コラム
ところが、学資保険はきょうだいがいる場合、１人目は加入しても２人目、３人目は学資金を減らしたり、あるいは加入しなかったりというケースも少なくないよう。
相談者のＲさん（40才女性・息子10才・８才）もそのひとり。Ｒさんは上の子が生まれたときに500万円の学資保険に加入しましたが、『下の子の分は上の子の学資保険でまかなうから入らない』と下の子のときは加入しませんでした。
しかし大学の学費は国公立で約250万円、私立文系で約400万円。それに加えて大学時代は運転免許代や成人式費用、就活費用など予期せぬ大きなお金がかかります。Ｒさんには『500万円では足りないから、下の子の分は別に入ったほうがいいですよ』とアドバイスしたものの、『月々２万円払っている保険料をこれ以上増やせないし、今入っている保険で２人の教育費をまかなうから大丈夫』と言い張ります。
その後、Ｒさんは２万円の保険料が払えなくなり、下の子が幼稚園のときに解約してしまった。いまは上の子の学資保険もない状況です」
というのはフリーランスなので、いつまで働けるか、かせげるかわからない。自分の収入が一番リスクが高いというのは自覚していますので、収入が減ったらどれかを解約し、解約返戻金で残りの保険料を払おうという考え方で小分けにしているわけです。100万円でも150万円でも、その保険会社の最低単位で小分けにして入ってもよいでしょう。とにかく500万円１本というのはＮＧ！
『共働きだから平気』と言っていても、妻が仕事をやめてしまい払えなくなるケースはたくさんあります。将来、高額の学資金がほしいのはわかりますが、払いきれないと意味がないので、やはり分けて入ることは大事なのです。
Ｒさんは、なぜ払えなくなったのでしょうか。初めてお会いしたときは、お子さんが３才と１才のころで、家計が楽なとき。ですが、お子さんが成長して、幼稚園に行き、小学校に上がり、習い事代や塾代がかさむようになって、とてもじゃないけれど払いきれなくなった。最初は保険を担保にして借り入れていたようで、結局、解約したのにほとんど手元に残らないという最悪のパターンです」
というのも先ほどお話したとおり、上の子が大学生になると予想外のお金がかかり、たとえば奨学金を借りていても、貯金はどんどん減っていきます。貯金が目減りしていく中で下の子が大学生になるわけですが、その一方で親たちの老後はより近くなっていきます。そこで貯金を減らすのは、ほんとうに怖い。だから下の子ほど厚くしたほうがよいのです。
さて、あなたのお宅の学資保険はいかがですか？６～７才が学資保険加入の最後のチャンスです。お祝い金や児童手当を貯めて、まとまった額になったら、全保険期間分の保険料を一括で支払う一時払いで加入する方法もあります。保険料はまとめて支払うほど安くなりますから、一時払いだと保険料の割引率が高くなります。もしまだ下のお子さんで加入していなければ、いますぐ検討してみましょう。
ただし保険商品は、そのときによって返戻率が違うので、上の子が入っているから、単純に同じ保険を選ぶのではなく、そのときどきに返戻率のよい保険を選ぶことが大切です。マイナス金利の影響で、売り止めの気配がありますので、先送りにせず、早めに加入を検討してみてください」
『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
その学資保険の入り方はキケン！知っておくべき２つの原則
更新日：2017.10.28
金額の多い保険に入っていれば安心？
「子どもが生まれたら多くの人が学資保険の加入を検討します。児童手当をすべて貯めて、月々1万円程度の学資保険の保険料を支払えば、子どもが18才になったときに400万円貯まりますから、学資保険にはなるべく加入することをおすすめしています。ところが、学資保険はきょうだいがいる場合、１人目は加入しても２人目、３人目は学資金を減らしたり、あるいは加入しなかったりというケースも少なくないよう。
相談者のＲさん（40才女性・息子10才・８才）もそのひとり。Ｒさんは上の子が生まれたときに500万円の学資保険に加入しましたが、『下の子の分は上の子の学資保険でまかなうから入らない』と下の子のときは加入しませんでした。
