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コラム

「しつけ=叱ること」じゃない!親の都合で叱るのはダメ親です!!

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「しつけ=叱ること」じゃない!親の都合で叱るのはダメ親です!!
ほめる子育てをしたいのに、つい子どもを叱ってしまう自分は「ダメな親」……最近、こんなふうに思っている人が増えているような気がします。でも、それは正しい考え方なのでしょうか。

子どもの発達を専門とする、お茶の水女子大学の菅原ますみ先生が、迷えるママたちに指南します!

「ルールを守ることはいいこと!」と思わせて

「しつけ=叱ること」と思っている人は、少なくありません。でも、叱ることは、しつけの一つの手段にすぎません。しつけのための方法には、以下のような3つの手法があります。

① 禁止する(叱る)……よくない行動をやめさせることが目的
③ 見本を見せる……モデルを示し、まねをさせることが目的
② ほめる…… いい行動、望ましい行動を継続させることが目的

この3つを子どもの個性に合わせてバランスよく取り入れることで、親子ともにラクに、かつ効果的にルールが伝えられるのです。

「あいさつをする」というしつけをする場合を例にとりましょう。
朝、幼稚園の先生に「タロウくん、おはよう」と言われたのに、早くお友だちと遊びたくて、先生の言葉がけを無視して走り過ぎようとします。これはよくない行動なので「ちょっと待って」と引き止め(禁止する)、「ちゃんとごあいさつしようね」と言います。
そしてママが「先生、おはようございます」とあいさつします(見本を見せる)。
そこでタロウくんも「おはようございます」と言えたら、「上手にごあいさつできたね。あいさつすると気持ちがいいね」と声をかけます(ほめる)。この一連の流れが、「しつけ」なのです。

「禁止」「見本を見せる」「ほめる」の3つを一度に使う場合もあれば、別々のこともありますが、どれひとつ欠けても、しつけはうまくいきません。「叱らないで、ほめて育てよう」という人もいますが、叱る(禁止)ことをとり入れないしつけは、やはり無理があると思います。

子どもの「学びとる力」を信じましょう


そして忘れてはいけないのが、子どもの「自ら成長し、学んでいく能力」です。

2才ごろに、スーパーの床にひっくり返って「お菓子食べたい!」と泣き叫んでいた子でも、5才になると絶対にしません。周囲の目が気になるからです。3才のとき「○○ちゃん、大嫌い」と本人の前で言っていた子でも、6才になればめったにそんなことは言いません。相手の気持ちがわかるようになるからです。

「この子、こんなワガママでどうしよう」と不安になるから、親は厳しくしつけようと思ってしまいます。でもそれは、年齢が上がれば解決していくことでもあるのです。

親の役割は、その子の発達・成長の少しだけ先を見据えて、上手に手を差し伸べ、導いてあげることです。そうすることで、子どもがいつかは自分の判断でできるようになっていきます。その日に向けて、親が正しい道筋をつけてあげることが「しつけ」なのです。

どんな場面で叱っているか振り返りましょう

では、叱るべき場面とは、どんなときでしょう。

ママたちへのアンケート調査で、わが子を叱りがちな場面を書いてもらったところ、ほぼ一日中「叱る場面」があることがわかりました。
「朝、なかなか起きない」「着替えが遅い」「遊び食べをする」「ダラダラ食べる」「わがままを言う」「片づけない」「お風呂に入らない」「宿題をしない」「夜遅くなっても寝ない」……数え上げればきりがないほどです。

でも、共通していることがあります。それは「親のしてほしいことをしない」「親が思うスピードで動いていない」という場面です。気持ちはわかりますが、少し考えてみてください。叱る目的は「しつけのため」「ルールを伝えるため」です。でも実際には、親の都合で子どもをコントロールするために叱っていることも多くはありませんか? 

それが必要な場面も、確かにあります。でも要領のいい子ならまだしも、悪い子だと四六時中叱られることになりかねません。親だってそれをつづけていると疲れてしまいますよね。

必要以上に叱らないためには、叱る場面をある程度限定することをおすすめします。私が思うのは、以下の3つです。

1 ケガにつながるような危険なことをする
2 人に対して乱暴する
3 社会のルールを守らなくても平気でいる

たったこれだけ? と思うかもしれませんが、基本はこのくらい。ほかにも「これは許せない」「これはしてほしくない」があれば項目に加えてもいいでしょう。でも、できるだけ増やし過ぎないようにしましょう。

女優のように演じながらしつけをしよう

それ以外については、「叱る」という厳しさをともなう方法ではなく、「繰り返し教えていく」「手伝ってあげる」「励ましてやらせる」「ゲーム感覚にしてやる気にさせる」「気をそらす」などさまざまな方法を使って、その時々を乗り越えていくのがいいと思います。

「そんなの、その場しのぎのごまかしじゃないの?」と思うかもしれませんが、子育てには「その場しのぎ」も「ごまかし」も、あっていいんです。そうやって乗り越えていくうちに子どもは成長し、できるようになります。

だからといって、ほうっておいてもできるようになるかというと、それも違います。親からちゃんと教わっていない子は、できるようになるのがとても遅いうえに、自信や自己コントロール力も育ちにくくなるのです。

ですから、親は教えなくてはいけません。親はしつけなくてはいけないのです。でもそれは、ある意味「ごっこ」でいい。「怖い顔してみようかな」「しゅんとしてるから、今日はこのくらい」と、女優のように演じながらしつけするくらいの、心の余裕をもちましょう。

文/神 素子
『その叱り方、問題です!― 「個性診断」でその子に合った「叱り方」がバッチリわかる!(菅原ますみ著/主婦の友社刊より)
お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系教授。子どものパーソナリティー発達と精神病理を専門とし、0才~30才までの発達を追う、日本では数少ない長期にわたる縦断研究をおこなう。働きながら子どもを育ててきた先輩ママでもある。
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