坂道だってなんのその、買い物や送迎にとっても便利な「電動アシスト自転車」。特に子どもを持つママには助かりますよね!
何を見てどう選べばいいのか、今どきの人気車は?などの気になる情報を、日本最大級の自転車通販サイトcyma(サイマ)のベテランメカニック、鈴木創介さんに取材してきました。
あなたにぴったりの一台を見つけてください!
「電動自転車」とは?「電動アシスト自転車」とは違うの?!
私たちの言う「電動自転車」は、実は「電動アシスト自転車」とは別モノなんだとか。それってどういうことなんでしょう。
「一般的に『電動自転車』は、スイッチを押すと走る原付のようなものです。一方、『電動アシスト自転車』は、ペダルをこぐ力に対してアシスト力が加わる自転車。日本ではあまり呼び方では区別されていませんが、よく販売されているものは基本的に『電動アシスト自転車』と呼ばれるものですね」
免許不要のラクちん自転車=「電動アシスト自転車」なんですね! ちなみにこの“アシスト力”、人がこぐ力1に対して、2の力をプラスしてくれるのだとか。
「『2人がかりで後ろから押してくれているみたい』とおっしゃるお客様もいます。本当にラクですよ!」。
電動アシスト自転車って必要?どれだけ便利なの?
特に子どもを持つ家庭にニーズの高い「電動アシスト自転車」。実際にどんなシーンで役立っているのでしょうか。
「一番メリットが大きいのは、やはり坂道が多い、移動距離が長いといった環境をラクに移動できるというところでしょう。 車や原付に比べて小回りが利くので、狭い路地もスムーズですし、駐車の心配もありません。また普通の自転車ですと、お子さまや重い荷物を載せた際のこぎ出しがどうしてもふらつきがちになりますが、電動アシスト機能がついていれば安定して走り出せます。
最近はデザイン性がアップして男性が乗っても違和感がないモデルが増えてきたことから、旦那さまがお子さまの送迎を嫌がらなくなり、結果家事がラクになった、という声も多いんですよ」
今どきの電動アシスト自転車は、夫のイクメン化までアシストしてくれる! 忙しいママの日常を、力強く助けてくれそうですね。
電動アシスト自転車の選び方とポイントとは?
では実際に、電動アシスト自転車を選ぶ際のポイントを教えていただきましょう。
「お子さまを乗せて走る以外にも注意すべきポイントはたくさん。ご自身の環境にあわせてチェックしてみてください!」
■POINT1■「チャイルドシート付き」で選ぶ
「お子さまを乗せる目的で選ばれる際は、『BAAマーク』や『SGマーク』などのマークのついたものを選ぶと安心です。また、後ろキャリアにチャイルドシートをつける場合は耐加重が25kg以上あるものを選んでください。 基準に適合していないのもに勝手にチャイルドシートをつけると強度面で問題が出てしまう場合があるんです。ブリヂストン・パナソニック・ヤマハであればBAAマークや、耐加重などの安全表示は必ずついているので確認しやすいでしょう。
この子ども乗せ電動自転車には『前乗せ』タイプと『後ろ乗せ』タイプがあって、『前乗せ』は対応年齢が1才や1才半~、『後ろ乗せ』は2、3才~6才と比較的大きなお子さま用。ですので小さいお子さまを乗せたい場合は、『前乗せ』が候補になってきます」
■POINT2■「3人乗り対応」で選ぶ
「車種ごとに、取り付けられるチャイルドシートの数は決まっています。お子さまを2人乗せたい場合は、『幼児2人同時同乗基準適合車』のついているものからセレクトを。子どもを乗せたときの重量に関しても、メーカーにより規定があります。たとえばパナソニックは、下記のように前後あわせて30kg以下。必ず確認してください」
子どもを乗せたときの重量規程
例)【Panasonic】
前チャイルドシート:1~4歳、15㎏以下・身長100cm以下
後チャイルドシート:1~6歳、22㎏以下・身長115cm以下
かつ、前後合わせて30kg以下
■POINT3■「タイヤのサイズ」で選ぶ
「タイヤのインチ数は20、26、27が主流ですが、子ども乗せタイプで人気なのは20インチの小径車。チャイルドシートが地面と近くなるので乗せ降ろしがラク、重心が低いので安定感がある、万が一転んだ時の衝撃が比較的少ない、などのポイントが好評です。
また、おしゃれなデザインが多いところも支持されています。では大径車は不人気かというとそうでもなく、小径車に比べて段差での振動が抑えられる点、高速走行を維持しやすい点において引き続き人気があります」
■POINT4■「バッテリー容量・充電時間」で選ぶ
「バッテリーの容量は、走る環境や用途にあわせて選ぶのが原則です。坂道の多い場所での使用、お子様を乗せての使用、長距離の使用が多い場合は消耗が激しくなるので容量が大きいものがベター。その分充電時間が長くなりがちですが、モデルによっては急速充電対応のモデルもあるので要チェックです。