しかし大学の学費は国公立で約250万円、私立文系で約400万円。それに加えて大学時代は運転免許代や成人式費用、就活費用など予期せぬ大きなお金がかかります。Ｒさんには『500万円では足りないから、下の子の分は別に入ったほうがいいですよ』とアドバイスしたものの、『月々２万円払っている保険料をこれ以上増やせないし、今入っている保険で２人の教育費をまかなうから大丈夫』と言い張ります。
その後、Ｒさんは２万円の保険料が払えなくなり、下の子が幼稚園のときに解約してしまった。いまは上の子の学資保険もない状況です」
できるだけ小分けに入ることがリスクヘッジに
「このＲさんの実例からもわかるように、金額の高い学資保険１本にしぼって加入するというのは、ほんとうに危険なんです。私自身もたくさん保険に入っていますが、全部小分けにしています。というのはフリーランスなので、いつまで働けるか、かせげるかわからない。自分の収入が一番リスクが高いというのは自覚していますので、収入が減ったらどれかを解約し、解約返戻金で残りの保険料を払おうという考え方で小分けにしているわけです。100万円でも150万円でも、その保険会社の最低単位で小分けにして入ってもよいでしょう。とにかく500万円１本というのはＮＧ！
『共働きだから平気』と言っていても、妻が仕事をやめてしまい払えなくなるケースはたくさんあります。将来、高額の学資金がほしいのはわかりますが、払いきれないと意味がないので、やはり分けて入ることは大事なのです。
Ｒさんは、なぜ払えなくなったのでしょうか。初めてお会いしたときは、お子さんが３才と１才のころで、家計が楽なとき。ですが、お子さんが成長して、幼稚園に行き、小学校に上がり、習い事代や塾代がかさむようになって、とてもじゃないけれど払いきれなくなった。最初は保険を担保にして借り入れていたようで、結局、解約したのにほとんど手元に残らないという最悪のパターンです」
学費の準備は下の子ほど手厚くが、大原則です
「学資保険に加入しないのもマズイですが、上の子が400万円、下の子が100万円と下の子が少ないのもマズイ。きょうだいがいる場合、“下の子ほど多く”が原則です。というのも先ほどお話したとおり、上の子が大学生になると予想外のお金がかかり、たとえば奨学金を借りていても、貯金はどんどん減っていきます。貯金が目減りしていく中で下の子が大学生になるわけですが、その一方で親たちの老後はより近くなっていきます。そこで貯金を減らすのは、ほんとうに怖い。だから下の子ほど厚くしたほうがよいのです。
さて、あなたのお宅の学資保険はいかがですか？６～７才が学資保険加入の最後のチャンスです。お祝い金や児童手当を貯めて、まとまった額になったら、全保険期間分の保険料を一括で支払う一時払いで加入する方法もあります。保険料はまとめて支払うほど安くなりますから、一時払いだと保険料の割引率が高くなります。もしまだ下のお子さんで加入していなければ、いますぐ検討してみましょう。
ただし保険商品は、そのときによって返戻率が違うので、上の子が入っているから、単純に同じ保険を選ぶのではなく、そのときどきに返戻率のよい保険を選ぶことが大切です。マイナス金利の影響で、売り止めの気配がありますので、先送りにせず、早めに加入を検討してみてください」
これでお金の不安ともサヨナラ！
もっと詳しく畠中先生のお話を読みたい方はこちら！『サヨナラ、お金の不安』（1200円＋税・主婦の友社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163675
子育て世代が知らずにやっている「お金が貯まらない悪習慣＆行動」を大研究。お金を貯めるのが驚くほどラクになるアドバイスが満載です！
畠中雅子／ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、『どっちがお得？定年後のお金』（高橋書店）など著書多数。
取材・文／池田純子
Profile畠中雅子
ファイナンシャルプランナー
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』（主婦の友社）、コミックエッセイ『結婚したらすぐ考えるお金のこと』（KADOKAWA）など著書多数。
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