サラダの彩りなどでおなじみのブロッコリーは、いつもスーパーにある野菜ですよね。ですが、産地によって旬の季節が違うことはご存じでしょうか?
この記事では、ブロッコリーの産地や一番美味しい旬の時期、手軽にできるおすすめレシピを紹介します。
ブロッコリーの種類と旬
ブロッコリーといえばこんもり丸い形が一般的ですが、他にも新芽の「スプラウト」や、細長く伸びる品種などいろいろな種類があります。
ここでは、それぞれのブロッコリーの特徴や旬の季節を紹介します。
一般的なブロッコリーの旬
ブロッコリーは涼しい環境を好むので、国産の旬は冬の11月・12月・1月・2月・3月頃です。
夏でも涼しい北海道や北関東周辺では6月・7月・8月・9月・10月など、初夏から夏にかけて多く収穫されます。これらの季節が、ブロッコリーが一番美味しい時期といえるでしょう。
ブロッコリーは主に中国やアメリカからも輸入されており、国産の流通が減る時期をカバーしています。通年安定して手に入るので、値段にはあまり変動がありません。
ブロッコリースプラウトの旬
ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種から出たばかりの「新芽」のこと。
「スルフォラファン」という成分が豊富に含まれ、肥満防止や血行の促進に役立つとされています。
ブロッコリースプラウトは工場内で一年中生産されており、気候の影響を受けないのでとくに旬の時期がありません。
スティックセニョール(茎ブロッコリー)の旬
近年スーパーでもよく見かけるスティックセニョールは、細長く伸びた茎の先に花ツボミがついたブロッコリーです。
中国野菜の「カイラン」とブロッコリーを掛け合わせた日本産の品種で「茎ブロッコリー」とも呼ばれます。茎も花ツボミも柔らかでほんのり甘く、切るのも簡単なので食べやすい野菜です。
各地で時期をずらして出荷されるため通年手に入りますが、なかでも多く出回る旬は秋から初冬の時期と春頃となります。
ブロッコリーの産地
スーパーで一番美味しいブロッコリーを選ぶなら、産地ごとの旬を知っておくのが大切です。
ここではブロッコリーの主な産地と特徴、それぞれの地域での旬を紹介します。
北海道
2021年度の北海道でのブロッコリー収穫量は、27,900tで堂々の全国1位。寒冷な気候の北海道は、暑さが苦手なブロッコリーの栽培にぴったりの産地なんですね。
北海道産のブロッコリーは4月〜10月にかけて栽培されており、出荷量が安定する旬の時期は夏を含む6月〜10月となっています。
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口/令和3年産野菜生産出荷統計
関東
関東地方も全国有数のブロッコリー産地です。埼玉県の2021年度ブロッコリー収穫量は16,000tで全国第2位、長野県の収穫量は11,300tで全国第6位となっています。
埼玉県産や千葉県産のブロッコリーは冬が旬で、11月〜3月頃が出荷のピークです。一方、気候が冷涼な長野県では初夏から秋にかけてブロッコリーの出荷が増え、国内の安定供給に役立っています。
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口/令和3年産野菜生産出荷統計
中部
中部地方では愛知県・静岡県・新潟県(新潟市黒埼地区)などでブロッコリーの栽培が盛んです。
特に愛知県は、2021年度のブロッコリー収穫量が全国第3位と目立っています。
県内の主な産地は、豊橋市・田原市などを中心とした東三河地域です。東三河地域では、収穫時期などが異なる様々な品種のブロッコリーを栽培し、10月〜6月頃までの長い期間、連続での生産を可能にしています。
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口/令和3年産野菜生産出荷統計
四国
四国でブロッコリー栽培が盛んな県といえば、2021年度の収穫量全国第4位の香川県や、5位の徳島県が挙げられます。
ブロッコリーの栽培には冬も温暖で日当たりが良く、年間降水量が少ない瀬戸内海の気候が向いているんです。
四国のブロッコリーは10月〜6月頃出荷されており、出荷量のピークは春の3月〜5月にかけてとなっています。
