【Tさん宅(福岡県)】
子どもの成長とともに手狭に感じた賃貸マンションを離れ、新築を決めたTさん。ご主人の実家の隣の土地を用意し、2年ほど前に家づくりをスタートさせました。「雑誌を読んだり、モデルハウスを訪れたり。じっくりプランニングしているうちに、新築を決意してから2年も月日が流れてしまいました。だからこそ、完成したときのうれしさはひとしお。間取りやインテリアも満足しています」とご夫妻で声をそろえます。
家づくりをお願いした「シャルドネ」とも、今ではすっかり仲良しに。担当の志岐さんに会えば、子どもたちもすぐに飛びつきます。「希望したのは、どこにいても家族の様子がわかり、夏でもエアコンに頼らない、風が抜ける家。昨年12月に完成したばかりなので、まだ夏の様子はわかりませんが、冬は日光がさんさんと降り注ぎ、居心地がいいです」とご主人。あちこちを走り回る双子も、このオープンな家では、どこにいるかすぐにわかります。「以前からわんぱくでしたが、ここに越して拍車がかかりました(笑)」と奥さま。キッチンと水回りをひと続きにした家事動線のいいプランで、ストレスも減ったといいます。
「お出かけ好きだったのに、この家に引っ越してから出かけなくなりました」というくらい、住み心地は抜群。今後は、リビングに薪ストーブを入れて、家の中で一年じゅう楽しめるように計画しているのだとか。「でも、そんなことをしたら、ますます出不精になっちゃいますね(笑)。あとは、リビングの延長でくつろげるウッドデッキをつくる予定。手つかずの庭もどうにかしたいと思っています」。Tさんの家づくりはまだまだ続きます。
Tさん宅の工夫
予算内におさめる工夫
「シャルドネ」の床材はメイプル材が標準ですが、リーズナブルなパイン材にしてコストダウン。シンプルな間取りで間仕切りも減らして、建具や内装にかかるお金も抑えました。
好みのインテリアにする工夫
DKの家具は「シャルドネ」のものをセレクト。ファミリースペースの家具も造りつけにし、統一感のあるインテリアをめざしました。
暮らしやすさのための工夫
オープンな間取りで、どこにいても家族の気配が感じられるように。家事をしていても、子どもの様子がうかがえます。調湿効果が高く、においの吸着・分解もする塗り壁材「ダイアトーマス」を使うなど、健康にも配慮。
1F LDK
玄関ドアをあけるとすぐに広がるLDK。大きな吹き抜けで、実際の面積以上に広く感じられます。2階の子ども部屋には小窓をつけて、遊び心のある演出を。
1F キッチン
給湯器のリモコンやドアホンはニッチにおさめて、廊下の妨げにならないように。「生活感のあるものはできるだけ隠したい」という希望から、レンジは造りつけの棚に収納しています。
1F DK
ステンレスにセラミック塗装の焼きつけをしたシンクは、清掃性がいいのが特徴。キッチンから玄関ドアが見えるので、子どもの帰りがすぐにわかります。
【Point】パイン材の床をリクエストして無理なくコストダウン
「シャルドネの標準であるメイプル材もいいけれど、表情豊かで肌ざわりのいいパイン材の床にしたかった」とご夫妻。結果、無理なくコストダウンできました。
【写真左】ガラスノブは、つかみやすく、デザインもおしゃれでお気に入りだとか。存在感のあるキッチンをアクセサリー感覚で彩ります。
【写真右】「シャルドネのオーダーキッチンはこまかな部分まで配慮が行き届いていて、使い勝手がいいです」と奥さま。カウンターつきで、会話を楽しみながら調理ができます。ワークトップのタイルは5㎝角の大きなものを選んで、甘くなりすぎないように。
1F リビング&和室
【Point】ナチュラルなインテリアになじむ縁の目立たない畳
リビングと同じ壁材を使い、縁の目立たない畳を選ぶことで、和室もナチュラルな雰囲気に。ふすまをなくすことでコストも抑えられました。
奥さまの希望で、リビングの延長に4畳ほどの和室を設置。「洗濯物をたたむスペースとして重宝しています」
【写真左】「家づくりの早い段階で購入を決めていた」という幅3mほどのソファをもとに、リビングの間取りを検討。家族5人が座っても余裕の大きさです。子どもたちは、階段の踊り場からこのソファめがけて飛び降りるのが大好き!