逆に短い距離しか乗らない場合は、大容量タイプを選んでもバッテリーを活かしきれずもったいないだけかも“大は小を兼ねる”とは言いきれないのが電動アシスト自転車ですので、お使いになる環境にあわせて吟味してください」
■POINT5■「重さ」で選ぶ
「平均すると25~30kgくらいある電動アシスト自転車。たしかに重いですが、乗り心地にはあまり影響しないので、そこまで気にして選ぶ必要はないかと思います。ただ駐車スペースに段差があったり、いつも行く商店街が乗り入れ禁止で引いて歩かないといけない、など、軽さを重視されたい場合は、20kg前後の軽量タイプもあるので、そういった製品を選ぶのもありです」
■POINT6■「メーカー」で選ぶ
「電動アシスト自転車の国内3大メーカーはヤマハ、ブリヂストン、パナソニック。これらのメーカーであれば、厳しい品質基準をクリアしたBAAマークもついており安心してお買い求めいただけます。
そのうえでメーカーで選ぶのであれば、気に入ったデザインで選んでしまっても大丈夫!。最近は男性をメインターゲットにしたタイプや、スポーティなタイプなど、従来のママチャリとは異なるモデルで各社しのぎを削っています。ということで私が個人的に大好きなメーカー別おすすめ電動アシスト自転車を、売上ランキングのあとで発表しますのでお楽しみに!」
ママにおすすめ! 電動アシスト自転車人気ランキングTOP10
大手自転車専門通販サイトcyma-サイマ- さんで聞いた、ママたちに人気の電動アシスト自転ランキングTOP10をご紹介します!
(2017/8/25現在の売上ランキング)
【第1位】ブリヂストン アシスタベーシック
「すべてにおいてちょうどいいスタンダードモデル。なだらかにカーブしたフレームは女性がスカートでも乗り降りしやすくなっています。後輪錠を施錠すると同時にハンドルもロックされる機能はお子さま連れや買い物時には便利です!ふかふかのサドルもうれしいところ!」
【第2位】ブリヂストン bikke MOB e
「またぎやすくて扱いやすい、コンパクトでかわいいモデル。本体カラーは5色、チャイルドシートクッションのデザインは最大10色から選べるなど、さまざまなパーツの組み合わせで自分の個性を演出できます。パーツの追加で3人乗りも対応可能。」
【第3位】ヤマハ YPJ-C
「スポーツ自転車の長所と、電動アシスト機能のメリットを融合させたスポーツ車ブランド『YPJ(ワイピージェイ)』シリーズのクロスバイクモデルです。チャイルドシートの取り付けは不可なので、ひとりで自転車に乗れる子どもとのおでかけに!」
【第4位】ブリヂストン フロンティア
「両輪駆動で坂道もグイグイ走る頼もしい一台。チャイルドシートは前後どちらかに1つまで取り付け可能です。タイヤには、パンクに強いeマイティロード4.5タイヤを採用。年代問わず乗りやすい自転車です」
【第5位】ブリヂストン bikke POLAR e
「チャイルドシートを専用設計のハンドルに直接設置するタイプ。ママの目がすぐ届き、安定性が高いので、自転車の運転に自信がなくても乗りやすいのが◎。後ろに専用のチャイルドシートを付ければ3人乗りに変身できます」
【第6位】ブリヂストン bikke GRI
「走行性にすぐれた、ブリジストン独自の両輪駆動システムを搭載。パパも乗りやすい渋めのカラー展開で、ご夫婦での兼用がしやすいのもメリット。前に専用のチャイルドシートを付ければ3人乗りもOKです」
【第7位】ヤマハ PASナチュラM
「6.2Ahバッテリーを搭載した、PASシリーズのスタンダードモデル。充電は約2時間で完了するので、忙しいママにもぴったり。手元の操作パネルは時計表示もついた大型液晶。荷台にはチャイルドシートの取り付けが可能」
【第8位】パナソニック ハリヤ
「電動アシストクロスバイク。フロントサスペンション搭載で、地面からの衝撃を吸収します。チャイルドシートの取り付けは不可ですが、ひとりで自転車に乗れる年齢の子どもとのサイクリングレジャーなどには最適」
【第9位】ブリヂストン リアルストリームミニ
「小回りが利く小径電動アシスト自転車。一度の充電で最大83km走ることができ、見かけ以上にパワフル。こちらも子ども乗せは不可ですが、クラシカルでおしゃれなデザインなので、パパや子どもとシェアする使い方も」
【第10位】ブリヂストン HYDEE.Ⅱ
「ファッション誌『VERY』とのコラボで誕生。ビーチクルーザータイプのルックスと、ブリヂストンの高い安全性が融合した、おしゃれ感度の高い電動アシスト自転車です。『パパが乗ってもかっこいい』と好評!」
あえてのメーカーで選ぶなら?メカニックのおすすめはこちら!
