子どもの水難事故が増える夏。海や川など、水辺のレジャーを安全に楽しむには、ライフジャケットの着用がマストです。子ども用ライフジャケットのおすすめ商品を教えてもらいました。
【教えてくれたのは】グローブライド 佐藤進也さん
グローブライドの主要事業、フィッシングの【DAIWA】にて、ライフジャケットやレインウェアなど様々なウェアの企画を手がける。
子ども用のライフジャケットについてお教えします!
子ども用のライフジャケットとは
海や川に落水したり、足を滑らせて流された際に、体を浮かせて救助を待つための装備のことをいいます。基本的には「救命胴衣」と同じものですが、レジャーシーンでは「フローティングベスト」と呼ばれることもあります。
国土交通省の規格に準じたライフジャケットは、体の動きを妨げないように作られており、7.5kgの鉄片(重り)を水中に吊り下げ、浮かぶ程度の浮力を持っています。この浮力は、顔を水面から出すために必要です。
子ども用ライフジャケットは、基本的には子どもの体格に合わせて大人用の物からサイズダウンして作られおり、体重ごとに必要な浮力を分けているのが一般的です。
体重別のライフジャケットの浮力
・体重15kg未満=浮力4kg以上
・体重15kg以上40kg未満=浮力5kg以上
・体重40kg以上=大人と同じ浮力(7.5kg)
子どものライフジャケットはどんなシーンで使うもの?
国土交通省では、釣り船や小型船舶などに乗船する場合にライフジャケットの着用を義務づけています。安全のために、海遊び、川や水辺での遊びなど、アウトドアレジャー全般でも着用しましょう。
子ども用ライフジャケットの種類は?
子ども用ライフジャケットは、大人用と同じく「固形式(浮力体式)」と「膨脹式」の2種類があります。
①固形式ライフジャケットとは
固形式のライフジャケットは、浮力材に、発泡プラスチックや発泡ポリエチレンなどの固形物を使用しています。形状はさまざまですが、両腕を通してバックルやファスナーなどで固定するチョッキタイプが一般的です。
【固形式ライフジャケットのメリット】
固形式ライフジャケットの大きなメリットは、そのままの状態で一定の浮力があるため、落水してすぐに浮くことです。水中で岩などにぶつかるなどしても、破損して浮力を失う心配があまりない点も安心できるポイント。
軽量で子どもが扱いやすく、比較的安価で購入することができます。
【固形式ライフジャケットのデメリット】
浮力材が入っていることでボディ部分に厚みがあるので、着用時に「動きにくい」と感じることがあるかもしれません。浮力材の厚みのために、汗をかきやすく、蒸れやすいこともデメリットと言えるでしょう。
②膨脹式のライフジャケットとは
浮力体として炭酸ガスなどを使用しているので、通常の状態はスリムでコンパクト。落水すると自動的に、炭酸ガスがジャケット(本体内部)の浮き輪のような気室に注入されて、膨脹します。
自身でひもを引き、ジャケット(本体内部)の浮力体に炭酸ガスを注入する手動式もあります。
【膨脹式のライフジャケットのメリット】
膨脹式のライフジャケットは体に接する面もそれほど多くなく、蒸れたり、暑さを感じたりすることが少ないです。
体への固定は、ウエスト(おなか)についているベルトで行います。ウエスト対応範囲が広く設定されている商品が多いため、成長に伴ってサイズアップして買い替える必要がなく、長い期間使えるのもメリットのひとつ。
【膨脹式のライフジャケットのデメリット】
固形式ライフジャケットに比べて価格が2〜3倍高いです。さらに落水して膨脹するたびに炭酸ガスボンベを交換する必要があるため、コストパフォーマンスがよくないと言えるかもしれません。
また落水時、ライフジャケットが膨脹してから岩や流木など鋭利なものに接触すると、浮き輪のような気室が破損してガスが漏れる可能性もあります。
そのため膨脹式ライフジャケットは、ゴツゴツした岩場付近や川より、周りに突起物のない、岸から離れた沖合で使用するものと言えます。
自動で膨脹するライフジャケットは、水に浸かるとガスが注入されてしまうため、磯遊びや川遊びが中心となる小さな子どもには不向きです。
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