コラム

3歳がタイムリミット！自己肯定感が低い子どもにしないためにするべきこと

更新日：2017.10.28

昔から伝わる言葉「三つ子の魂百まで」や、近年提唱される「三歳児神話」の根拠はいったいどこにあるのでしょうか？
近年色々な考え方が討論されていますが、「根拠はない」「勘違いだ」と言われても、「自分の子育ての仕方が間違っていたら…」と不安に思ってしまうこともありますよね。
今回は、この定説と浅からぬ関係のありそうな「愛着障害」の症状や誘因をご紹介していきたいと思います。

愛着障害ってなに？

愛着障害とは、主に乳幼児期に保護者から受けた虐待などのトラウマが引き起こす精神的な障害のこと。
“後追い”や“抱っこ”など、赤ちゃんの発する欲求に対して大人が根気強く応えていくことで深まる絆のことを、心理学では「愛着」と呼びます。
この、母子や父子間で育まれるべき愛着が正常に機能していないまま成長すると、他人も自分も信じられない・頼れない「愛着障害」が生じてしまうのです。

症状はどんなもの？

愛着障害の初期症状には、「パニックやヒステリーなど、感情的になりやすい」「親を含め他者に触れられるのを極端に嫌がる」「親に懐かず、見知らぬ人には積極的にアプローチをする」「注意力が散漫になり、話が通じにくくなる」などが挙げられます。
さらに症状が進行していくと、“抑制型”“脱抑制型”と呼ばれる2つのパターンへと分かれていくことに。

抑制型は「対人関係が極端に苦手」なのが特徴で、「相手の気持ちや言葉を信じられない」「自分の気持ちを表に出せない」といった症状なども現れてきます。
脱抑制型は「広く、初対面の相手にまで過度な愛情要求をする」というケースが多く、「親に対しては無関心を装いながら、他者には深い愛情や理解を強要」「期待が外れてしまうと逆上やパニックを起こす」といった症状が見られます。

一見すると、自閉症などの発達障害の症状にも似ているようにも見えますが、症状の起因が子ども由来のものか、養育者側の問題かで大きく異なっています。
対応を誤ってしまったりたり、遅れてしまったりすると、先々「不特定多数の異性とつながりをもってしまう貞操観のなさ」や「他者との極端な依存関係」、「万引きなどの犯罪行為」といった問題行動を引き起こす場合もあるようです。

3歳までの愛情が大切

愛着障害を発症し始めるのは5歳前後が大半といわれていますが、その礎となる愛着を育む期間は、生後間もなくから3歳までの乳幼児期です。
この期間に、ママやパパ、祖父母など、特定の“養育者”から継続的に十分な愛情を受け、欲求に応えてもらうことが大切になります。
ネグレクトをはじめとした虐待が愛着障害の大きな要因として知られているなかで、ほかにも、中・長期的に養育者が度重なって切り替わる事態（養育者との死別・施設の引き取りなど）も原因のひとつとして注目されています。

一般家庭でも愛着障害は起こりうる！？

日中の家庭内保育が困難で、保育園を利用している家庭においては、子どもと共有できる限られた時間を密度の濃いものにしていくことで十分な親子の愛着を育むことができるでしょう。兄弟・姉妹がいて十分に親の手が回らない場合も同様です。
家事の片手間ではなく、子どもに全神経を向けて向き合える時間を、1日数分から数十分で構わないので作ってみるようにしてみてください。

乳幼児期に保育者との愛着をしっかりと形成できた子どもは、保育園に通っていても、歳の近い兄弟がいても、社会性があり自己肯定感も備わった大人へと成長していますよ。

愛着障害は本人と、身近な人の協力を基に治療し改善できる病気です。もし、先天的な障害は持っていないのに、対人関係でトラブルを起こすことが多いといった悩みを感じている場合は、専門の医療機関へ相談してみてくださいね。
なにより、かわいい我が子への愛情は惜しむことなく与え、愛着障害を引き起こさない環境を目指すことが大切。一緒に過ごす時間の長さは愛情の量に比例しないことも、肝に銘じておきたいところです。

＜プロフィール＞
りうな
ライター
2男1女の育児をしながら、ママも子どもも明るく楽に過ごすためのメソッドやテクニックをWEB媒体に発信中。また、育児テーマのみならず、美容やライフハックなど、日々の暮らしに生かせる身近なネタも得意分野。

写真© djedzura - Fotolia.com

Profileりうな

ライター
2男1女の育児をしながら、ママも子どもも明るく楽に過ごすためのメソッドやテクニックをWEB媒体に発信中。また、育児テーマのみならず、美容やライフハックなど、日々の暮らしに生かせる身近なネタも得意分野。

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