ママにおすすめの電動アシスト自転車を紹介したところで、ここからはグッとマニアックに、国内3大メーカー別の特色を加味したおすすめをご紹介。サイマのベテランメカニック、鈴木さんの自転車愛が炸裂です!
■「ヤマハ」の特色とおすすめ!
「ヤマハは、日本で始めて電動アシスト自転車を発売した会社です。長年蓄積された独自のノウハウが製品作りに反映されています。中でも、本格スポーツ電動アシスト自転車の先駆け『YPJシリーズ』は個人的にも大好き。スポーツタイプの自転車の敷居を低くした逸品だと思います。
ドロップハンドルの『R』と、『ママにおすすめ』でも登場したストレートハンドルの『C』の2タイプがあり、『C』は気軽な街乗りにも最適。自転車が趣味のご主人とツーリングに出たいけど、脚力に自信がない、と言った奥様方にも好評ですよ」
本格スポーツ電動車の先駆けとなるYPJシリーズ(ヤマハYPJサイト)
■「パナソニック」の特色とおすすめ!
「パナソニックといえば、プライドの純国産フレームがポイント! 一台一台を日本国内の工場で組み立てているメイドインジャパンのポリシーはやはり信頼できます。家電でおなじみの『エコナビ』が搭載され、環境にやさしい使い方をするとランプが点灯する手元操作スイッチも機械作りに優れたパナソニックならではです。
デザイン的には『グリッター』『エネモービル』『EZ』などの個性豊かな小径車たちが際立っています。電動アシスト自転車の域を超えるカッコいいデザインで、男性も選びやすいため、ご夫婦で共用される方も多く好評です」
グリッター
エネモービル(詳しくはクリック)
EZ
■「ブリヂストン」の特色とおすすめ!
「前輪モーターと後輪ベルトドライブの組み合わせの両輪駆動システム『デュアルドライブ』をプッシュするブリヂストン。日本の自転車業界を牽引するその技術力の高さは、非常に厳しい自社基準に合格したパーツしか使わないという姿勢に裏付けられています。
このメーカーで注目したいのは、個人的には断然『bikke GRI』。『ママにおすすめ』でご紹介したとおりのおしゃれで使いやすい3人乗り車、ではありますが、前後で違うインチ数のタイヤや、カーボンベルトの採用などなど、ブリヂストンの理想をつめこんだ一台ではないかとエンジニア的にはしみじみ感動しています。おすすめです!」
bikke GRI
電動アシスト自転車の関連豆知識
電動アシスト自転車の購入にあたって知っておきたい、知らなきゃ損する!! 豆知識を鈴木さんに教えてもらいました!
■購入前に電動アシスト自転車を試乗したい人はどうすれば?
「3大メーカーの電動アシスト自転車であれば、どんな方でも心地よく乗りこなせると思います。それでも『タイヤのインチ数の違いによる走行感』『前乗せや後ろ乗せの操作性の違い』などを実際に体感してみたい、という場合、メーカーごとに試乗会を行っているので、ご主人やお子さんなど、実際に乗る家族といっしょに参加されると良いと思います」
パナソニックサイクルテック 試乗会情報
ブリヂストン試乗イベント情報
ヤマハ 電動アシスト自転車PAS/YPJ
■電動アシスト自転車の盗難対策と盗難補償
「一般の自転車より高額な電動アシスト自転車。盗難対策はしっかりと。まずは販売店で『防犯登録』を。法律で義務付けられており、各自治体の防犯登録協会ののデータベースに登録されて警察と連携されるので、万一盗難の際に自転車が手元に戻りやすくなります。
そのほか、メーカーごとの規定に基づく盗難補償があり、無料で入れるので加入します。されに手厚くしたい場合は、いろいろな保険会社から傷害、賠償時にそなえた保障なども用意されていますので、必要に応じて入っておくのがおすすめです」
■長持ちさせるバッテリーの使い方は?
