【Tさん宅(千葉県)】
季節で変わる日当たりも知っていたから2階LDに
新婚旅行で北欧を訪問したというTさん夫妻。そのときに見学した、北欧を代表する建築家、アルヴァ・アアルトの自邸に大きく影響を受け、「自分が建てるなら、シンプルでぬくもりのある白い家、というイメージが明確になりました」
奥さまの実家を建てかえての新築だったので、日当たりや風通し、人の往来など、土地の特徴は熟知。2階にLDKをつくるなどの基本プランは、その経験をもとに決めました。
特徴である〝L Dが離れたプラン〟は、「広々とした空間よりも、雰囲気の違う空間を楽しみたい」という思いから。庭の緑が見えるアアルトの自邸のリビングのように、リビングの北側には美しい光の入る窓をつけて植物が見えるようにしました。
外観
白いポストのある入り口から植物の間を通って玄関へ。2階バルコニーがポーチの屋根も兼ねて。
1階 間取り図
【01.玄関】アプローチを歩いてたどり着く位置に雨でもぬれない玄関をつくりたい
最初のプランニングでは、玄関は駐車場側に設け、このポーチのある部分は洗濯物などを干すためのウッドデッキの予定でした。ただ、道路から玄関まで少しアプローチをつくりたかったので、あえてここを玄関に。バルコニーが屋根になって、雨が吹き込まずに便利です。
【02.玄関ホール】玄関収納にはアウターから日用品のストックまで
玄関ホールにあるシューズクローゼットは、靴だけでなく、アウターや帽子、未使用のタオルや歯ブラシのストックなども収納したかったので、たたきに連続させませんでした。出かけるとき&帰ってきたとき、ここでコートや帽子を脱げるのでとても便利です。ちなみに階段下収納には扇風機や暖房機具などを入れています。
玄関ドアを開けると、目の前にあるのがシューズクローゼット。靴箱がいらず、玄関がすっきり。
【03.洗面室】洗面室は浴室と扉で分けて来客も使いやすいように
浴室に隣接させたのは、脱衣室兼ランドリールーム。洗面室は、コスト調整のため1階のみにつくったトイレの対面に設けました。洗濯機を置いたランドリールームと洗面室の間の引き戸を閉めると、洗濯物なども隠せ、来客も通しやすいです。
白で統一し、おしゃれなミラーをつけて、来客にも使ってもらいやすいように考えた洗面室。
【04.寝室】寝室の収納はW・I・Cではなく見渡せるクローゼットを選択
寝室の収納は、ひと目で見渡せるクローゼットにしました。ウォークインクローゼットは自分が入る空間が必要だから、広さのわりに収納スペースは少ないよ、と設計者に教えてもらったことと、不用なものまでしまい込みそうだったので、やめました。実家の建てかえだったので、建物の解体前に片づけたのですが、押入れの奥からたくさん未使用のものが出てきて……。その体験から、ものは管理できる分だけしか持たない、と決めた結果です。
寝室の壁いっぱいにクローゼットを設けて。扉ではなくカーテンにしてコスト調整を。
2階 間取り図
【05.ピクチャーウィンドウ】リビングからグリーンを眺めるための窓が欲しかった
アアルトの自邸を見たときに、リビングから緑いっぱいの庭が見られて素敵だなと思い、うちもリビングからグリーンを見られる窓をつくりたいと希望しました。設計事務所で打ち合わせをしているとき、その事務所の北側にある窓の光がとても美しく、むしろ南の窓よりきれいだということに気づき、北側にこの窓をつくってもらいました。
正方形のフォルムにこだわったピクチャーウインドー。北側のやわらかい光にグリーンが映えます。
ピクチャーウインドーの外に小さなバルコニーをつくり、植物を育てています。正方形の窓は、一般的な引き違い窓の手前に壁を立て、四角くくりぬいて製作。
【06.リビング】照明などの落ち着いた光でダイニングとは違うくつろげる空間に
ダイニングとは違う空気感のリビングにしたくて、あえてダイニングと離してプランニングしてもらいました。広すぎると逆に落ち着かないし、照明もダイニングとはかえたかったので、こぢんまりとした空間を希望。日ざしがたっぷりというよりは、静かなやさしい光でくつろげる空間にしたいと思いました。これも北欧旅行で見た家の影響かもしれません。
