中山さん(神奈川県)
心ついた頃からカントリーテイストのインテリアが好きで、外国の雑誌で見るようなおしゃれでかわいい家に憧れていた奥さま。10年ほど前からアンティークに目覚め、ブレッド缶やホウロウのキッチンツールなどを少しずつ買い集めていました。
「日本のインテリア雑誌も好きでよく見ていたのですが、いつも目にとまる家は、同じビルダーが建てた家。タイル貼りのキッチンや梁天井、格子窓にアーチの垂れ壁など、私が憧れていた家そのもので、いつかここで家が建てられたらいいなと思っていました」
そうこうしているうちに中山家に家づくりの計画が浮上。
「ママが憧れるハウスビルダーがあることは家族全員が知っていたから、そこで建てよう!と、家族の意見はすぐに一致しました」とご主人。
そうはいっても家は大きな買い物。アレルギーのあるお子さんのこともあり、自然素材が売りの他社のモデルハウスもいくつか見て回ったそう。「私の憧れのハウスビルダーも本しっくいや無垢の床材などの自然素材を使っていたのですが、品質や素材感など、どれをとってもほかより上で。アンティーク部材の使い方も、ほかとはまったく違うことがすぐわかりました」。他社を見て回ったことで、憧れが確信に変わったといいます。
そうして始まった家づくりはワクワクの連続。「完成したお宅の内覧会に足を運んでは、家族で夢をふくらませていました」。タイルの床や板張りの壁などは、内覧会で訪れたお宅を参考にしたそう。
ダイニングの一角には奥さまのアンティークブレッド缶のコレクションが。「お気に入りを眺めながらお茶できたらいいなと思って、ちょっと贅沢させてもらいました(笑)」
アクセントにとり入れたアンティークの扉やステンドグラスも、おしゃれでかわいい雰囲気に一役買っているアイテム。アンティークの部材が新築の家とアンティーク雑貨の橋渡し役となり、長く大切に住み継がれた家のような心地よさを生み出しています。
の家は、雑貨のディスプレイが映えるんです」。厚く塗られた本しっくいのやわらかな表情や、タイルの微妙な色みや割りつけ、棚やアーチひとつとっても、計算してデザインされていることが実感できるといいます。
奥さまの影響で、長女も、そして長男と次男まで、すっかりアンティーク雑貨好きに。お気に入りのショップには家族そろって出かけ、いつしかお子さんたちも自分の部屋にも雑貨類を飾りたがるようになったとか。「長女は私がディスプレイに迷っていると、的確なアドバイスをしてくれて、頼もしい限りです(笑)」
家づくりを通じて友人の輪も広がったという奥さま。「同じハウスビルダーで家を建てたOGのみなさんとは、インテリアの趣味も同じで、SNSを通じて交流したり、お互いの家を行き来して、インテリアの話に花を咲かせます」
年月を重ねるごとにますますかわいく進化しそうな、中山さんのお宅です。
外観
素焼き瓦の屋根や鎧戸がかわいい、まさに絵本に出てくるような家。「しっくいの壁が年月を経て味わいを増すのが楽しみです」
ダイニング&キッチン
長女も、長男と次男も、料理のお手伝いが大好き。だからキッチンは、みんなで立てる大きな対面カウンターを主役に。
垂れ壁をはさんで、リビングとゆるやかにつながるダイニング。
キッチンは対面カウンター側にシンク、背面にIHヒーターを配置したⅡ型のレイアウト。使い勝手を考慮して、主な収納スペースはオープンに。
ダイニングの一角に設けた、お気に入りのアンティーク雑貨を飾るコーナー。中山家のインテリアの見せ場です。主に東京・国立市の「レッドバロウ」で購入。
キッチン横には、階段下のスペースを利用したパントリーを設けました。
“絵本のような家”の雰囲気に一役買っているのが、格子の上げ下げ窓。ガーランドでかわいくデコレーション。
家族みんなが仲良しで、いつもLDKに集まって過ごしているそう。「リビング内に階段をつくってほしいと言ったのは長女でしたし、長男と次男も家族の気配がするところにいたいというので、階段の踊り場に勉強コーナーをつくりました」
床材を変えてゆるやかにゾーニング。「パイン材の床はやわらかでやさしく、夏はタイルが気持ちよくて。どちらもお気に入りです」
エントランス
玄関を入るとアンティークのドアがお出迎え。ウォークスルーのシューズクローゼットに続いています。
庭にはかわいらしい動物モチーフのガーデンアイテムがたくさん。「子どもたちが動物好きなので、一緒にコーディネートしました」
アプローチには、時を重ねた質感や刻印の文字が味わい深いアンティークレンガを敷き詰めて。
スタディースペース
階段の踊り場につくった、長男と次男の勉強コーナー。「カラーボックスに板を渡した即席デスクです(笑)。以前の家で使っていたもので、これがおさまるようにスペースをとってもらいました」
寝室
長女の部屋。「壁を自分の好きな色にできてうれしかったです」。白い窓枠が映えるパープルの空間に、お母さん譲りのディスプレイセンスが光ります。
ご夫妻の寝室は、壁の1面をブルーグレーにペイント。洋書のような空間に。
微妙に異なるブルーのドア2つは、長男と次男の部屋のドア。壁にはアンティークの窓をはめ込んで室内窓風に。
長男と次男の部屋は将来、仕切ることもできるつくりに。2つ設けたドアの色とリンクさせて、両サイドの壁を2種類のブルーで塗り分けました。
2階のホールから出入りするウォークインクローゼットに、家族の衣類を集中収納。
洗面室&水回り
1階の大部分はひと続きのLDK。その一角に洗面コーナーもつくりました。「キッチンにいながら子どもたちの様子がわかるので、忙しい朝には助かります」。洗面台はツインボウルで広々。
1階トイレには手洗いボウルつきのカウンターを設けて、アンティーク雑貨をディスプレイ。カウンター下にはトイレットペーパーのストックなどをたっぷり収納できます。
脱衣室兼、洗濯コーナー。床のタイルはDKの色違いを選び、雰囲気を変えて。
profile
今回の新築は中山家にとって2回目の家づくり。結婚当初に建てた家が約20年たったのを機に建てかえました。ご夫妻と、21歳の長女、小5の長男、小3の次男の5人家族。3匹の猫と暮らす、仲良し家族です。
DATA
家族構成 |
夫婦+子ども3人 |
敷地面積 |
264.00㎡(79.86坪) |
建築面積 |
72.22㎡(21.85坪) |
延べ床面積 |
130.68㎡(39.53坪) 1F 70.58㎡+2F 60.10㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(枠組み壁工法) |
工期 |
2014年8月~2015年3月 |
設計・施工 |
㈱Sala’s(サラズ) ☎086-250-3800 |
設計のポイント
Sala’s(サラズ) 伊賀千恵さん
「本物感」にこだわった高性能の家づくりをする同社を共同設立し、企画、設計を担当。施主の思いに寄り添ったプランニングに定評があります。
仲のよいご家族で、いつもLDKに集まっているとのことでしたので、ひと続きのLDKを広くとり、垂れ壁などでほどよく仕切りました。常に家族の気配を感じられるよう、お子さんの勉強コーナーをスキップフロア式に階段の踊り場につくり、その下にパントリーを設けました。
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