【Mさん宅(神奈川県)】
子どもの頃からインテリア好きだった奥さま。 当時、お年玉で買ったテーブルにクロスをかけて 自分の部屋につくったカフェコーナーは 新居のサンルームにそっくりだったとか……。 そんな少女時代の夢が実現したお宅をご紹介します。東京・恵比寿のネイルサロン「Log(ログ)」のオーナー夫妻。8歳のHちゃん、3歳のRくんとの4人家族です。
ひとつひとつの“好き”をていねいに積み上げてつくった理想どおりの家
玄関ドアをあけると広がる、おしゃれなフレンチカフェのようなサンルーム。広い玄関を抜けて室内に入ると、そこにはアンティークのドアや室内窓、古材の梁が映える、アンティーク好きの奥さまの“好き”がいっぱい詰まった夢の空間が広がります。
じつは以前は“アンティーク否定派”だったというご主人ですが、「奥さんに連れられてアンティークショップに通ううちに、だんだん感化されました(笑)。この家を建てるにあたって、古いものの味わいや年月を重ねてこそ魅力が増す素材など、奥深さを知り、今はすっかりファンです」
ご主人が経営するネイルサロンのインテリアも、フレンチのアンティークで揃えているそう。
Mさんの家づくりは、設計・施工を依頼することになった「サラズ」との出会いが大きなカギになりました。雑誌でサラズの家を目にしたとき、あまりのかわいらしさに釘づけになったという奥さま。「雑誌を見て、いいなと思うお宅は、どれもサラズの家でした。甘すぎず、ほどよく素朴で大人っぽい雰囲気が私の好みにぴったりで、自分たちの家は絶対ここで建てたいと思っていました」
ご夫妻が選んだ土地は、鎌倉ならではの切り立った傾斜地。その形状を生かして、カーポートとデッキを効果的に設けました。「南側に隣家があるので、リビングとデッキを日当たりのいい西に向けました。デッキはリビングとサンルーム、どちらからも出入りできるので、子どもたちもお気に入り。ランチをしたり、夏にはプールを出したり、家族みんなの大好きな場所です」
アンティークが似合うナチュラルなインテリアを引き立てているのは、本物の素材たち。1階と階段、2階ホールはすべてしっくいで仕上げました。「下地も厚く塗って、ヨーロッパの石積みの家のような雰囲気に仕上げてもらいました。おかげで調湿性も抜群です!」
床は、落ち着きのある幅広のオーク材をセレクト。古材やアンティークの建具、アンティーク加工のアイアンパーツが映える、理想どおりの家ができ上がりました。
Conservatory
【Point】曲線のラインで空間にやわらかさと広がりを
サンルームに続く、のびのびとした玄関
【写真左】塗り重ねたペイントの風合いが素敵なアンティークのドアを収納扉に使い、白を基調にして明るい空間に。
奥さまの少女時代の憧れが現実に
【写真右】「土地が予算オーバーで、サンルームとデッキを削る寸前でしたが、がんばってつくってよかったです(笑)」
内と外をつなぐ玄関脇のサンルーム
【Point】デッキを通ってリビングにつながるドア
床には大理石を敷いて、屋外の心地よさを感じさせる空間に。ドアはデッキに通じます。
Dining & Kitchen
【Point】好きなものが飾れるカウンターの飾り棚
カウンターに立ち上がりをつけて手元を目隠し
【写真左】ダイニングと一体感のあるオープンキッチン。調理中でも散らかって見えないように工夫しました。
おしゃれなフレンチカフェのような食卓
【写真右】どっしりとしたアンティークのテーブルが主役のダイニング。白い格子窓がフレンチっぽさのカギ!
【Point】収納扉に アンティークのドアを使って味わいをプラス
収納力抜群! 1.5畳のパントリー
【写真左】キッチン脇のパントリー。壁でダイニングからの視線を遮りながら、使い勝手のいいオープンスタイルに。
インテリアが楽しめる充実の収納
【写真右】アンティークの扉をアクセントにした収納は、あえて上部をあけて、ディスプレイが楽しめるつくりに。
ママの料理がはかどる コの字型キッチン
【Point】外を眺めながらお料理ができる窓
コックピットのようなコの字型キッチンは、料理好きな奥さまのたっての希望。使い勝手を考えて、あえてコンパクトに。
デッキと ひとつながりの 開放的なリビング
【Point】デッキから光をたっぷりとり込む 大きな窓
【写真左】気候のいい時期は、窓をあけ放ってリビングとデッキをひとつづきの空間に。「光と風がとても気持ちいいです」
本物の素材にこだわったナチュラルキッチン
【Point】古材の梁でヨーロッパの田舎家のような雰囲気に
【写真右】DKはM家の暮らしの中心。「いちばん居心地のいい場所になるよう、本物の素材にこだわりました」
階段もインテリアの一部にとり込んで
【Point】すっきりおしゃれな白い階段
階段をリビングにとり込んで、スペースを有効活用。白く仕上げることで、明るく広がりを感じさせる工夫も。
汚れやすい部分に古材のアクセント
【Point】階段の縁どりに古材をポイント使い
【写真左】古材を全面に使うと雰囲気が重くなって費用もかさむので、部分使いで味わいづけ&コストコントロール。
ユーズド加工を施したアイアンの手すり
【写真右】アンティークの家具や建具になじむよう、使い込んだ風合いに。ディテールへのこだわりが洗練度を高めます。
Living
大人っぽい表情のオーク材のフローリング
【写真左】甘くなりすぎないようにオーク材をセレクト。「リラックス感のある幅広タイプと決めていました」
アンティークの室内窓がおしゃれなリビング
【Point】ダイニングキッチンに光を通す室内窓
【写真右】 DKとの間は壁で仕切りながら、室内窓でほどよいつながり感を。光や風もとり込めます。
