松原さん宅(東京都)の間取り事例
社宅が満期になるのをきっかけに、家を持つことにした松原さん。12歳と6歳の息子さんが大きくなったときに親とほどよい距離感を保てるようにと、一戸建てで家づくりをすることに。「建売や注文住宅のモデルハウスも見て回りましたが、どこか味けなく感じて。中古住宅を自分たちらしくつくりかえるほうが、新築以上に価値があると感じたんです」とご主人の正人さん。息子さんの転校を避けるため、近隣で物件をリサーチ。そこで出会ったのが、見晴らしのいい高台に立つ築11年の一軒家でした。中古物件だからこそ条件のいい立地で探せたと話します。
木のあたたかみと家族のつながりを感じられることを大切に考えた松原さん。和室があった1階は壁をとり払ってオープンなLDKにし、キッチンは階段に向けて配して、2階に上がるお子さんとふれ合えるように。柱には塗料を使わず、自然の味わいが生きるようにしました。「ウッドデッキから桜をはじめ美しい木々を眺めるのが楽しみです」と奥さまの真弓さん。新しい住まいで家族全員がのびのびと過ごしています。
1F LDK
木の色がすがすがしさを添える広々としたLDKを実現
既存の廊下や和室の壁をとり払ったオープンなLDK。木肌の質感をそのまま残し、すべての収納扉をシナ合板にすることで、明るさと一体感を出しています。
解体後、既存の梁の状態がよいため、天井高を上げて梁を見せることに。開放感が生まれ、あらわしの梁がアクセントになっています。
さまざまなタイプの収納スペースをつくり、すっきりとした住まいに
LDKにはタイプの違う収納スペースをつくり、日用品をしっかりしまえるよう計画。天井まである扉つきの棚にはDVDや本を収納。
階段下の空洞を収納スペースに。蹴込み板をなくすことで視線が抜けるようにしました。
1F DK
点在する柱に趣があるDK。中央の柱にすじかいを入れて、空間をゆるく仕切っています。床は穏やかな色のナラ材にし、落ち着いた印象に。
1F キッチン
家具のようになじむナチュラルな色みのアイランドキッチン
キッチンカウンターでは朝食やおやつなどの軽食をさっととれて便利。家事をしながら家族と会話を楽しんでいます。
キッチンは立ち上がりのない開放的なデザイン。ほかのスペースと同じ素材を使い、統一感をもたせました。(上)油が飛ばないようコンロ前に耐熱強化ガラスのパーティションを設置。
食器やカトラリーはもちろん、ゴミ箱も扉の内側に収納。すっきり見えるように。
フルオーダーで造作したキッチン。引き出しの高さはすべて、コップや鍋など持っているものに合わせて決めていきました。
キッチンの壁は、料理が映えるよう、「ポーターズペイント」の和風色の塗料「灰桜(はいざくら)」でペイント。やさしい印象が生まれました。
1F ウッドデッキ
2つの窓をつなぐようデッキを配して回遊できるように
ぐるりと回れるよう、2つの掃き出し窓を結ぶようにウッドデッキを配置。窓から桜が望めるため、今から春になるのを楽しみにしています。
1F 洗面室
グリーンのタイルがアクセントになっています。天板の素材は木にこだわり、ナチュラルな雰囲気をアップ。
1F トイレ
「LIXIL」のシャワートイレに入れかえ、小さな手洗いスペースも設置。使いやすさをアップしました。
2F 寝室
2階のバルコニーは素材を一新。床をデッキにするほか、フェンスを金網にかえて、木々が広がる景観を満喫できるようにしました。
外観
外観は落ち着いた印象になるよう、既存部分は濃いグレーの塗料を吹きつけ、増築部は焼き杉を使ってデザイン性を上げました
2F 子ども部屋&手洗いコーナー
動線上に手洗いコーナーを設けて快適に過ごせる子ども部屋に
壁は息子さんが自ら選んだ「ポーターズペイント」の「ケイパー」という色にペイント。落ち着いたムードが生まれています。
壁を少し奥に移動して、長男のくんの部屋近くに手洗いコーナーを設置。2階で過ごすときもすぐ使えるようにしました。
1F 玄関
家族がストレスなく過ごせるよう増築で広めの玄関に
広めの収納スペースが欲しかったため、玄関を増築。扉つきの収納には、靴や日用品をすっきりとおさめています。
2F W・I・C
2階の増築部分はW・I・Cに。季節のものや衣類をしまっています。
DATA
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
140.04㎡(42.36坪) |
建築面積 |
55.53㎡(16.80坪) |
延べ床面積 |
101.80㎡(30.79坪) 1F 54.00㎡+2F 47.80㎡ |
構造・工法 |
木造2 階建て(軸組み工法) |
工期 |
2014年12月~2015年3月 |
本体工事費 |
約1500 万円 |
コンサルティング |
リビタ ☎0800-300-1296(フリーコール) |
設計 |
アラキ+ササキアーキテクツ ☎042-440-3141 |
施工 |
一級建築士事務所 山内工務店 ☎044-833-6070 |
設計者のコメント
アラキ+ササキアーキテクツ 荒木源希さん
1979年生まれ。設計方法論に“Hands-on approach”を掲げ、スケッチや模型のほか、ときに原寸大サンプルをつくることも。
建物の特徴や周辺環境を施主の生活にフィットするようとり入れるのが私たちの役目。既存のつくりは窓から桜が見づらかったため、視線の抜けをつくり、ウッドデッキで庭とつながるようにしました。LDKは開放感を出しながら、すじかいでほどよく仕切る工夫をしています。
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