のびやかなダイニングとは一転して、ソファに座った目線で落ち着ける、重心の低いしつらえのリビング。
【07.バルコニー】天気のいい日はアウトドアで食事をしたい
天気のいい日に外で食事できるスペースが欲しい、と希望してつくってもらいました。わざわざ庭に出ることもなく、キッチンからのアクセスもいいので、活用しやすいです。
高めの壁を立てたので、近隣からの視線もさりげなく遮ります。
【08.パントリー & ユーティリティ】オープンなDKをすっきり保てる収納と家事室が欲しかった
キッチンがオープンなのでパントリーが欲しかったのと、趣味の編み物をしたり、その本を収納できるユーティリティも希望しました。ユーティリティはDKからは見えず、でも閉鎖的ではない空間にしたくて、見晴らしのいい場所に窓をつけてもらいました。この窓からの眺めがいいので、休日には二人でお茶をしたりして、ちょっとしたカフェ気分も味わえます。
パントリーは、食器やストック食品、大きな調理器具などを収納。棚はDIYでつけました。このユーティリティで外の景色を眺めながらお茶を飲むと、ダイニングとはまた違った気分に。
【09.キッチン】キッチンは複数の人が入れるプランにしたい
前に住んでいたアパートのキッチンは狭くて、1人が作業しているときにもう1人が冷蔵庫に行くと、ぶつかってしまって不便でした。キッチンで作業していても、ほかの人が冷蔵庫にものをとりに行ったり、一緒に作業できるプランを希望しました。ダイニングやユーティリティとつながっているので使いやすいです。夫も自分でカクテルを作ったりして、以前より食事の時間を楽しんでいます。
木製アイランドカウンターを中心にぐるりと回れる間取り。気軽にキッチンに入れます。
【10.ダイニング】ダイニングは朝日がさし込む開放的な空間にしたかった
ダイニングは天井を高くして、明るい空間にしました。実家だったときは1階が生活空間で、道行く人の目が気になり、一日じゅうカーテンを閉めっぱなし。冬は近隣の家の日陰になり寒かったんです。今は2階なので通行人の目を気にせず、ブラインドを開けて日ざしをとり込めます。ここにもテレビを置くかもしれないと配線準備だけはしてありますが、今のところ食事中は会話や音楽だけで十分です。
天井が高くのびやかな空間のダイニング。一角のパソコンコーナーは省スペースながら便利。
どうやって決めたの? 基本の間取りの選択理由
Qリビング&ダイニングを2階にした理由は?
冬は1階の日当たりがあまりよくなくて寒く、人通りがあるので昼間でもカーテンを開けづらい立地なので。
Qキッチンをオープンにした理由は?
以前のアパートでキッチンが狭くて使いづらかったので。お客さまにも気軽に入ってもらって、話しながら一緒に料理をしたかったので。
Q風水や家相は気になった?
何か見てしまうと気になり始めてしまうので、あえて何も調べず、自分たちの暮らしやすさや快適さをいちばんに考えました。
Qリビング&ダイニングを2階にした理由は?
冬は1階の日当たりがあまりよくなくて寒く、人通りがあるので昼間でもカーテンを開けづらい立地なので。
Qキッチンをオープンにした理由は?
以前のアパートでキッチンが狭くて使いづらかったので。お客さまにも気軽に入ってもらって、話しながら一緒に料理をしたかったので。
Q風水や家相は気になった?
何か見てしまうと気になり始めてしまうので、あえて何も調べず、自分たちの暮らしやすさや快適さをいちばんに考えました。
DATA. Tさん宅(千葉県)
家族構成 |
夫婦 |
敷地面積 |
124.31㎡(37.60坪) |
建築面積 |
57.53㎡(17.40坪) |
延べ床面積 |
91.25㎡(27.60坪) |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2012年10月〜2013年4月 |
設計 |
プランボックス一級建築士事務所 (小山和子、湧井辰夫) TEL 03-5452-1099 |
施工 |
河端建設㈱ TEL 03-3926-1111 |
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