く冷凍できて、栄養素も逃げにくくなります。
また、根のピンクの部分にはポリフェノールや骨の形成に役立つガンマンが含まれています。全部カットしてしまうのはもったいない! よく洗ってギリギリまで残して根をカットしましょう。
ほうれん草はなぜ寝かせて保存するといけないの?
生のほうれん草は、立てて保存するのが基本。でも、なぜ寝かせて保存するといけないのでしょう。
野菜は収穫後も呼吸をしています。畑で生えているのと同じ状態にしていないと、ストレスを感じてしまうのですね。
ほうれん草は根を下に生えているわけですから、冷蔵庫で保存する時も根を下にして保存してあげる必要があります。そのほうが、根も曲がらず、おいしく食べられます。
ただ、野菜は呼吸をし過ぎると「エチレン」という成分が増えて、鮮度が落ちるともいわれています。呼吸数を抑えるために、新聞紙に包んで暗い所(冷蔵庫)に置いておくのが、野菜の保存方法としては適しているのですね。
ほうれん草を長持ちさせるポイントは?
実はもうひとつ、ほうれん草を長持ちさせる方法があります。
それは、買ってきたばかりのほうれん草を「50℃洗い」すること。ボウルなどに50℃のお湯を入れ、ほうれん草の全体を浸して30秒~1分間洗うことで、シャキシャキとした葉の状態を保つことができるのです。
洗うときは、お湯の温度が低くなると効果がないので、温度が下がらないように注意することが大切。
そのあとは濡らした新聞紙でくるみ、ビニール袋などに包んで冷蔵庫で保存します。
50℃という温度には、野菜が水分を出すための穴を広げる効果もあるとされています。
一度しなびてしまったほうれん草をシャキッとさせる効果もあるそうですから、ぜひ試してみてください。
鮮度のいいほうれん草の見分け方
いくら保存方法を知っていても、最初から鮮度の落ちたほうれん草を買ってきてしまっては、意味がありませんね。
なるべくならシャキッとした、おいしくて新鮮なほうれん草を手に入れたいもの。
では、ほうれん草の鮮度は、どうやって見分けたらいいでしょうか? ポイントは以下です。
ポイント1 葉
葉の裏側を見て、濃い緑色だったらOK。表より裏の葉の色は黄緑がかってはいるのですが、それでも比較的緑色の濃いものを選びます。
葉先はシャキッとしてみずみずしいかどうかをチェック。葉の厚さもしっかりしているのがよいでしょう。葉が密集していてボリュームがあるとなおよいですね。
ポイント2 茎
適度な太さの茎がベスト。細すぎるものは旨みに欠けますが、逆に太すぎるものも育ち過ぎていてアクが強いので注意。
ポイント3 根
鮮やかなピンクをしているものが、よいほうれん草です。ピンク色が美しく、みずみずしいものを選びましょう。また、根の切り口が太いものほどよく成長している証拠なので、切り口が太いものを選びましょう。
スーパーや八百屋でほうれん草を買う時に、ぜひ以上のようなポイントでチェックしてみてください。
ほうれん草はいつまで食べられる?見分け方をチェック!
せっかく買ってきたほうれん草も、うっかり放置しておいて食べられなくなることも……。傷んだほうれん草の見分け方をご紹介しましょう。
まず、ほうれん草は根元からではなく葉から腐っていきます。だから、しっかりと葉をチェック。
買うときに葉が黄色っぽくなっていたり、しなびていたら要注意です。また、葉がドロドロに溶けている部分は食べられません。
ただし、その部分だけを取り除けば、ほかの部分は食べられます。水洗いして、傷んでいる部分をしっかりとってから調理しましょう。
そして、「食べられる」「食べられない」のギリギリのラインは茎。ほうれん草をもってクタッとする場合は要注意。
茎が柔らかくなっていて、さらに汁などが出ていたり、異臭がする場合は、食べないほうがよいでしょう。
いずれにしても、葉もの野菜はそのままでは傷みやすいもの。栄養価も失われていきますので、下処理を面倒がらずに保存して、新鮮な状態でおいしいほうれん草を食べたいですね。
ほうれん草のおすすめレシピはこちら!
イタリアンなほうれん草のアンチョビソテー!
【材料(2人分)】
ほうれん草…1袋(220g)
オリーブオイル…大さじ1
アンチョビ(チューブ)…6g
にんにく…5g
アーモンド…20g
パルミジャーノ…10g
黒コショウ…少々
ほうれん草をアンチョビとみじん切りのにんにくでソテーした一品。仕上げにアーモンドとパルミジャーノをトッピングし、コクと食感をプラスしています。ワインが進んでしまうこと間違いなし!
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♡5分de完成♡ツナとほうれん草のごまマヨ和え♡
【材料】
ツナ…1缶(70g)
ほうれん草…1袋
(あれば)人参…1/4本
マヨネーズ・白すりごま…各大さじ1
砂糖・めんつゆ(2倍濃縮)…各小さじ1/2
茹でたほうれん草とツナをごまマヨソースで和えています。ツナのうま味とごまの香ばしさで、子どもにも人気の一品です。ご飯にもよく合いそう。
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♡ウインナーとほうれん草のバタポンパスタ♡
【材料(2人分)】
パスタ…160g
ウインナー…4本
ほうれん草…1/2袋(100g)
にんにく…1かけ
バター…大さじ1
塩、こしょう…少々
ぽん酢…大さじ4
ほうれん草がたっぷり食べられるパスタ。味の決め手はポン酢とバターです。材料も少なめ、調味料もカンタン配合で手早くおいしく作れるのが魅力です。ママの1人ランチや休日のお昼ご飯にどうぞ。
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栄養たっぷり♡ほうれん草ベーコンチーズ素麺♪
【材料(2人分)】
素麺…2束
ほうれん草…1/2束
ベーコン…1枚
スライスチーズ…2枚
熱湯…200ml
めんつゆ(4倍濃縮)…大さじ1
温かい素麺に、ほうれん草とベーコンのソテー&とろ~りチーズをプラスして、食べごたえも栄養価もアップ! 子どもの朝ごはんやランチにおすすめです。
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韓国のり活用♪ほうれん草と海苔のサラダ
【材料(2~3人分)】
ほうれん草…1束 5株くらい
韓国海苔…全角2枚
味ぽん…大さじ3
炒りゴマ…少々
ほうれん草茹で用 塩…適量
ゆでたほうれん草にたっぷりの韓国のりを混ぜ、ポン酢をかけるだけ! 香ばしい韓国のりがいいアクセントになって、ほうれん草がたっぷりと食べられます。旬の時期にぜひお試しあれ♪
2017.05.23お土産などで頂いた韓国海苔を美味しく活用♪ 茹でたほうれん草と味ぽんで簡単なサラダにしました。続きを見る
いかがだったでしょうか? 身体に必要な栄養素がたっぷり含まれるほうれん草。上手な保存をして、日常的に採っていきたいですね。
栄養成分の参考:文部科学省「食品成分データベース」
まとめ/吉田直子
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