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口/令和3年産野菜生産出荷統計
九州・沖縄
九州も冬でも温暖な気候を活かしたブロッコリー栽培が盛んで、主な産地は長崎県や熊本県です。出荷量がピークになる旬の時期は、春の3月〜5月頃となっています。
暑いイメージのある沖縄でも、11月〜4月にかけてブロッコリーが栽培されています。沖縄の冬の平均気温は18℃前後と本土の春に近いので、冷涼な気候を好むブロッコリーも栽培しやすいのです。
ブロッコリーの特徴と栄養
ブロッコリーは「野菜の王様」と言われるほど栄養豊富な食材。ここでは、ブロッコリーのルーツや語源、含まれている栄養などを紹介します。
ブロッコリーの特徴
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の野菜で、原種は野生キャベツの一種「カンラン」といい、イタリアで現在の姿に品種改良されたといわれます。
私たちが食べているのは花のツボミの集まりと茎の部分。一つのブロッコリーには数万のツボミがあり、収穫されず成長すると長く伸びて黄色い花が咲きます。
ブロッコリーの英名は「broccoli」で、語源はラテン語で「突起」などを意味する「brocchus」や、イタリア語で「茎」を意味する「brocco」など諸説あります。
ブロッコリーは「木立花椰菜(キダチハナヤサイ)」の和名もあり、これは花椰菜(カリフラワー)よりも茎が高くなるためついた名だそうです。
ブロッコリーの栄養
ブロッコリーは、様々なミネラルやビタミンがまんべんなく含まれる優秀な野菜。主な栄養素は以下のようなものです。
- カルシウム 骨や歯の形成を助け、骨粗しょう症の予防に役立つ
- カリウム ナトリウムの排出を助け、むくみ改善に役立つ
- 鉄分 ヘモグロビンの材料になり、貧血予防に役立つ
- βカロテン 体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を助ける
- ビタミンK カルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症の予防に役立つ
- ビタミンC 抗酸化作用があり、コラーゲン合成に役立つ
小学校受験に出題される?ブロッコリーの季節
小学校受験では身近な野菜や果物について出題されることがあり、ブロッコリーもよく扱われる野菜です。
問題例には、ブロッコリーが春夏秋冬いつの食べ物かを問う「季節問題」や、土の上と土の中で育つ野菜を分ける「種類分け」問題があります。
食卓にブロッコリーが出たとき、家族で楽しく勉強しておくと安心ですね。
ブロッコリーの保存方法
ブロッコリーはあまり日持ちしない野菜です。冷蔵庫にそのまま入れると、数日でツボミが黄色くなって食感もポソポソしてしまいます。
早めに使いきれないなら、劣化を防いで保存するのが重要。ここでは、ブロッコリーの保存のポイントを紹介します。
冷蔵保存
収穫後のブロッコリーからは水分がどんどん蒸発しています。冷蔵するときは濡らした新聞紙やペーパータオルで包んで保存袋に入れ、立てて冷蔵室に入れましょう。4〜5日保存できます。
小房に切って袋に入れると使いやすいですが、さらに日持ちしなくなるので切ったら硬めに茹でておくのがおすすめ。茹でたブロッコリーは冷蔵庫で2〜3日保存できます。
冷凍保存
ブロッコリーは、冷凍なら2〜3週間保存できます。小房に切ったブロッコリーを硬めに茹で、チャック付きの冷凍用保存袋に入れて空気を抜き、平らにして冷凍しましょう。
食べるときは自然解凍か流水解凍がおすすめ。一度冷凍したブロッコリーはやや水っぽくなるので、サラダなどに使う場合は水気をしっかり切るのが大切です。
ブロッコリーの下処理方法
ツボミが密集しているブロッコリーは、きれいに洗うのが難しい食材です。意外に火が早く通るので、茹で過ぎる失敗もありますよね。
ここでは、ブロッコリーの下処理を上手に行い、美味しく食べるポイントを紹介します。
洗い方
ブロッコリーのツボミの間には細かいゴミや虫が入っていて、水を掛けるだけではなかなか取れません。
洗うときはボウルに水を溜め、逆さにしたブロッコリーのツボミ全体を浸して15分ほど置きましょう。こうするとツボミのすみずみに水が行き渡るので、そのまま揺すればきれいに洗えます。
