家を建てるとなると、当然ながら家を建てる土地が必要になります。
土地を入手するにはもちろん土地代が発生しますが、実際には、土地代の他にも意外な出費がかさむことも。
あとで「しまった!」と後悔しないために、土地を入手するにはどういう事を頭に入れ、どんな出費もありえるのかをまとめてみました。
あせって先に土地を買ってしまうのはNG!
家づくりをスタートするときに、まず大前提となるのが、どこに家を建てるか? つまり、どの「土地」を選ぶのかです。いま住んでいる家を建て替えるケースや、実家の敷地内に新居を建てる場合は別として、まずは「土地選び」から始めるかたも多いでしょう。ただし、家のプランや予算を立てる前に、先に土地を買ってしまうのは避けてください。土地優先で話を進めてしまうと、土地に予算をかけすぎてしまい、家づくりにまわせる予算が少なくなって、希望のプランや仕様をあきらめなくてはならないケースが出てくるからです。土地を買う前に、家づくりにかけられる予算と、住みたい家のイメージをできるだけ明確にしておきましょう。
ところで、土地探しをするときどんな基準で選びますか? 「最寄り駅が夫の勤務地の沿線」「駅から近い」「商店街やスーパーが近くにある」「公園に近くて緑が多い」など、立地条件や周辺環境を第一に考えるかたもいるでしょう。でも、そういった条件にこだわるあまり、変形地や狭小地を選んでしまったケースでは、理想のプランが実現できなくなることもありえます。実際に生活するのは、〝土地の中〟ではなく〝家の中〟です。自分たちが住みたい家——それを実現できる土地を選ぶ。という視点も忘れないでください。
土地代は「公示価格」を目安にしましょう
広さも条件もほぼ同じような土地でも、エリアによって価格はまったく異なります。そこで、土地を選ぶときに参考になるのが「公示価格」です。「公示価格」は土地の取引価格の相場がわかるもので、毎年3月下旬に国土交通省から発表されます。ただし、実際は同じエリアでも、広さや形、面している道路の幅や向き、道路との高低差などで差がでますので、「公示価格」はあくまで目安として考えておきましょう。
土地探しで気をつけたいのは、相場より安い敷地です。土地に限った話ではありませんが、安いものには必ず理由があります。たとえば、擁壁で補強した高低差のある敷地では、一見、古くて丈夫そうな擁壁でも、構造計算書がないと危険とみなされ、建物の基礎工事や擁壁の改修に費用がかかることも。また、敷地内に防空壕や井戸、古家の基礎など地中障害物があった場合も、想定外の処分代がかかります。相場より安いと感じる敷地を見つけたら、「ラッキー!」と飛びつく前に、なぜ安いのか、その理由をきちんと追求しましょう。
土地の立地条件次第で工事費がアップすることも!
工事が始まると、職人さんや資材運搬用の車がひんぱんに出入りすることになります。こうした車が駐車できる道路幅があって、道路から敷地への出入りがスムーズにできれば問題ありませんが、そうではない場合は、工事費が余計にかかる可能性もあります。たとえば、敷地と前面道路に高低差があるケースでは、資材の運搬が手持ちになるため、手間や時間がかかることに。また、車が駐車できない道路の場合は、近くに駐車場を借りなければならず、そのぶんの費用が必要になります。敷地の立地条件が建築コストを左右することも覚えておきしょう。
敷地調査費は5万~10万円が目安
正確な敷地測量図がない場合は、設計前に敷地調査を行います。敷地調査では、土地の測量をして、土地の大きさや高さ、隣地との関係や道路との接道状況を調べます。さらに、その土地に建てられる建物の用途や大きさを規制する用途地域や、北側の隣地や前面道路との関係で建物の高さに規制がかかる斜線制限の有無、防火地域などの規制があるか、前面道路の幅が4mに満たない土地では、敷地の境界線を後退させるセットバックが必要かなど、法的調査も行います。費用は5万~10万円程度です。
家屋調査が必要なケースでは10万円の費用が発生
古い家の解体工事や、建築工事を行うことで、近隣に影響を与える可能性がある場合には、着工前に隣家の家屋の状態などを調べて写真に撮っておくなどする家屋調査を行うことをおすすめします。工事が始まったあとに、隣家に破損個所が見つかった場合に、それが解体工事の際に生じる振動などが原因によるものなのか、工事が始まる前からあったものなのか、着工前に撮影した写真で確認できます。調査は補償コンサルタントに依頼して、費用は約10万円が目安になります。
新しく水道を引く場合、3万~40万円の負担金がかかる場合もあります
家を新築して、新しく水道を引くときには、「水道加入金」(または「水道施設負担金」「水道分担金」ともいいます)と呼ばれる費用を払わなければならない自治体があります。基本的には水道メーターの口径によって金額が異なり、13ミリで3万~10
万円、20ミリで4万~20万円、25ミリで12万~40
万円程度です。ちなみに、東京23区などでは水道加入金の制度がありません。水道負担金は、給排水の本管から敷地内に水道を引き込むための工事代とは別のものなので、注意してください。
地盤調査の費用の目安は3万~8万円
耐震性の高い丈夫な家を建てるためにも、建築前にはかならず地盤調査を行うことをおすすめします。地盤の地耐力や地質を調べて、地盤改良の必要がないかどうかを検討するための調査で、建物の構造を決めるためにも必要な調査になります。試験方法によっても費用が異なりますが、3万~8万円ほどかかります。
地盤改良費にはナント100万円程度かかる場合も
地盤調査を行った結果、改良が必要となった場合には、地盤改良費がかかります。基本的には、軟弱地盤の深さが深く、建物の底面が大きいほど費用が上がります。また、道路から重機が入りやすいかどうかによっても費用が異なります。
造成地などに多く見られる表面だけが弱い地盤の場合、弱い部分の土にセメントの粉を混ぜる「表層改良」という方法を行います。「表層改良」は比較的工期も短く、費用も安くなります。軟弱な地盤の深さが、地表から5mぐらいまでの場合は、セメントを混ぜた土を柱状に入れて建物を支える「柱状改良」を行います。ほかにも、かたい地盤(支持層)に達する深さの鋼管支持杭を打つ方法や、杭外周の摩擦力で建物を支える方法などもあります。このように、地盤の状況と工法によって、費用は大きく異なりますが、100万円程度かかるケースもあります。
まとめ
土地には盲点とも言える、意外な出費がありえます。
土地を選ぶときには、土地代意外にかかわる出費がありえることをぜひ念頭においてください。
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