30〜40代で家を建てる場合も、将来に備え、安全のためにできる工夫と、場所によっては改造しやすいよう、新築時からプランニングしましょう。
バリアフリー(障害がないの意)の工夫は、親や祖父母が訪れるときのためにも必要です。さらに、「老若男女、誰もが使いやすい」というユニバーサルデザインの観点で家づくりをすれば、小さい子どもも安心して過ごせます。
ユニバーサルデザインをとり入れる
以下に、場所別のポイントをまとめています。
玄関
車椅子でも出入りできるよう、開口を85cm以上に。引き戸もおすすめです。最近の住宅は床からの湿気対策や、床下にもぐってメンテンナンスできるよう、床を高めにする傾向なので、将来スロープを設けられるようにしておきましょう。
必要な場所には手すり設置用の下地材を入れておきます。
廊下
モジュール(基準寸法)を尺貫法よりゆとりの出るメーターモジュールにして広めの幅を確保しておくこと。
手すり設置用の下地材も入れておきます。
階段
勾配を建築基準法の基準ギリギリにすると少し急なので、ゆるめに設計を。手すりの設置は必須です。
部屋の入口
なるべく上で吊るすタイプの引き戸にして、床をフラットにしておくとつまずきも解消されます。車椅子での移動もラクになります。
バス・トイレ
車椅子に対応できるように広さにゆとりを持たせたり、改造しやすいつくりにしておきましょう。手すりをつけられるように下地材を入れたり、トイレは廊下に対して直角ではなく、開口が大きくとれるよう、なるべく平行に設けます。
バス・洗面・トイレを一体型にするのも広さにゆとりが出るので有効です。その場合は、別にプライバシーを確保できる個室タイプのトイレを設けるのがおすすめ。
エレベーター設置場所も確保しておく
最近は2階にリビングを設ける家が多いので、将来エレベーターを設置する場所を確保しておきましょう。押入れの位置を上下階でそろえたり、吹き抜けを利用します。
エレベーターは、1間の押入れほどの広さから取り付け可能ですが、車椅子で乗るか、介助者も一緒に乗るかどうかなどで設置に必要なスペースが違います。どのタイプに備えるかを事前に検討しておきましょう。
階段に椅子タイプの斜行エレベーターをつけられるよう、下地補強しておく方法もあります。
室内の温度差対策や安全性の高い設備機器類
断熱性の高い住まいでは、室内の温度差はあまりありませんが、それでも冬は北側の温度が低くなります。ヒートショックを起こさないよう、北側の寒い廊下を通らずにバス、トイレに行ける動線を考えましょう。
また、キッチンのコンロは火を使わないIHヒーターや、ガスなら安全装置つきや、レバーが大きくて点火、消火がはっきりわかるものなど安全性の高いものがおすすめです。
ほかにも、引き戸や折れ戸は指つめが怖いので、小さい子どもがいる家では角が丸いタイプを。
階段や吹き抜けの手すりは、子どもが落下する心配のないデザインにしましょう。ワイヤーの手すりなどは要注意です。
見落としがちな照明・コンセントの対策
高齢になり視力が弱まると暗く感じるので、明るさを調節できる照明器具を選ぶなどの対策を。電気器具のコードにつまずく事故も多いので、コンセントはなるべく多めに設置しましょう。
コードの抜き差しがラクなよう、コンセントプレートの中心は床から35cmと高めにしておくといいでしょう。
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