ボウルがない場合は、小房に切ったブロッコリーと水をポリ袋に入れて15分ほど浸し、袋ごと振って洗う方法でもきれいになります。
茹で方
硬いイメージのブロッコリーですが、実は茹で時間は2〜3分でいいんです。茎も、花蕾より30秒ほど長く茹でればきちんと火が通ります。
美味しく茹でるポイントは、たっぷりのお湯に濃度1%の塩を加えること。ブロッコリーを入れても温度が下がりにくいので食感が保たれ、適度に下味がつきます。
1.5Lのお湯に塩大さじ1杯が目安です。水っぽくならないよう、茹で上がったら水にはさらさず、お湯を切ってそのまま調理しましょう。
レンジで加熱する方法
ブロッコリーの栄養を逃さず加熱するなら、おすすめはレンジ加熱です。
小房に切ったブロッコリーをサッと水にくぐらせ、耐熱皿に並べてラップをし、600wの電子レンジで加熱しましょう。ブロッコリー半株なら2分、ひと株なら3分が目安です。
茎を菜箸などで押し、柔らかくなっていれば大丈夫。少し硬いならもう30秒など、短時間の加熱を重ねてみてください。
ブロッコリーのレシピ紹介
アクの少ないブロッコリーは、そのまま生で食べても加熱しても美味しい食材。
味付けをシンプルにすると独特の優しい風味を活かせます。ここでは、ブロッコリーの使い方が広がるおすすめレシピを紹介します。
生ブロッコリーのサラダ
生のブロッコリーを香味野菜などと合わせ、手作りドレッシングで和えたオシャレなサラダです。
ブロッコリーを生で食べるのは、アメリカなど海外では一般的なことだそう。適度な歯ごたえがあり満足感も高い一品です。
*yuko*(曽布川優子)さんのアイデア
生だからおいしい〜ブロッコリーのサラダ
材料 : ブロッコリー / パクチー / 紫玉ねぎ / ナッツ / ドライベリー / a赤唐辛子 / aレモン汁 / aオリーブオイル / a塩・コショウ / aはちみつ
ブロッコリーを茹でずに 生のまま茎と一緒に刻んで
香草やナッツと共に和える、生ブロッコリーのサラダです。
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ブロッコリーソースのパスタ
ペーストしたブロッコリーをパスタに和えた、優しくまろやかな味のメニューです。
口当たりが柔らかいので、ブロッコリーの独特の食感が苦手な人にもおすすめ。カリッとした具材をプラスすると、歯ごたえに変化があっていいですね。
maruri_7さんのアイデア
♪ランチやディナーにブロッコリーペーストのパスタ♪
材料 : パスタ / ブロッコリー / オリーブオイル / 塩こしょう / パン粉 / ベーコン
ブロッコリーのペーストのパスタです(^^)
空炒りしたパン粉、カリカリベーコンなどの食感も楽しめます。
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スティックブロッコリーのデリ風サラダ
まるでデパ地下デリのような、スティックセニョールを使ったサラダです。
彩りが良いのでおもてなし料理としても活躍します。スティックセニョールの食べ方を迷っている人に試してほしいレシピです。
tomocoさんのアイデア
チキンとブロッコリーのデリ風サラダ
材料 : 鶏胸肉 / ブロッコリー(スティック) / ゆで卵 / A 水 / A 塩 / 生姜の薄切り / B マヨネーズ / B ニンニクのすりおろし / B 醤油 / B 塩 / 黒こしょう
家庭菜園でスティックブロッコリーを収穫したので、茹で鶏やたっぷりの卵と和えてサラダにしました^^
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ブロッコリーの旬を知って美味しく食べよう
涼しい環境を好むブロッコリーは、冬の間は温暖な地域で、夏の間は北海道や長野県など冷涼な地域で旬を迎えます。
いろいろな栄養が含まれているので、常備しておきたい頼れる野菜です。スプラウトや茎ブロッコリーも使えば料理のバリエーションを増やせます。
毎日投稿される暮らしニスタのレシピも、ぜひ参考にしてくださいね。
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