インテリアにマッチするテレビボードをオーダー
【写真左】「オーダーはお値段が張ると思ったのですが、市販品と変わらない予算でつくることができました」
ダイニングからお気に入りを眺める幸せ
【写真右】ダイニングに座って目が行く場所に飾り棚を。窓越しならではの雰囲気が、たまらなくおしゃれです。
Sanitary
キャス・キッドソンの花柄が似合う壁
【Point】ブリティッシュテイストの板張りの腰壁
【写真右】「イギリスっぽい雰囲気をどこかにとり入れたくて」。ペールグリーンのペイント&板壁で実現。
ナチュラルで清潔感のある洗面室
【写真左】“常にきれい”を保てるよう、つくり込みすぎずシンプルに。洗濯機は袖壁でさりげなく隠してすっきりと。
Toilet
小さな空間だからこそこだわって
【Point】お客さまのためにゆったりとした手洗いコーナーを
「トイレの手洗いコーナーは、内覧会でおじゃましたお宅でひと目惚れ(笑)。参考にさせていただきました!」。
棚や仕切り壁にのせた古材がアクセントに。
子ども部屋と寝室は さまざまな仕上げで個性を楽しんで
Kid's room
イメージしたのはパリの子ども部屋
Hちゃんの部屋は、白を基調にコーディネート。床は肌ざわりのいいパイン材を選びました。
窓枠や建具で木の素材感を生かして
【Point】男の子の部屋はウッドカラーをきかせて
Rくんの部屋は、窓枠や建具をペイントせずにナチュラルにまとめて、男の子カラーが似合う空間に。
Master bedroom
しっくい壁と白い床で洗練された空間に
寝室のしっくいはフラットに仕上げて大人っぽい雰囲気に。「憧れの雅姫さんのお宅の寝室をお手本にしました」
くぼみを生かしてちょっとしたコーナーに
【Point】お気に入りの品を飾れるニッチ
バルコニーを設けるためにくぼませた部分にアンティークのデスクを置き、奥さまのプチアトリエに。「リセエンヌの寄宿舎のような雰囲気がお気に入り」
外観
木々の緑が映えるピンクベージュの愛しいわが家
【Point】デッキがカーポートの屋根に!
【写真左】外壁もしっくい仕上げ。奥さまの大人かわいい雰囲気をイメージして、淡いピンクベージュの色を
のせました。
【Point】デッキからパパをお見送り
【写真右】カーポート上のデッキは日当たりも抜群。
アンティークのレンガと門扉で味わいをプラス
「階段などの素材は鎌倉市の指定があったので、アンティーク部材を添えてわが家らしく彩りました」
あえてラフに仕上げた ナチュラルガーデン
古い枕木なども生かして、昔からある庭の雰囲気に。ガーデンづくりは主にご主人の担当。「庭ができてからすっかりガーデニングにハマりました(笑)」
Pickup
心地よい住まいを実現するためにMさんが選んだ、こだわりのパーツや設備。暮らしてみて「やっぱりここが好き」「これを採用して正解!」だったポイントをご紹介します。
1㎝角のタイルとフランス製の洗面ボウル
内覧会でひと目惚れしたトイレの手洗い。ホウロウの洗面ボウルと真鍮の水栓金具、1㎝角のタイルでレトロな
雰囲気に。
陶器のスイッチでアンティークテイストに
【写真左】リビングのソファ脇にはアンティーク風のトグルスイッチを。
【写真右】そのほかLDKにはアメリカ製のものを。「見えない部分には汎用品を使って、コストを抑えました」
トイレを彩るフローラガラス
ペアガラスの内側にさらに窓を設置。視線を遮りながらインテリアのアクセントに。「光が入ると、とても素敵です」
収納の扉や室内ドアに使ったアンティークドア
アンティークドアは「パイングレイン」でセレクト。「塗り重ねたペイントや使い込んだ木の雰囲気は、既製品では
とうてい出せない存在感。とり入れて本当によかったです」
アンティークの家具を引き立てる古材の梁
「雑誌で見て絶対使いたいと思っていた」という古材の梁。「昔からある家のような雰囲気が出て、リラックス
できます」
縦長のタイルで甘さをほどよく抑えて
キッチンの壁は、「憧れの雅姫さんのお宅のキッチンをお手本に縦長タイルにしました。ほどよくすっきりしていて
大正解」
DATA. Mさん宅(神奈川県)
設計のPOINT
土地の形状を生かしながら 見せ場のある楽しい空間に
土地の条件から開口部や間取りはおのずと決まったので、限られたスペースの中で、できるだけたくさんの光をとり込み、かつ楽しく過ごせるように、サンルームやデッキを設け、リビングから回遊できる仕掛けをつくりました。
Sala’s(Home Sala)
高気密・高断熱で耐震性にもすぐれた自然素材の家が人気のハウスビルダー。ナチュラルなインテリアコーディネートや外構も評判。
企画・設計 伊賀 千恵さん
フランスやイギリスのカントリースタイルをモチーフに、質感とディテールにこだわった家づくりを提案。施主の思いを最大限にとり入れたプランニングに定評があります。
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
131.64㎡(39.82坪) |
建築面積 |
54.03㎡(16.34坪) |
延べ床面積 |
100.73㎡(30.47坪) 1F 52.71㎡ + 2F 48.02㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(枠組み壁工法) |
工期 |
2011年10月~2012年4月 |
設計・施工監理 |
㈱Sala’s(Home Sala) TEL: 086-250-3800 |
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