「以前主流だったニッケル電池のイメージで、『使い切ってから充電すると長持ちする』とお考えになるかもしれませんが、現在のリチウム電池は継ぎ足し充電しても大丈夫。厳密には、10%程度になってから充電したほうが若干長持ちするようですが、気にするあまりに電池切れし、重い自転車を押して歩くほうがダメージ大です。 通常使用の範囲での継ぎ足し充電であれば基本の性能に大きき影響しないと考えて大丈夫です」
■事故に遭わないために…知っておきたい安全な電動アシスト自転車の乗り方
「乗り方で注意したいのは、最初のこぎ出し。あまり強く踏み込みすぎたり、いわゆる『ケンケン乗り』をすると、アシスト力が急激にかかり、グンッと前にですぎてしまうことがあります。きちんと腰掛けた状態でゆっくり発信しましょう。
バランスを崩しやすい子どもの乗せ降ろし時は、乗せる際は『後部シートの子を先に』、降ろす際は『前部シートの子を先に』の順番を守りましょう。また、子どもを乗せる際はヘルメットが必須なので、自転車と同時購入がおすすめです」
よくある質問にもお答えいただきました!
【Q】子ども乗せ電動アシスト自転車を選ぶポイントは?
【A】「価格」でなく「機能」を重視!
「普通の自転車より高額なため、どうしても値段に目が行きがちですが、価格は使い勝手に大きく影響する部分なので安易な節約はしないほうがベター。
たとえばパナソニックの『ビビ・TX』と『ビビ・DX』の市場価格差は約3万円。バッテリー容量は6.6Ahと16Ahと倍以上ですが、それだけではありません。『ビビ・DX』にはスタンドを立てると自動でハンドルがロックされる機能や、充実した操作パネルなどを搭載しています。
これらはお子様連れなら『あってよかった!』を実感する便利機能です。口コミなども参考にしながら、長い目で見て実用性にあった商品を選んでください」
【Q】電動アシスト自転車って本当に楽なの?
【A】この10年でめざましく進化しました!
「2008年の法改正で、電動アシスト自転車の性能は飛躍的に伸びました。アシスト力は1:1から1:2にアップし、車体重量も軽量化がはかられています。改正以前にご利用されていた時の『非力で重い』イメージとは段違いです。使い勝手やデザインも飛躍的に向上しているので、乗って損はないと思います!」
【Q】坂道が多い地域に住んでいるのですが、坂道に強い電動アシスト自転車ってある?
【A】バッテリー容量の大きいもの、回生充電システムのあるものを!
「上り坂が多いとアシスト力がたくさん必要になり、バッテリーの消耗も激しくなりますから、容量が大きいものがおすすめです。また下り坂も多いということで、ブリヂストンのデュアルドライブ車のように、ブレーキ抵抗を電気に替えて充電する回生充電システムが搭載されていると、より充電回数が減って快適にお使いいただけると思います」
【Q】バッテリーの寿命や充電回数ってあるの?
【A】満充電700回~900回くらいが寿命の目安
「あります。多くの製品では、充電700回~900回くらいを『寿命』とすることが多いようようです。ここでいう『寿命』とはバッテリーの性能が50パーセント程度に低下してしまうことで、それは新品のときの半分程度しか走れなくなった状態のことです。国内3大メーカーであれば、交換用バッテリーを単体で販売しているので、在庫があれば交換は可能です」
電動アシスト自転車のまとめ
10万円越えも珍しくない電動アシスト自転車。慎重に選んで我が家に最適な一台を見つけたいですね! ベテランメカニック鈴木さんの、愛にあふれたセレクト視線も参考になります。 パパにも使いやすい男前デザインモデルが続々と登場しているので、シェアして使えば子育ての手間も減るかも。ここはひとつ思い切ってみては?!
取材協力/自転車専門通販サイトcyma-サイマ-
サイマは、常時200種類以上から選べて買える自転車専門の通販サイト。
専属の自転車安全整備士が組立整備を行い、すぐに乗れる状態でご自宅までお届け。しかも自転車全品送料無料。アフターサービスも充実。
取材・文/和田玲子
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