家づくりの際に意外と頭を悩ませるのが、壁や天井などの内装、家具や小物のカラーコーディネート。アイテム選びの前にまず色の仕組みを理解すれば、コーディネートしやすくなります。
【Point.1】まずは色の種類と仕組みを知ることから
色の種類は大きく分けると2つあり、赤、青、黄色のような色みのある「有彩色」と、白、グレー、黒などの「無彩色」です。さらに、色の3属性「色相」「明度」「彩度」に基づいて分類します。色を分類し、合わせ方の法則を知れば、すっきりと使いこなせます。
「色相」は色みの違い
赤や青、黄色などの色みを色相といいます。各色相の中で彩度がいちばん高く、にごりのない純色を並べたのが、下図の「色相環」です。
「彩度」は鮮やかさの違い
鮮やかさの度合いをあらわしたものが彩度です。澄んでいて色みが鮮やかなほど高く、にごりがあって色みが薄いほど低くなります。
「明度」は明るさの違い
明るいか暗いかといった、色の明るさ。明度は白に近いほど高く、黒に近いほど低くなります。無彩色は明度の違いのみで分類します。
「トーン」は色の調子
明度と彩度を同時に考えたもの。右上の図のように、同じ色でもトーンが変われば、「淡い」「派手」など、受けるニュアンスが変わります。
【Point.2】色の組み合わせ方でイメージチェンジを
「反対色」で個性的なインテリアに
色相環で向かい合っているのが反対色(補色)で、お互いを引き立てる組み合わせ。しかし、2色とも鮮やかだと刺激的になってしまうことも。どちらかを主役に、もう一色は差し色として使いましょう。強い色の反対色を使いたければ、白やグレーの無彩色をベースに。
「同系色」は無難にまとまる正統派
同じ色相で、明度や彩度の異なる色を組み合わせるパターン。色の性質が同じなのできれいにまとまりますが、無難すぎることも。淡い水色が多いときは、濃い青を少し入れて引き締めるなど、濃淡で表情を変えてみて。また、類似色や反対色をアクセントに使っても。
「同一トーン」は色数が多くてもまとまる
色を多めに使いたい場合は、トーンをそろえてみて。純色の派手なトーンは元気な感じ、淡いトーンはやさしい感じなど、トーンが同じならイメージも同じ。色相が違っても色同士がぶつからず、トーンのもつイメージが強調されて雰囲気が出ます。
「類似色」には安心できる統一感が
色相環で隣の隣くらいまでの色を類似色と呼びます。似た性質なので、色同士がケンカしません。ただし、2色を同じくらいの分量で使うと、どちらがメインかわからず、メリハリがなくなってしまいます。テーマカラーを決め、その色を多めにして、ほかは少なめに。
【Point.3】どの色をどこにどれくらい使うかバランスを考えて
内装を決める前に、どの色をどこにどれくらい使うか、色彩計画を立てて。家具や雑貨の色も合わせて、「ベース」「メイン」「アクセント」の3色で組み立てていきます。
「ベースカラー」は飽きのこない色が正解
面積は部屋全体の約70%で、床、壁、天井などの内装材。価格も高く、かえにくいので、アイボリーやベージュ、茶色などが無難です。
「メインカラー」はいちばん好きな色を
面積は部屋全体の約25%で、ソファやカーテン、キャビネット類の色です。インテリアの主役になるので、好きな色を選びましょう。
「アクセントカラー」で遊び心を加えて
面積は部屋全体の約5%でクッションやランプシェードなどの小物に使います。比較的安くかえられるので、思いきった色や柄物でも。
【Point.4】色のもつイメージを利用しよう
「暖色」と「寒色」は部屋で使い分けても
青や黄色など色みのある内装を考えている人は、「暖色」と「寒色」の性質の違いに注意。赤やオレンジなどの暖色は、あたたかい雰囲気にしたい部屋に最適な色ですが、興奮色と呼ばれる気持ちを高ぶらせる色でもあるので、リラックスできない場合も。暖色は進出色とも呼ばれ、前に迫って見えるので、部屋が狭く感じることも。
青や緑、白、グレー、黒の無彩色は寒色と呼ばれ、涼しげなイメージ。青は気持ちをしずめてくれる鎮静色なので寝室などにおすすめですが、鮮やかだと頭が冴えてしまうので気をつけて。また、後退色という後ろに下がって見える色でもあるので、部屋を広く見せてくれますが、鮮やかすぎると圧迫感があります。
「明るい色」と「暗い色」は広さの印象も変える
色の明度によって、色の「重い」「軽い」という印象も決まります。明るい色ほど軽く、暗い色ほど重く見えます。これは高さの印象にも影響するので、天井の色を決める際に重要に。白い天井は実際より10㎝高く見え、黒い天井は20㎝も低く見えるといわれています。また、暗い色は小さく引き締まって見える収縮色、明るい色は大きくふくらんで見える膨張色とも呼ばれます。暗い床にすると実際より狭く見えるので、床材選びに気をつけましょう。
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