白湯の「味」でわかる体調診断
白湯とは、水を一度沸騰させて、不純物を取り除いたあとに冷ましたものです。そのため、味はないと思われがちですが、白湯の味の感じ方によって健康状態がわかるといわれています。
1.甘く感じるとき
白湯が甘いと感じるときは、生理前などでホルモンのバランスが乱れてからだが浮腫んでいる状態です。ほとんどは一過性で、ホルモンバランスが整うと体調も戻ります。しかし、この状態が長く続くときは要注意です。
長期間にわたり、白湯が甘く感じる場合は、脾臓や膵臓に異常がある可能性があります。
2.酸っぱいと感じるとき
白湯が酸っぱく感じるときは、寝汗などで汗をたくさんかいた、目や口、喉が乾いている、乾燥肌であるなど、からだの水分が不足している状態です。血液中の水分量が少なくなっているかもしれません。水分摂取や室内の加湿を心がけましょう。
ただし、腎臓が悪い方や腎臓が弱っている方は、水分制限があるかもしれないので、水分の過剰摂取にも要注意です。
3.苦く感じるとき
白湯が苦く感じるときは、胃酸が出過ぎている、または胃酸が逆流している可能性があります。加齢によって、胃と幽門部の筋力が落ちて、消化不良の食べ物や胃酸が逆流しているのかもしれません。
また、不規則な食生活や、ストレスなどで亜鉛が不足していても苦みを感じます。
4.しょっぱく感じるとき
白湯がしょっぱく感じるときは、緊張状態やストレス過多で、からだが冷えたり、「気」の巡りが悪くなったりしている状態です。
腎臓や膀胱に異常があるかもしれません。まずは睡眠不足や、偏食、暴飲暴食などがないか、生活を見直してみましょう。
5.美味しく感じるとき
白湯が美味しく感じるときは、からだが健康です。冷えやほてりもなく、気の巡りもいい状態です。
日頃からこの状態を保てるよう、生活習慣や食事のバランス、ストレス発散などを心がけましょう。
体調管理には、漢方薬もおすすめ
白湯により、内臓の動きが活発になると、老廃物の排泄促進や代謝の改善が期待されます。しかし、白湯は飲み過ぎるとかえって逆効果になることもあります。
白湯を飲んでも便秘や冷えが改善されない方には、漢方薬で内側からアプローチするという方法もあります。
<便秘や冷えにおすすめの漢方薬>
・大建中湯(だいけんちゅうとう)
腹部が冷え、腸の働きが悪い方に向いている漢方薬です。胃腸を温めて腸の蠕動運動を整えることで、腸内にたまったガスや水分を動かし腹部の膨満感や腹痛、便秘、下痢に働きかけます。
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
便秘がちでのぼせ気味の方に向いている漢方薬です。血流をよくして、からだにたまった熱を取り去ることで、不安やイライラなどの精神症状、のぼせ、便通に働きかけます。
白湯を習慣化して健康管理をしよう
白湯は、水を温めただけの手軽な飲み物ですが、私たちの内臓を温めるだけでなく、心まで癒してくれる飲み物です。
冷えて血行が悪くなると、気のエネルギーも低下しがちですが、白湯で温まることにより、じんわりと緊張がほぐれ、活力も戻ります。
手軽にできる健康方法ですので、ぜひ実践してみてください。
文・監修/薬剤師 相田 彩
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