土地探しは、家づくりの大切なファーストステップです。
理想通り、理想以上のマイホームを手に入れるためにも、妥協しない土地選びを実現させたいもの。
そこで今回は、土地探しのための情報収集の方法をご紹介します。
≪Advice≫不動産業界出身、工務店3代目社長 古橋裕一さん
相陽建設株式会社代表取締役。
大学卒業後に大手不動産販売会社に勤めたのち、同社に入社。
「建設業はサービス業」を信念に、まごころのある家づくりを実践。
著書に『土地に住みますか 家に住みますか』(日本建築出版社)がある。
相陽建設株式会社 http://www.soyo-inc.co.jp/
土地探しのための情報収集の種類について知りたい
まずは土地探しのための情報収集にはどんな方法があるかをご説明します。
インターネット
一番手軽な方法は、なんといってもインターネット。
好きなときに好きな場所で最新情報をチェックできるという点において、この方法に勝るものはありません。
神奈川県相模原市で建設業を営む、相陽建設株式会社社長・古橋裕一さんもオススメの方法としています。
最近の傾向としては、土地探しにはインターネットのみを利用する人も増えてきているのだとか。
「チラシや情報サイトといった“昔の時代の名残”は思い切って捨ててしまってもいいと思います。
そのほうが時短にもなりますし効率よく探せますからね。
利用するサイトは、大手が運営するポータルサイト一本にしぼっても十分。
見やすいサイトを選ぶといいと思いますよ」。
不動産業者に直接尋ねる
古橋さんがすすめるふたつ目の方法がコチラ。
「自分の生活スタイルに合った家づくりを実現させるためにも、土地のことだけ考えるのは避けたいところ。
自分たちにとっての理想の生活を考えることからスタートして、土地にかけられる予算なども鑑みた上でアドバイスしてもらえたらいいですね」。
店頭の貼り紙
昔ながらの情報収集法の筆頭として挙げられるのが、不動産業者のウインドーに貼られた貼り紙をチェックすること。
お目当てのエリアがあるなら、そのエリアを歩いている際に、目に入った不動産業者のウインドーが気になることはきっとあるはず。
チラシ
ポストに投函されたり、新聞広告に挟まれていたりするチラシも、土地探し中には気になって当然。基本的には、見学に行きやすいタイミングを狙って、金曜日や土曜日に投函されます。
情報誌
駅やコンビニ、スーパーマーケットのラックに設置されたフリーペーパーも、有力な情報源のひとつ。
スマホやパソコンがあまり好きではなく、移動中はもっぱら本を読んでいるというアナログなタイプにはうれしい情報源といえるでしょう。
それぞれの情報収集法にはどんなメリット/デメリットがある
次に、それぞれの情報収集法のメリットまたはデメリットを考えてみましょう。
インターネット
メリット
インターネットで検索することのメリットは、24時間いつでもチェックできること。
しかも、チラシや情報と違い、情報の更新が容易なため、新しい情報がどんどんアップされています。
デメリット
PCやスマホ操作が苦手な人は、情報検索そのものが億劫ということもあるかもしれません。
不動産業者に直接尋ねる
メリット
担当者に希望を伝えておけば、いい物件が出た際にいち早く連絡をもらえるというメリットがあります。「いい物件と出合うためには、いい担当者に出会うことも有益。気さくに相談に乗ってくれて信頼できる人を見付けられるといいですね」と古橋さんからアドバイス。
デメリット
相性のいい不動産業者に出会えるまでに時間がかかる場合もあるかもしれません。
店頭の貼り紙
メリット
インターネット同様、情報更新があった際に新しい情報をすぐ出すことが可能。
デメリット
インターネットと違ってタイムラグが生まれるため、気になる貼り紙についての詳細を尋ねようとスタッフに声を掛けたら、「その物件は売れてしまいました」と言われることもなきにしもあらず。
少しでも気になるものがあれば、早めに物件の動向を尋ねましょう。
チラシ
メリット
特定の物件のみを紹介しているタイプと、その地域にある物件を複数掲載したオムニバス版があり、後者はその地域の相場を知るのに役立ちます。
また、前者はより細かい点まで記載されているため、興味深い内容であることが多いです。
デメリット
基本的に地域ごとに配られているため、離れた土地の情報は手に入りにくいです。
情報誌
メリット
地域ごとの相場や売れ筋などをチェックできることは大きな利点です。また、インターネット検索では出合えないような思わぬ物件に出合えることもあるかもしれません。
デメリット
発行頻度が決まっているため、最新の情報には対応できていないのが難点です。
土地探しを始めるまえに知っておくべき情報は?
本格的に土地探しを始める前に登録しておくと便利なのは、不動産ポータルサイトのメール情報サービスです。
希望条件をチェックしておくと随時新着情報が届くので、まださほど急いで探していないという段階でも、登録しておいて損はなし!
むしろ、そういった段階であってもすごく気になる物件に巡り合えたら、それこそ運命の出合いかもしれません。
土地探しで集めた情報をどんなふうにまとめればいい?
