【Kさん宅(滋賀県) 本体工事費約1785万円 建築面積約17坪】
以前は大きなスーパーが目の前にある便利なマンション住まいで、「友人たちから『なぜ引っ越すの?』と言われましたが、私たちは不便でも自然のほうが好き!」。ご夫妻と小学生の長男、保育園に通う次男の4人家族。
アウトドアが大好きで、しょっちゅう琵琶湖を訪れていたKさん一家。「いっそ琵琶湖の近くに家を建ててしまおう」と、土地探しから始めました。 「湖を見渡したい」というご主人と、「森の中というイメージが理想」という奥さま。お二人の希望にかなう土地を、4年ほどかけてじっくり探したそう。ようやく見つけたのが、湖と山が迫るこの土地。駅には近いのに自然がたっぷり、広さと手頃な価格も魅力でした。
「予算内」達成のコツ3カ条 by Kさん
- 譲れない部分を明確にして、それ以外の部分はシンプル&コンパクトに
- 大きな収納スペースはつくらず、ため込まない暮らしを実践する
- DIYや施主支給で好みのインテリアテイストを実現
1F 玄関ホール & 土間
【コストダウンIDEA】チープなドアに麻袋をあしらっておしゃれに。
傷やペンキ汚れがカッコいい古材の床。ドアもイメージを合わせた塗装仕上げに。広い土間スペースは第二のリビングとして活用中。
玄関ホールにあるシューズクローゼットの入り口はスイングドア風に。「あえてチープなつくりにして手作り感を出してもらいました」。階段も大工さんのワザで「古っぽい感じ」に。コンクリートむき出しの土間にスチール製のロッカーが似合います。
DIYでつくった木のボックスは、洗面室の前に置いてお子さんのパジャマ入れに。
レトロ感のあるドアノブなど、パーツや照明はショップやネットで購入し、現場でつけてもらいました。
LDKはコンパクトでもデッキはできるだけ広々と。 家でもアウトドア気分を満喫
2F キッチン
【コストダウンIDEA】木製の腰壁でシステムキッチンを造作キッチンの雰囲気に。
システムキッチンを腰壁で囲んで。ダイニング側に棚などはつけずにコストを抑え、自然塗料で仕上げて風合いを出しました。キッチンに立つと掃き出し窓からデッキ越しに琵琶湖が見え、振り返ると背面の窓には山が。料理もあと片づけも楽しくできます。
【コストダウンIDEA】LDから見えない部分はオープン棚に。
背面側にはオープン棚を。「中に入れた市販の木箱は、大工さんに棚と同じ色に塗装してもらいました」
2F リビング
【コストダウンIDEA】デッキにスペースを割いた分、リビングはコンパクトに。
広さはしぼりましたが、デッキとつながるので開放感は十分。家具は結婚時に家具デザイナーのおじさまから贈られたもの。
「家を建ててからも暮らしを楽しみたいし、お出かけもしたい」と、余裕のあるローンの返済計画を立て、家にかける予算を算出。要望を詰め込んだ最初のプランでは予算をオーバーしましたが、「譲れる部分」「譲れない部分」を明確にしてコストダウンをはかりました。
たとえば「広いデッキは絶対欲しいけれど、LDはデッキとつなげれば広々と感じさせられるから、多少狭くなってもOK」「寝室は最小限の広さでいいから2つ欲しい」など。そして「将来、薪ストーブを設置できる広い土間スペース」も絶対かなえたい希望だったそう。
家全体の面積を縮めるために「倉庫のような収納」は断念。「でも、大きな収納スペースに押し込んでしまったら、結局使わないことになりますよね。収納を減らした分、いるもの、いらないものをよく考えて買い物をするようになり、よかったかも」と奥さま。 コストを下げるために子ども部屋の間仕切りをなくしたおかげで、子どもたちがぐるぐる走り回れるように。
デッキに面したサッシは全開できるタイプをあきらめ、一般的な引き違い窓にしましたが、「虫が多いので、網戸が設置できるこの窓で正解だった」とポジティブにとらえています。 Kさん夫妻の好きな「ざっくりした素材感のある雰囲気」も、コストと実用性を考えながら実現。憧れていた古材の床は玄関ホールに採用し、LDKの床はエイジング加工を施した無垢材にしました。
