水に浮くコンクリートがあるのをご存じでしょうか? セメントの中にスポンジ状の気泡を作って軽量化したコンクリートがALC。コンクリートの丈夫さと軽さを兼ね備えた外壁材なのです。
ALCとは?
ALCのAはAutoclaved(高温高圧蒸気養生された)、LはLight weight aerated(軽量気泡の)、CはConcrete(コンクリート)の意味。つまり、高温高圧で蒸気養生された軽量気泡コンクリートのこと。旭化成の「パワーボード」と聞くとピンとくる方も多いのではないでしょうか。
外壁材として用いられるALCパネルは、金属網を入れて補強したものです。
主成分は、けい石、セメント、生石灰、石膏、発泡剤となるアルミニウム粉末などで、これらを固めて180℃の高温、10気圧の高圧の蒸気をかけて約10時間養生して作られます。
ALCの歴史
ALCは、1920年代にスウェーデンで開発され、1930年ごろに同国で工業生産化。その後、ドイツ、オランダなどでも製造されるようになり、旧ソ連やヨーロッパ北部で普及。寒冷地域では、軽量で工期を短縮でき、断熱性に優れるALCの特性が重宝されました。
日本へは、1960年代に導入され、大手建材メーカーによって日本の風土や建築事情に合う研究開発が加えられた結果、重要な建築材としての地位を獲得しています。
ALC外壁の特徴
メリット
○コンクリートに比べて軽量
内部に気泡があるALCは、コンクリートより軽量で4分の1程度の重さ。施工時の取り扱いがその分、楽になります。
○断熱性に優れている
熱伝導率はコンクリートの約10分の1。ALC内部の空気の層が断熱材となって、夏は涼しく、冬は温かい室内にすることができます。
○耐火性に優れている
炎や熱に強く、燃えにくい上、有害物質が発生しない利点があります。火事の際に、隣家からの延焼を防ぐ役割を果たします。
デメリット
△防水性に難あり
内部に気泡があることにより、水が浸透してしまう弱点があります。そのため、施工時は、防水性の高い仕上げ材で塗膜を作って防水性能を上げ、定期的なメンテナンスを施す必要があります。
△他の外壁材に比べて高価
他の外壁材に比べてコストはかかる傾向にあります。ただし、コンクリートより軽量なので、工期を短縮して人件費を抑えられる面はあります。
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外壁材として用いられるALCパネルには、大きく分けて2種類あります。
〈厚形パネル〉
厚さが75mm以上のパネルで、おもに鉄骨造の住宅や高層ビルなどに使われます。
〈薄形パネル〉
厚さ35mm以上75mm未満のパネルで、おもに木造住宅や低層の建築物などに使われます。
サイディングとの違い
いずれも外壁材としてパネル状に加工されたものですが、ALCが軽量気泡コンクリートであるのに対し、サイディングは窯業系、金属系など、さまざまなものでできています。
また、ALCパネルは薄形でも35mmの厚さがありますが、サイディングの場合、14mm、16mmなどが使われています。
サイディングと特徴を比較してみた場合、ALCパネルは色・質感などのバリエーションでは劣る反面、断熱性で優位と言えます。
ALC外壁の補修・メンテナンス
外壁材のALCパネルは、防水性を高めるための塗膜で水の侵入を防いでいますが、塗膜が劣化すると、外壁そのものが劣化する原因となります。塗膜の塗り替えのタイミングは、施工後10年が目安といわれています。
また、ALCパネルは、サイディング同様にパネルどうしをつなげて壁面にしていく施工法ですから、つなぎ目の劣化にも注意を払う必要があります。つなぎ目に使われるゴム状の素材(シーリングやコーキングと呼ばれる)も劣化が劣化したら、補修をおこないます。
ALCパネルの補修・メンテナンスは、サイディングに比べてコストが割高になる傾向にあるようです。
ALC外壁の施工法
壁面に胴縁と呼ばれる板を入れて空間を作り、空気の通り道を確保したうえで、ALCパネルを取り付けていくのが、比較的多い工法です。
まとめ
ALCパネルは、軽量で断熱性に優れた外壁材。防水面に弱点がありますが、定期的なメンテナンスを怠らなければ、50年程度はもつともいわれるほど耐久性も優秀。費用は高めとされるものの、検討の価値はあるのではないでしょうか。
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記事作成協力:株式会社北九州住宅診断研究所
http://jyutaku-shindan.com
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