【写真右】階段下のスペースを収納に活用。掃除機などの日用品をしまっています。これでリビングはいつもすっきり。ときには、子どもの隠れ部屋として使われることも。
1F 和室
畳の下部にも収納スペースを。「腰かけるのにもちょうどいい高さで、気に入っています」とご主人。西側には開閉できる地窓をつけて、光と風をとり込めるように。
2F ファミリースペース
子どもたちがのびのびできる明るくオープンな空間
すべての部屋が見渡せる、家の中心ともいえるスペース。天井にはシーリングファンをつけて、空気を循環できるようにしました。アイアンの手すりが空間の引き締め役に。
【Point】造りつけの家具で おしゃれ度アップ&コストダウン
デスクと棚は造りつけに。インテリアに統一感が生まれるうえ、サイズもぴたりと合います。家具も買わずにすんで一石二鳥。
ご主人はパソコンを、3人の子どもたちは勉強をするスペース。「吹き抜けのおかげで、作業をしながらでも階下の人と会話ができて便利です」とご主人。
2F 寝室
【写真左】ご夫妻の寝室から子ども部屋を見たところ。急に呼ばれても、窓をあければすぐに返事ができます。入り口は引き戸にして、扉前後のスペースにもモノを置けるように。
【写真右】夫妻の洋服はウォークインクローゼットにまとめて収納。ここも南北に風が抜けるように設計されているので、大切な衣類を湿気から守れます。
1F 洗面室
【Point】キッチンと水回りはドアをなくしてひと続きに
「孤立している部屋をつくりたくない」という希望から、水回りのドアも排除。結果、動線のいい、家事ラクなプランになりました。
カバザクラ材のキャビネットにモザイクタイルを合わせた、ナチュラルで清潔感のある洗面室。ミラーの奥は収納スペースに。
【写真左】洗面室と廊下の間にある間仕切り用の引き戸は、レールを延ばしてスライドできるようにひと工夫。左手にある洗濯機も…。
【写真右】同じ引き戸で目隠し! 扉1枚で2通りの役割を果たします。「生活感のあるものを隠せてよかったです」と奥さま。
1F トイレ
【写真左】予備のトイレットペーパーやサニタリーポットは、奥まったスペースに隠して。
【写真右】チェッカーガラスがはめられた扉がおしゃれ。「はじめは2階にもトイレを設置する予定でしたが、コストのことを考えて1階だけにしました」。奥さまが雑貨屋さんで購入したというビーズランプがアクセントに。
1F 洗面コーナー
トイレの向かいにある洗面コーナー。朝、ご主人が身だしなみを整える場所としても重宝しています。これで、洗面室の争奪戦もしなくてすみます。
1F 廊下
【Point】リビングと水回りの間もドアのないオープンな間取りに
あわただしい朝も、扉のあけ閉めをしなくていいので便利。来客時は、引き戸を閉めればプライベート空間を隠せます。
リビングから洗面室を見て。北側にも小窓をつけたので、気持ちのいい風が通ります。白い内装やパイン材の床のおかげで、奥まった廊下も明るい印象に。
1F 勝手口
コンクリートの床にカットタイルをちりばめて。味けない印象のある勝手口も、このワンテイクで明るく、おしゃれな空間に。「勝手口は、あるとなにかと便利です」
1F 玄関ホール
【写真左】広々とした玄関ホールでゲストをお出迎え。アイアンの手すりやニッチ、ステンドグラスで表情豊かな空間に仕上げました。床には天然の乱形石材、ソルンフォーヘンを採用。
【写真右】玄関ドアの横にガラスブロックを入れて、採光できるように。光と風を大切にする、Tさんらしい演出です。
1F シューズクローゼット
【Point】たたき側からも玄関ホール側からも出入りできて便利
【写真右】棚板は可動式なので、子どものスニーカーや奥さまのブーツなど、高さがさまざまな靴をシステマティックに収納できます。
【写真左】シューズクローゼットは、のれんで目隠し。出入りもラクちんです。「大容量で、中からも外からもアクセスしやすいシューズクローゼットのおかげで、玄関もすっきりを維持できています」
外観
日本家屋の特徴である、軒を出した和モダンな外観。「夏の強い日ざしを遮るためにつけた軒は、洗濯物の雨よけとしても活躍しています。ウッドデッキが完成したら、軒先でのんびり過ごしたいですね」
わが家のお気に入り
子ども部屋と寝室に室内窓を設置して遊び心をプラス
向かい合わせに設置した室内窓。ここも、光や風の通り道として機能しています。まっ白な壁のアクセントに。
お気に入りの雑貨やグリーンをニッチに飾って
家具が少ない分、飾る場所も限られています。そこで便利なのがニッチ。ステージが決まっていれば、上手に飾れます。
DATA. Tさん宅(福岡県)
設計のPOINT
シャルドネ福岡 志岐 賢剛さん
ご夫妻の希望に合わせ、窓を大きくして、日本家屋に欠かせない軒のある家をつくりました。2階のファミリースペースも広く、吹き抜けを通して会話ができます。また、ニッチのデザインやタイルにもこだわり、塗り壁、無垢材の床、無垢の建具など自然素材をおしゃれに使いました。家づくりは、終わってからが本当のおつきあい。これからも末永くサポートしていきます。
Profile.
1964年福岡県生まれ。大学卒業後、家具メーカーに17年間勤務し、製造、企画デザインや営業を担当。2000年に㈲シルヴァンを設立し、シャルドネ福岡の運営をスタートさせる。
家族構成 |
夫婦+子ども3人 |
敷地面積 |
488.46㎡(147.76坪) |
建築面積 |
87.77㎡(26.55坪) |
延べ床面積 |
124.62㎡(37.70坪) 1F 71.63 + 2F 52.99㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2010年8月〜12月 |
プロデュース |
シャルドネ福岡 TEL: 092-589-2656 |
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