希望だった「木製の造作キッチン」は、システムキッチンの周囲に木製の腰壁を設けてイメージを近づけ、背面側には木製のオープン棚を設置しました。 家具や雑貨の多くは、骨董市で買ったものや手作りしたもの。無理なく実現できた新居を舞台に、工夫を凝らしながら自分たちらしく暮らすKさん一家です。
2F デッキ
【コストダウンIDEA】フルオープンのサッシをやめて引き違い窓に。
「お誕生日はデッキでバーベキュー!」と息子さん。家族全員のお気に入りです。室内とフラットにつながり、出入りもラク。
琵琶湖も山も近い立地なので、天気が変化しやすく、「虹がしょっちゅう見えます」。
1F 寝室・W.I.C
【コストダウンIDEA】扉をつけず突っ張りポールとカーテンで目隠し。
就寝時間にずれがあるため、夫婦の寝室は「最小限の広さでいいから2つ」と希望。行き来できるように、間仕切り壁には引き戸を設けて。
寝室の前にウォークインクローゼットを1つずつ設置。1階なので帰宅後もさっと着替えられます。
2F 手洗いコーナー
実験用シンクを壁づけにし、水栓金具もレトロなデザインのものを。「既製品の洗面台と価格が変わらないと聞いて決めました」
2F 子ども部屋
【コストダウンIDEA】間仕切り壁を設けず、のびのび遊べる広い空間に 。
子ども部屋はLDKの隣に配置。気配が伝わり、親子ともに安心です。床や壁の素材をLDKと統一したこともコストダウンに貢献。
湖と山を両方楽しめる立地を生かして アメリカンハウスの雰囲気に
1F 玄関ホール
広い土間はDIYの作業場としても活躍。「今、好みに合うソファを探し中です。将来は薪ストーブを設置して、友達と集まりたいですね」
1F トイレ
トイレの床はお手入れしやすいクッションフロアを採用。ドアは既製品の中からデザインを選び、好みの色に塗装してもらいました。
外観
【コストダウンIDEA】玄関ドアは、オーダーはやめて高性能の既製品に 。
よろい張りの外壁がアメリカンな雰囲気。玄関ドアは手作り品を希望しましたが、「性能も大切」との設計者の意見で既製品に。「デザインにも満足です」
【コストダウンIDEA】外観のデザインは、総2階のシンプルな形状に 。
ゆったりした敷地を生かして建物を配置。これから庭を仕上げていくのも楽しみです。
設計のPOINT
菱和ホーム 文平 淳仁さん
「遊び心のある家」を希望され、土間のセカンドリビングをぜひ実現したいとのことでしたので、要望に優先順位をつけてもらってスペースを調整しました。予算内におさめるために建物のサイズをコンパクトにしていますが、リビングに続けて鉄骨造の広いデッキを設けるなど、プランで広がりを感じさせています。 コストを抑えるための工夫はしますが、24時間換気システムは必ず導入。快適な室内環境をつくるだけでなく、冷暖房効率がよく、住んでからの光熱費も抑えられます。
【Profile】
中学時代、自宅の建てかえをきっかけに建築に興味をもつ。大学卒業後に就職するも建築・デザインへの夢が捨てきれず、デベロッパーに転職。地元の住宅会社勤務を経て2002年、注文住宅の設計・施工を行う同社を創業。
DATA. Kさん宅(滋賀県)
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
敷地面積 |
287.00㎡(86.82坪) |
建築面積 |
57.55㎡(17.41坪) |
延べ床面積 |
106.00㎡(32.07坪) 1F53.00㎡+2F53.00㎡ |
構造・工法 |
2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2013年5月~9月 |
建築総コスト |
1785万円 |
3.3㎡単価 |
約56万円 |
設計・施工 |
菱和ホーム TEL:077-571-1012 |
★おしゃれな注文住宅を建てたい方はこちら
★注文住宅のカタログを取り寄せたい方はこちら
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます