家具の配置を工夫すれば、限られたスペースを機能的に広々と使えます。 家づくりの過程から人の動線や視線を意識し、家具のサイズ選びや配置を検討しましょう。
【Point.1】人がどう移動するか、「動線計画」を立てよう
人が移動する線=「動線」を考えよう
家具の配置を決めるときに意識しなくてはならないのは、入り口からLDに入り、ソファの前を通って窓から庭へ……などの、人が移動する「動線」です。直線距離で考えれば短くても、家具と家具の間を迂回すると余計な時間と手間がかかってしまいます。目的の場所にできるだけ短い距離でスムーズに行けるように動線を考えましょう。
たとえばLDなら、廊下や隣室、デッキへの出入りや、キッチンとのつながりが重要。人の動きを妨げないように家具を配置して。
「人が通るためのスペース」も忘れずに
人が歩くには、通路になるスペースを確保する必要があります。平均的な人の肩幅は約50㎝ですが、左右に余裕がないと家具や壁にぶつかってしまうことも。1人が正面を向いて歩くのに必要なスペースは55〜60㎝、2人がすれ違う場合は110〜120㎝。このスペースを基本に、場所によってアレンジしましょう。たとえばLDは、プライベートルームと違って人が集まる場所なので、ゆとりあるスペースを設定して。狭い部屋ではすべての通路に十分なスペースがとれないので、週に一度くらいしか使わない通路は多少窮屈でもしかたない、と割りきって。また、椅子を引いたり引き出しをあけたりするスペースも考えましょう。
通路に十分な広さがないと歩きにくくなってしまいます。特に大柄な家族が多いお宅では、やや広めにスペースをとって。
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【Point.2】どこから何が見える?「視線計画」を立てよう
広く見えて、生活感を感じさせないインテリアのために大切なのが「視線計画」です。広く見せるには視線の抜けをつくるのがポイント。目の前に障害物があると視線が途切れてしまうので、目がいきやすい部分は、すっきり遠くが見渡せる配置に。また、窓の外に目がいくように家具を配置すれば、狭い部屋でも開放感が味わえるはず。鏡を壁にかけて奥行き感を出すのもひとつの手です。以下のイラストでは、DKのダイニングセットの置き方による視線の違いとLDKのソファの向きによる視線の違いを説明しています。
DKはごちゃついた部分から視線をはずす工夫を
ドアを入ってすぐの場所に背の高い家具があると、視線が遮られて狭く感じてしまいます。なるべく視線が抜けるようにダイニングセットを配置しましょう。
テーブルをキッチンと平行にする場合。どうしてもキッチンに目がいくので、ロールスクリーンなどで仕切るのも手。不要なときは巻き上げれば、じゃまにならず便利です。
ダイニングの椅子に座るとキッチンセットに目がいきにくい置き方。余裕があれば、キッチンとの間に間仕切りカウンターを設置すると、さらにすっきり見えます。
LDKは生活スタイルによって配置を変えて
正面を向いてソファに座れば、DKの様子はあまり気になりませんが、DKにも目を向けやすい配置です。ソファを壁づけにしたので、スペースも有効に使えます。
LDとキッチンで視線や言葉を交わせます。キッチンからDKがよく見えるので、小さい子どもがいるお宅に最適。ソファからDKが見えて、雑然とした印象を与えることも。
キッチンからはLDが見えますが、ソファからはDKが見えない配置。連続した空間でも、ダイニングとリビングにいる人が互いを意識せず過ごせます。来客が多いお宅に。
【Point.3】家具をまとめて置けば、無駄な空間がなくなる
狭い部屋でも広々と感じさせる空間をつくるには、床を広く見せるのも大切です。コーナーを利用するなどして家具を上手に配置し、なるべく広いオープンスぺースをつくりましょう。さらに、部屋の広さに対する家具の分量を考えることも重要。一般的に、家具の占有面積が床面積の3分の1程度になるのが理想とされています。難しければ、せめて4割程度におさえましょう。また、家具は家で見るよりショップで見るほうが小さく感じるもの。サイズを確認してから購入を。
【Point.4】家具の色・高さ・奥行きをそろえてすっきり
インテリアの第一印象を決めるのは色使いといわれています。メインとなる家具の色はそろえるのが基本。新調する場合は、今使っているものの中でメインにしたい家具の面材と統一させて。また、ほかの部屋の家具と置きかえると統一感を出せる場合もあるので、今使っているすべての家具を一度チェックしてみましょう。単体の収納家具を並べるときは、家具の高さと前面のラインをそろえるとすっきり見えます。
色、高さ、奥行きがまちまちだと、ごちゃついて見えます。板をのせて1つのカウンターのように見せたり、ロールスクリーンで目隠ししたりと、工夫しだいで改善できます。
【Point.5】「フォーカルポイント」をつくって印象的に
パッと見た瞬間、思わず視線がいく場所、それがフォーカルポイントです。和室なら床の間、リビングならドアをあけたときに正面に見える壁。そのポイントに素敵な絵をかけたり、家具を置いて小物を飾ったりすると、インテリアがぐっと印象的になります。フォーカルポイントを2カ所つくる場合は、一方を目立たせて一方をひかえめにして。自慢のポイントに視線をくぎづけにできれば、ほかが目立たなくなるというメリットもあります。
お客さまに好印象を与えるのが玄関のディスプレイ。入ってすぐに見える場所をセンスよく。
ソファから見える壁もフォーカルポイント。広い壁面は大きめの絵などで立体的に見せて。
【Point.6】遠近法をとり入れれば、奥行き感を演出できる
近くに見えるものを大きく、遠くに見えるものを小さく描くのが、絵画でいう遠近法。これを家具の配置に応用して、部屋を広く見せる方法があります。視線の方向に沿って家具の高さを低くしていくと、家具の高低差によって奥行き感が強調され、広さを感じることができるのです。一般的なLDを描いた左イラストの左手の壁に注目してください。手前に背の高い家具、その奥に低い家具が並び、ダイニング側から見ると、窓までの距離が実際より長く感じられます。
ソファやテーブルを低く、カーテンに淡い色や小さな柄を使えば、さらに奥行き感が。
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