気になる物件が出てきたら、インターネットの場合、アドレスをお気に入りに登録するのはもちろん、該当ページをプリントアウトして比較するのもよし。
また、それぞれの情報源が異なるため規格が統一化されていなくて見にくいなら、もっとも見やすい物件情報を見習いながら同じ状態に整理していくのもあり。
例えば、wordやpower pointを使って、以下のような手順で物件情報シートを作るのもいいでしょう、
- 気になる物件の住所や交通の便などを入力する
- 周辺情報、敷地図などの画像データを貼りつける。周辺地図は、googleマップなどを利用。
- 敷地図が用意されていない場合には、公開されている情報からわかる範囲で土地の条件を文字として入力する。価格、面積、用途地域や都市計画などの情報を書き出す。さらに、よいと思っている点や気になっていることをメモするのもあり。
- 仲介業者名と連絡先を入力する。担当者がいるならアドレスなども。
実際に現地を見学する際は、この情報シートを持参して、そこで発見したことを手書きすると、後々見返したときに思い返しやすいのでおすすめです。
土地探しのための情報収集のコツを知りたい!
「土地探しのための情報収集において大切なのは、なんといっても“待つこと”です」と古橋さん。
「土地との出合いは結婚と同じ。
ご縁なんです。よい土地と巡り合えるまでじっくり待つのが一番。結婚だって、早く結婚できたから幸せとは限らないし、あのときあの人と結婚しなかったか今の旦那さんと巡り合えて幸せということもありますよね」。
理想の家がなかなか見付からず、焦りから妥協したくなる気持ちはわかりますが、一生もののマイホームを手に入れるためにも、「じっくり待つ時間」を大切にしましょう。
土地探しの情報収集において気を付けるべき点、注意点は?
土地が見付からなければ家を建て始めることはできませんが、かといって、どんな家を建てたいかをまったく考えることなく土地探しをスタートするのは絶対ダメ。
「生活をする空間は家なのですから、まずはどんな空間で生活したいかを考えることは大切です。
事実、土地探しからスタートして失敗したというケースもあります」と古橋さんも苦言を呈します。
また、建築にかかる費用がおおよそでも見えていると、逆算で土地にかけられる金額が出るので、「実際に購入可能な土地」がわかりやすくなります。
土地探しの情報収集における体験談が知りたい!
体験談① 静かな土地だと思っていたのに、いざ暮らし始めたら平日の通学時間・通勤時間はすごくうるさかった
↓
こうした失敗を避けるためには、気になる土地を見付けた際、時間帯や曜日を変えて何度か現地に赴くことが大切です。
「勇気があるなら、現地で近所の人を見付けて、『このあたりは住みやすいですか』と訊くのが一番手っ取り早いし確かです」と古橋さん。
何度か通っても気付けなかったネガティブポイント、ポジティブポイントも、その土地に住んでいる人なら知っていて当然。できることなら、一人ではなく複数人に声を掛けるといいかもしれませんね。
体験談② 飼い犬とともに新居に引っ越したところ、近所に動物嫌いな人がいてイヤな顔をされる日々で困っている
↓
体験談①と同様、その土地に住んでいる人でないと知りえないのがこうしたパターン。
動物嫌いな人が完全にゼロな土地を探すのは難しいかもしれませんが、せめて、大切なペットが暮らしやすい環境であるかどうかは事前にチェックしたいもの。
気になる土地が見付かったら、通学路・通勤コースとなる道の他、ペットの散歩に利用するであろう道を歩いてみるのも一手。
その際、ペットとともに散歩中の人とすれ違ったら、話を聴いてみるのもいいですね。
体験談③ 気になっている土地があったが、いざ仲介業者に話を聴きにいったところ、感じが悪い上に、どうも信用できない気がする
↓
「インターネットから入っても、最終的には人と人とのふれあいです。
相性の悪い担当者とでは、いい土地に巡り合うことは難しいです」と古橋さん。
ただし、最近では悪徳業者がいたとしたらすぐにインターネットで叩かれるため、信用できる業者であるかどうかは、検索してみるとわかることがほとんどです。
また、業者が言っていることが正しいかどうかを見抜くためにも、不動産購入に関するセミナーなどに参加して知識を得るようにしてください。
住宅展示場などでも不動産に関するセミナーを開催することがあるので、気になるイベントがあるときは気軽に足を運んでみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
土地探しの情報を収集するためには、さまざまな方法やポイントがあることがわかりました。
とはいえ、すべて試すとなると時間的にも相当かかるので、まずは古橋さんのおすすめに従って、インターネットで探すところからはじめてみるのがよいかもしれません。
また、いい物件に出合えるまでじっくり待つことができるよう、早めに行動を開始するのも吉。近い将来、マイホームを手に入れたいなあとぼんやり考えている程度でも、理想の条件をあげてみて、その条件をもとに新着物件情報を受信できるよう登録しておくのもいいかもしれませんね。
★おしゃれな注文住宅を建てたい方はこちら
あわせて読みたい記事はこちら
2018.02.02家づくりのサイトでよく目にする「ローコスト住宅」というワード。興味を持ったかたも多いのではないでしょうか。ここでは「ローコスト住宅とは?」という基本のキの話から、ローコスト住宅を建てるときに知っておきたいこと、ローコスト住...続きを見る
2015.12.03家づくりのために必要な準備するべき「頭金」の計算方法を解説します。 頭金の計算方法1.将来の住居費にあてられる金額を出す今の家計から、将来ローン返済にあてられる年間の金額を計算します。基本は「現在家賃として払っている費用」...続きを見る
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます