【前田さん宅(神奈川県)】
光と風と家族の気配をいつも感じられる
前田さん夫妻は、限られた予算と敷地面積の中で満足のいく住まいを建てるために、「小さな家だからトイレは1つでいい、和室が欲しいからパントリーはあきらめる」というように、希望に優先順位をつけて納得のいくプランニングをしました。
間取りで最も重視したのは、光と風がたっぷりとり込める空間にすること。高い天井が気持ちのいい2階にLDKを設け、コスト調整も兼ねて間仕切り壁や扉をできるだけなくし、引き戸を開けたままにすれば、各階がそれぞれひと続きのワンルームになる間取り。おかげで、家の中を風が渡り、お掃除ロボットも各階ごとにまるまる掃除ができるのだとか。家族が家のどこにいても気配を感じられる住まいになりました。
【外観】 『サザエさん』に出てくるような三角屋根にしたかった
アニメ『サザエさん』のエンディングに出てくる三角屋根の家が好きで、外観にはそのイメージをとり入れてもらいました。
3つの三角屋根が重なり合うデザイン。外装材は「Zen建築事務所」のオリジナルです。
1階 間取り図
【01.玄関収納】 スキー板やスーツケースもしまえる収納が必須でした
玄関収納は、靴のほかに何本もあるスキー板やスーツケース、バーベキューセット、アウターなどをしまいたかったので、シューズクローゼットが必須でした。どこからでも上がり下りできる広いたたきは、ベビーカーも置けて便利です。
たたきはタイルを貼らずモルタルのみにしてコスト調整をしました。
【02.クローゼット】 2つの部屋をつなぐ動線が使いやすい
個室はコンパクトでもいいから、家族で使えるウォークインクローゼットが欲しいと思い、最初は廊下に入り口がある収納を希望しました。設計者から提案してもらった今のプランは、廊下に出なくても洋服が選べて、大きな鏡もつけたのでとても便利でした。扉がないので「ルンバ」も自由に通り抜けられ、隅々まできれいにお掃除してくれます。
扉をつけないプランで、使いやすく通気もいいというウォークスルークローゼット。
【03.洗面室】洗面室まわりはシンプル&コンパクトがテーマ
洗面台はシンプルでコンパクトにし、下に洗濯物を置けるスペースが欲しい、と希望してこのスタイルに。ミラーは内部が収納になっています。洗面台の対面に洗濯機を配置して、そこにタオルや化粧品などを収納できるようにしました。掃除用品などは廊下の収納に入れられるので、洗面室まわりの収納はこれで十分。
洗面ボウルは「サンワカンパニー」。ミラーはメディスンボックスで、こまごましたものを収納できます。洗濯機の上はオープンな棚に。トートバッグにタオルのストックなどを収納。
【04.浴室】将来の設備がえのことまで見据えて選択
浴室は、建築時のコストや掃除のしやすさを考えたのと同時に、設備はどうしても傷むので、将来、設備がえをするときにリフォームしやすいシステムバスを選びました。
色やデザインはご主人が選んだというシステムバス。
2階 間取り図
【05.LDK & ワークスペース】家族の気配を感じつつ、集中できるスペースも
広々としたLDKには、和室のほかに、落ち着けるワークスペースも隣接させました。パソコンの周辺機器や本などをまとめておけるのでLDがすっきり片づき、デスクまわりはLDから死角になるので、雑多な印象になりません。こもれるのに家族の気配は感じられる、絶妙な配置が気に入っています。
コンパクトなスペースでありながら、本やパソコンなどをまとめられ、集中できる便利なワークスペース。パソコン周辺は、ダイニングやソファに座ったときには見えない配置になっています。
【06.和室】パントリーよりも優先した和室は子どもが生まれて便利さをさらに実感
とり込んだ洗濯物を一時置きしたりたたんだり、子どもがお昼寝したり、両親が来たときに泊まったり……と、とにかくフレキシブルに活用できる和室はどうしても欲しかったスペース。実際、暮らし始めてから子どもが生まれ、大活躍しています。LDKにつながっているのに独立感もある、という配置を希望したところ、外観の特徴でもある三角屋根のモチーフを採用した、ユニークなデザインにしてくれました。
吊り押入れのある和室は、家事をしながら赤ちゃんをお昼寝させたりできる配置が便利。
【07.LDK】天井が高く風が抜けて明るいオープンなLDKにしたい
光と風をたっぷりとり込める、広々として天井が高いリビング&ダイニングを希望。どこにいても家族の気配が感じられるような、オープンな間取りにしたいと思いました。2階にプランニングしたことで、希望どおり勾配天井の開放的な空間にできました。仕切りのないワンルームの中に、和室やワークスペースもつくってもらいました。
家の形にデザインされた壁の内側は和室。カラマツの間伐材を使った壁がアクセントになっています。
【08.キッチン】オープンキッチンだけれど設備は壁づけに
キッチンはオープンにしたかったものの、油はねなどが気になったので、設備は壁づけにしました。対面カウンターは「hike」でオーダーした家具で、食器の収納を兼ねています。置き家具なので移動でき、暮らしが変わったときに配置をかえられるのもいいと思っています。和室がどうしても欲しかったのでパントリーはあきらめて、かごやブリキの箱など好きなテイストの収納グッズに、必要最小限のものしかストックしないようにしています。
ステンレス製キッチンは「スタディオン」にオーダー。壁面には「イケア」の棚などを。
どうやって決めたの? 基本の間取りの選択理由
Q.リビング&ダイニングを2階にした理由は?
光と風がたっぷり入るLDを希望し、2階なら屋根の勾配を生かして抜けのある高い天井が可能だと思ったので。近隣の家とメインの生活空間を逆にして、お互い気兼ねのないようにしようという意図もありました。
Q.キッチンをオープンにした理由は?
キッチンにいても家族の気配を感じられる間取りにしたかったので。
Q.浴室を1階にした理由は?
2階のLDKをできるだけ広々とつくりたかったので。
Q.動線ってどう考えた? 重視した動線は?
設計者から提案された1階クローゼットの動線は、とても使いやすいです。お掃除ロボット「ルンバ」も通り抜けられます。
Q.風水や家相は気になった?
気になりませんでした。それよりも、“気に入らないもの”がない空間を心がけています。
Q.窓の配置でこだわったところは?
風が抜け、冬でも換気できるように、小さな窓もつけてもらいました。住んでから気づいたのですが、ダイニングに座ると西の窓に富士山が望め、気分がいいです。
DATA. 前田さん宅(神奈川県)
家族構成 |
夫婦+子ども1人 |
敷地面積 |
125.19㎡(37.87坪) |
建築面積 |
50.51㎡(15.28坪) |
延べ床面積 |
88.60㎡(26.80坪) |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2012年2月~7月 |
本体工事費 |
約1890万円 |
3.3㎡単価 |
約70万円 |
設計 |
ダイニングプラス建築設計事務所(細田淳之介) TEL 0466-47-6820 |
施工 |
Zen建築事務所 TEL 0466-88-7074 |
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