昔の建物は木や土などの自然素材できていましたが、戦後、工業製品が多数出てきて化学建材が非常に増えました。
加えて住宅の気密性が高まったために、建材から出る目に見えない化学物質(揮発性有機化合物)が室内にとどまるようになり、すき間が多かった以前の建物に比べると、室内の空気環境が悪化することに。
そのため化学物質が原因で、体調不良をきたすシックハウス症候群を防ぐための対策が必要となったのです。
シックハウスの対策
現在、建築基準法では、化学物質が極力出ないよう、化学物質の中の「ホルムアルデヒド」と「クロルピリホス」は使用を禁止しています。
ホルムアルデヒドを使用している建材は、空気中の発散量によってランクづけされています。現在、市場に出回っている建材は発散量がもっとも少ないF☆☆☆☆(エフ・フォースター)の製品がほとんどです。
しかし、最高ランクとはいっても、いちばん厳しい規制値を下回っているという意味にすぎず、やはり少量ながらホルムアルデヒドを放散しています。
ですから、基準法でも、F☆☆☆☆の建材を使う場合、1時間に室内の空気を0.5回換気する24時間常時換気を義務づけています。
具体的な方法としては、微風量換気扇を設置して強制的に換気を行います。もっとランクが下のF☆☆☆やF☆☆を使う場合は、使う面積に応じて、さらに換気量を割増する必要があります。
F☆☆☆☆の建材さえ使えば安全と思われがちですが、化学物質による汚染がゼロになるわけではありません。
また、最近はアスベストのような極端に体に悪影響を及ぼすものは減っていますが、ホルムアルデヒドとクロルピリホス以外の化学物質は建築基準法では規制していないので、化学物質に過敏な人は注意が必要です。
自然素材建材を多用してシックハウスを軽減する
天然の木や石、土などは、ホルムアルデヒドを含まないため、先述の規制の対象外となっていて、自然素材の建材を多用することで化学物質によるシックハウスの心配を軽減できます。
木や土は素材自体が呼吸するので、調湿作用や空気を清浄化する作用もあります。昔から多用されてきた建材には、やはりそれなりの理由があるというわけです。
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